やっぱりベスパはクラシックなスタイル! 用途広がる軽二輪枠なら言うことなし!!
バイクのニュース / 2024年7月19日 8時10分
ベスパといえば、ファッションにもこだわりたくなるオシャレなイタリアンスクーター。『GTSクラシック150』は、そのネーミングが示す通りクラシカルでトレンドに左右されない昔からあるスタイルで、伝統的なフォルムの中に先進技術が注ぎ込まれ、魅力はますます高まるばかりです。
■イタリアンスクーターの代名詞
不朽の名作「ローマの休日」(1953年公開)で、アン王女役のオードリー・ヘップバーンがタンデムシートに座り、テレビドラマ「探偵物語」(1979年放送)では松田優作演じる私立探偵の工藤俊作が街を駆け回りました。
ベスパ「GTSクラシック150」に試乗する筆者(青木タカオ)
「アメリカン・グラフィティ」(1973年公開)や「ジャッカルの日」(1973年公開)、「さらば青春の光」(1979年公開)や「FLIED DRAGON FISH」(1993年放送)、他にも挙げたらきりがありません。
ベスパ「GTSクラシック150」
銀幕やブラウン管の中で際立つ存在感を放ち、いつまでも人々の記憶に残っているのが、世界的なスクーターブランドである『Vespa』(ベスパ)です。
バイクに詳しくない人でもその名を耳にしたことがあり、クラシカルなスタイルを見ればベスパであると認識できるでしょう。これを読んでいる皆さんもまた「ベスパといえば●●●●●●」というように、印象深い映画やテレビドラマ、映像などに心当たりがある人は少なくないと思います。
■スカート姿の女性にも乗りやすい
1950年のポンテデーラ工場の様子
ベスパの初号機は、1946年にイタリア・フィレンツェ郊外のポンテデーラ工場にて組み立てられました。
航空機メーカーとして多くの製品を旧イタリア軍に納入していたピアッジオ社は、工場を占領され、飛行機製造の停止を余儀なくされると、創業家出身の社主エンリコ・ピアッジョは「1人乗りで安く動ける車両」を模索しました。
ベスパ「MP6プロトタイプ」(1945)
第二次大戦後、「スカート姿の女性でもまたぐことができる」と、主任設計者であるコッラディーノ・ダスカーニョとともに生み出したのが、まるでハチ(Vespa)の羽音のようにブンブンと唸るエンジン音と、丸みを帯びたお尻が特徴のベスパです。
乗った人の衣服を乱したり汚さないよう、機構全体を覆うモノコック(一体型)ボディを採用し、前輪を片持ち式シングルアームで懸架することで、タイヤ交換を容易にしました。
■最新版もやっぱり優雅でシック!
ベスパ「GTSクラシック150」。灯火器類はオールLED化されています
こうした伝統的な技術を継承しながら、時代に合わせた高性能化を図っているのが、最新式のベスパです。
『GTSクラシック150』の車体は、昔と変わらずやっぱりエレガントでオシャレ! 伝統的なスタイルを継承したまま、ヘッドライトを含む灯火器類をオールLED化し、モダンさを融合しています。
ベスパ「GTSクラシック150」と身長175cmの筆者(青木タカオ)
全長1980×全幅765mm、ホイールベース1385mmと車体は大きめです。兄貴分となる『GTS スーパースポーツ300』と車体を共通化しているだけあって、クラスを超えた車格があります。
シート高は790mmあり、身長175cmの筆者の場合、両足を地面に下ろすとカカトが浮きます。車体重量は300が163kgあるのに対し、150クラシックでは150kgと軽量です。
ゆったりとしたライディングポジションで、身体の大きい人にも似合います。ステップスルーの足もとは広く自由度が高い、余裕ある乗車姿勢で長い時間走行しても疲労を感じさせません。
■伝統のスタイルに先進的な機能を融合
トラディショナルなスタイルと雰囲気を残しつつ、最新型では高級感がさらにあり、機能性に長けています。
ベスパ「GTSクラシック150」。指針式の速度計と液晶ディスプレイが備えられています
メーターはオーソドックスな指針式の速度計を扇状に配置しつつ、その下に液晶ディスプレイをレイアウト。燃料計や燃費、時計、オド/トリップ、水温計などを備え、キーレスエントリーも採用するなど先進的な装備を誇ります。
アイドリングストップ機構が備わる排気量155ccの水冷4ストSOHC4バルブ単気筒エンジンは、穏やかなパワーフィールで扱いやすく、スムーズに加速していきます。
ベスパ「GTSクラシック150」に搭載された排気量155ccのi-get 4ストローク水冷単気筒エンジン
最高出力15.6HP/8250rpm、最大トルク15Nm/6500rpmは充分なスペックで、実際の市街地走行でも不満は感じません。
直進安定性に優れるハンドリングで、コーナー進入時にアンダーステア気味であることを感じますが、慣れてしまえば荷重移動で、前後12インチの足まわりを持つ車体を軽快にパタンと寝かせていくことができます。
腰高で重心位置が高く、それもまたどことなく優雅な気分にさせてくれます。片持ちリンクアーム式の油圧フロントサス、ツインショック式のリヤサスペンションは、いずれも減衰力を強めに効かせたセッティング。
大きなボディサイズと剛性の高いスチール製モノコックボディ、硬めのクッションを用いたシートもあいまって、スピードレンジが上がっても乗り心地がとても良く、落ち着いています。
■高速道路を使った郊外へのツーリングもOK
ベスパ「GTSクラシック150」に試乗する筆者(青木タカオ)
日本では軽二輪クラスとなり、高速道路を走ることも可能。クルマの流れが速い欧州の幹線道路でも、無難に走れるよう設定されているのでしょう。
試乗車には防風効果の高い純正オプションのウインドスクリーンも装着され、なおさらクルージング性能が秀逸です。都市高速や短い距離なら高速道路も快適にこなすでしょう。
シート下の収納スペースが足りなければ、純正オプションのトップケースを追加することもできます。パッセンジャーはバックレストに寄りかかることができ、タンデムでもコンフォート性は高く、休日には郊外へパートナーとツーリングへ出かけるのも間違いなく楽しいはず。そんなときもまた、高速道路を利用できる「150」であるメリットを感じられるでしょう。
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