違法ではないの？ 白バイそっくりのバイクで公道を走る行為

白バイは通常のバイクとは異なり、赤色の回転灯や無線機といったさまざまな専用装備が備わっており、その佇まいとデザインに魅力を感じるファンも少なくありません。では、白バイそっくりにカスタムしたり、白バイ隊員の服装を真似したりして、公道をバイクで走行する行為は違反ではないのでしょうか。

■白バイそっくりのバイクは違法ではない？

　通常のバイクとは違い、白を基調としたデザインやサイレン、赤色の回転灯などの装備が特徴的な警察バイク、通称「白バイ」。白バイのスタイリッシュな佇まいとデザインに、憧れるファンは少なくありません。

　その為、白バイにそっくりのスタイルにカスタムしている人を目にすることもありますが、こういったカスタムは、何かしらの違反にあたらないのでしょうか。

白バイそっくりにカスタムしたバイクで公道を走る行為は違法になる可能性がある

　結論から言えば、白バイそっくりにカスタムしたバイクで公道を走る行為は違法になる可能性があります。

　たとえば「〇〇県警察」や「POLICE」といったロゴや、正規のマークに似せたペイント、警察車両特有の回転灯やサイレンなどの装備を装着した場合は、道路運送車両法第99条の2の「自動車又はその部分の改造、装置の取り付け又は取り外し、その他これらに類する行為であって、当該自動車が保安基準に適合しないこととなるものを行ってはならない」に違反します。

　もし、道路運送車両法第99条の2違反が適用されると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。

白バイの特徴的な装備として、まず車両後部に取り付けられた赤色の回転灯が挙げられる

　たとえば白バイの特徴的な装備として、まず車両後部に取り付けられた赤色の回転灯が挙げられます。
　
　これは道路交通法第39条により、緊急車両は「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と定義されており、指定された車両のみ装備することが可能なため、つけているだけで違法になる可能性があります。

　実際に、過去には自作した偽の白バイを隊員と同様の見目で走行させたとして、道路運送車両法違反容疑で書類送検された事例もあるようです。
　
　このように、警察車両と誤解されるようなカスタムは、違法と見なされる可能性が高いため注意してください。

■白バイ隊員に似た服装も違法になる？

　バイクだけでなく、ヘルメットやバイクウェアを真似る行為も違法です。

　白バイの服装は、白のヘルメットに青のバイクウェアが特徴です。そういったスタイルの服装はもちろんですが、〇〇県警察やPOLISEといった文字や名称、警察のシンボルである旭日章を表示すると「軽犯罪法第一条第十五号」に該当する可能性があります。

　これは、軽犯罪法第一条第十五号に記載された「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作った物を用いた者」に違反するためです。

外国の警察や架空のポリス服など、日本の警察とは明らかに異なるデザインであれば処罰の対象にはならない

　もし軽犯罪法第一条第十五号に違反した場合、拘留（1日以上30日未満の身柄拘束）、または科料（1000円以上1万円未満の金銭納付）を科せられることになります。

　たとえばハロウィンのコスプレと称して、白バイの服装や白バイのバイクにカスタムするといった行為も違法にあたり、場合によっては現行犯逮捕される可能性もあり得るので要注意。

　他にも、SNSに白バイの服装写真を載せたり、カスタムした白バイの運転動画を流したりする行為も違法になる可能性があるので注意してください。

　ただし、同じ白バイの服装でも外国の警察や架空のポリス服など、日本の警察とは明らかに異なるデザインであれば処罰の対象にはなりません。