足つきはそんなに重要じゃない !ホンダ「CRF250L」はそれを教えてくれた理想の1台
バイクのニュース / 2024年7月14日 11時10分
ホンダのデュアルパーパスモデル「CRF250L」に試乗。そのインプレッションです。
■アスリートなビジュアルが超絶好みな1台
ストリートからダートまで、どんな場所でも楽しめるデュアルパーパス、ホンダ「CRF250L」に試乗しました。
ホンダ「CRF250L」と筆者(先川知香)
今回試乗したのは、2023年に登場したCRF250Lの最新モデル。「On(日常の便利さ)とOff(休日の楽しさ)に磨きをかけた Evolved ON-OFF GEAR」をコンセプトに開発された1台です。
搭載されるのは水冷4ストロークDOHC249cc単気筒エンジンに、街中やオフロード走行で多用する低中回転域で、よりパワーが出るように吸排気系にチューニングが施されたもの。
見た目はガッチガチのオフ車という感じですが、ストップ&ゴーが多い街中でも扱いやすいエンジン特性となっています。
そんなCRF250Lの足つきは、決していいとは言えない高さ。車高が高いのはオフロードモデルの特徴でもありますが、身長165㎝の私が跨ると、両足のつま先がギリギリ地面に着くという状況で、車体をしっかり支えるには少し不安が残ります。
しかも、オフ車は車高が高くても、悪路を走る為にサスペンションが結構沈みこんで、車高の割に乗ってみるとそこまで足つきは悪くないというモデルが多いのですが、CRF250Lはそこまでサスが沈み込む事はありませんでした。
シート高830(880)mm、足つき(身長165㎝)は、両足のつま先が地面に接地する程度
デザインは「THE オフロード」。人間に例えると、ぜい肉は一切付いていないバッキバキのアスリート体型みたいな印象で、かなり私好み。
だけど、私が自分の愛車を購入すると考えた場合、足つきが悪いというのはかなりのマイナスポイント。だって、信号や右折待ち、渋滞などで停車をするたびに立ちごけをしないように神経を張り巡らせながら乗る愛車って、しんどくない?
二輪免許を取り立ての、バイクに憧れいっぱいの頃は、見た目が好みというのが愛車を決める最大の決め手になっていたけど、何年もバイクに乗っていくうちに、頻繁に乗るなら、やっぱり足つきは重要。
今では、気楽に乗れてカッコイイモデルが、私がバイクを購入する条件になっています。その基準から行くと、CRF250Lは「カッコイイけど惜しい」モデル。そんな事を思いながら、試乗を開始しました。
■安心感に足つきなんか関係ない!
「足つきの悪いバイクの初乗り・・・怖いなぁ」。そう思いながら恐る恐るアクセルを開けると、グイッと力強く走り出し、加速も減速も全てが思い通り。
バイク自体が「どこに行く?どうしたい?」と、ライダーの意見を聞いてくれているような扱いやすさに、驚きを隠せません。
そして、車体の取り回しが軽い。細い道や路面の荒れた道路、さらにはヘアピンのような急カーブも、自転車に乗っているかのような自由度の高さで「めちゃくちゃ楽しい!」。
ホンダ「CRF250L」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
自転車に乗っているかのように扱えて、バイクとして十分速い。そうなると、足つきの悪さなんて微塵も怖くありません。
このCRF250Lに試乗して気付いたのですが、私のずっと感じていた「足つきの悪いバイク」への恐怖心の正体。それは、ライダーが乗っている最中に感じる、車体の重さだったのです。
私はバイクの怖さは停車する時に感じるものだと思っていて、どんな大きなバイクでも、路面がめちゃくちゃ荒れているなど特別な要素が無い限りは、走っている最中に恐怖を感じる事はありません。なぜなら、バイクは走っていれば倒れないから。アクセルさえ開いていれば、安定して真っすぐ走ってくれます。
私がバイクの扱いで一番怖いのは、立ちごけ。もちろん飛び出しなど他者が関連する要素を入れれば、もっとたくさんありますが、これは自分が単独で走っている時に限定した話です。
例えば停車時にふと足を付いた際に、地面が思ったより低かったなど、何かしらのアクシデント的要素があってバランスを崩した時に、足つきが悪いと重い車体を支えて踏み止まり切ることができません。
しかし、このCRF250Lは乗っている体感では車体が凄く軽いので、ある程度は支え切れるという安心感があったのです。
怖いのは「足つき」じゃなかったんだというのが、このCRF250Lの操作性や取り回しを体感して気付いたこと。それぐらい、軽くて扱いやすい1台でした。と言っても、車重は141㎏あるんですけどね。
ホンダ「CRF250L」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
そんなこんなで、私にとって理想とも言えるCRF250Lでしたが、軽いが故のデメリットもありました。
それは強風。試乗した日に偶然、台風のような突風が吹き荒れていて、普通の道路を走っているだけでかなり風に煽られてしまうんです。
一般道での強風でかなり怖かったので、高速道路を走るのは無理かもしれない。それが、正直な感想。それでも街中での移動やアウトドアなど、日常使いにはオンでもオフでも気軽に楽しめちゃう最高の1台!
CRF250Lの価格(消費税込)は、62万1500円で、カラーは今回試乗したエクストリームレッドに加え、スウィフトグレーもラインナップされています。
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