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パッシングの使い方は! タイミングはクルマと違う?同じ?

バイクのニュース / 2024年7月8日 9時10分

 バイクでは、ロービーム→ハイビーム→ロービームを切り替えることで、パッシングをおこなうことができます。バイクのパッシングは、どのようなときに活用するものなのでしょうか。

■バイクのパッシングのルールは?

 クルマのドライバーのなかには、道を譲る際や周囲のクルマに感謝を伝える際に、ハイビームを1回パチっと点灯させる「パッシング」を活用する人が見られます。

 クルマでは、ウィンカーレバーを1度手前に倒すことでパッシングすることができますが、バイクは、安全の観点から走行中は常時ヘッドライトが点灯する機構になっているため、ロービーム→ハイビーム→ロービームと瞬時に切り替えることで、パッシングをおこなえるようになっています。

ロービーム→ハイビーム→ロービームと瞬時に切り替えることで、パッシングをおこなえるようになっているロービーム→ハイビーム→ロービームと瞬時に切り替えることで、パッシングをおこなえるようになっている

 では、バイクのパッシングは、どのような場合に活用するものなのでしょうか。

 実は、道路交通法や道路運送車両法といった法令では、パッシングについて定められている項目はありません。そのため、法令的にはパッシングの使い方が決められていないというのが実情です。

 一方で、ライダーのなかには、前述したクルマのドライバーのように、ほかの自動車に道を譲る際や、道を譲ってもらった際の「ありがとう」の意味で慣例的に活用している人が多くみられます。

 ただ、あくまでもこれは慣例的な使われ方で、法令で使い方が決められていないぶん、人や地域によってパッシングの意味合いは大きく異なる場合があります。

 前述したように比較的多くのライダーが、道を譲る場合や、道を譲ってもらった際の「ありがとう」の意味合いでパッシングを活用していますが、なかには「先に行かせてください」「私が先に通ります」など、真逆の意味でパッシングを活用する人もいるようです。

比較的多くのライダーが、道を譲る場合や、道を譲ってもらった際の「ありがとう」の意味合いでパッシングを活用している比較的多くのライダーが、道を譲る場合や、道を譲ってもらった際の「ありがとう」の意味合いでパッシングを活用している

 そのため、もし街中でほかのバイクからパッシングされたとしても、一概にその意味合いを決めつけず、パッシングをしたライダーの様子をうかがって、どのような意味合いで使用したのか様子を見ることが重要です。

 もし、自身がほかの交通に進路を譲りたいと思った際には、意味合いの定まっていないパッシングを活用するのではなく、一時停止して手振りで道を譲る合図をするなど、なるべく身振りや手振りで伝えるのが良いかもしれません。

■実は「サンキュークラクション」は法令違反?

 道を譲ってくれた際に「ありがとう」を伝える方法として、クラクションを軽く鳴らす「サンキュークラクション」を活用する人も多く見られますが、実は、この使用方法は道路交通法に抵触する可能性があります。

クラクションの使い方は、道路交通法54条「警音器の使用等」において「車両等の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない」と定められているクラクションの使い方は、道路交通法54条「警音器の使用等」において「車両等の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない」と定められている

 クラクションの使い方は、道路交通法54条「警音器の使用等」において「車両等の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない」と定められており、以下ふたつのケースで鳴らすことが決められています。

「左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき」

「山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき」

 また、このケースのほかにも例外として「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」とされています。

 ここからわかるように、「ありがとう」を伝える際にクラクションを鳴らすという行為は、法令上で認められたものではありません。

「ありがとう」を伝える際には、会釈をするなど進路を譲る際と同様に、身振りや手振りを使った合図をするのがベストといえる「ありがとう」を伝える際には、会釈をするなど進路を譲る際と同様に、身振りや手振りを使った合図をするのがベストといえる

 そのため、「ありがとう」を伝える際には、会釈をするなど進路を譲る際と同様に、身振りや手振りを使った合図をするのがベストといえそうです。

※ ※ ※

 なお、パッシングによって道を譲ってもらった際には、焦って進もうとするのではなく、周囲の交通に十分注意するようにしましょう。

 パッシングによって道を譲られると、「早く行かないと!」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、道を譲ってくれているのは、あくまでもパッシングをした自動車だけであり、ほかの交通が一時停止してくれるかはわかりません。

 パッシングによって道を譲ってもらった場合には、一旦落ち着いて周囲の安全確認をおこなったうえで進むようにしましょう。

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