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バイクとコーヒーの世界、共に存在する「ハイブリッド」から見る共通点とは? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.3

バイクのニュース / 2024年7月20日 7時10分

バイクとコーヒー、その共通点についてバイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんがお伝えしていきます。今回は両者に存在する「ハイブリッド」について掘り下げていきます。

■四輪車の世界では「一般的」になったハイブリッド車

こんにちは! バイク好きのコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。コーヒーとバイク。それぞれに奥深い、独自の世界観を持つ魅力的な存在ですね。このコラムではそんな二つの世界を行き来するうちに見えてきた、様々な出来事やトピックをお届けしていきます。ということで、コーヒーとバイクの両者にまたがるテーマ、今回は「ハイブリッド」について取り上げてみましょう。

ハイブリッド車の先駆け的存在として知られるトヨタ「プリウス」最新モデルハイブリッド車の先駆け的存在として知られるトヨタ「プリウス」最新モデル

 まずはバイクの世界の「ハイブリッド」から。と言いつつ、最初に出てくるのは自動車の方の話になります。四輪車の世界では動力源として燃料を燃焼させる、いわゆる内燃機関(ICE/インターナル・コンバッション・エンジン)から、電動化・ハイブリッド化へ向けて研究開発が進みました。そして実用性も兼ね備えたモデルが多く登場し、用途に合わせた選択肢も広がりました。

 国内においてはガソリン車とハイブリッド車を比べた乗用車の販売比率が、2022年に初めて逆転。今や街を行くハイブリッド車はごく普通の存在です。カーボンニュートラル、ひいては気候変動への対策として、大きな進歩だと感じます。

■二輪車の世界にも待望のストロングハイブリッドモデルが登場!

カワサキ「Z7 HYBRID」(左)と「Ninja 7 HYBRID」(右)カワサキ「Z7 HYBRID」(左)と「Ninja 7 HYBRID」(右)

 でもバイクの世界では、ハイブリッド化はあまり進んでいません。国内ではほぼ一択だったホンダのスクーター「PCX e:HEV」(ハイブリッド)が、ふと気づけば2022年11月に生産終了となっていました。ヤマハもハイブリッドのスクーターを開発してはいますが、国内未発売。

 現状、日本にハイブリッドバイクは無いと思いきや、カワサキがやってくれましたね! Ninja7/Z7HYBRIDの登場です。実車をここで紹介できたら最高だったのですが、発売日はちょいと延期になっており残念。でもそれ以前に僕は大型二輪の免許が無いのでそっちが先か。

 Z7ハイブリッドが凄いのは、ただハイブリッドっていうことではなく、ストロングハイブリッドっていうタイプだということ。ハイブリッドには大きく分けてストロングとマイルドの二つの方式があります。PCX e:HEVはもちろん軽自動車なんかでも、概ね小型の車両ほど採用されるのはマイルドの方です。これは発進時などの限定的なアシストを行うもので、装置もコストも小さく済むので現実的な方法です。もう一つのストロングはもっと積極的にEVが関わるもので、モーターだけで走ることも出来ます。

 ハイブリッドはエンジンとモーターの二つの動力源を搭載するわけで、そもそも小型の移動体には不利な方式。バッテリーも航続距離を伸ばすためには大型化、という相反する課題があります。それを商用車ではなく、フツーのバイクとしてまとめ上げたところに凄さがありますね。

 また、クラッチが無く自動車のパドルシフトのように変速出来たり、ごく短時間加速するブースト装置が付いていたりと、ハイブリッドならではの仕組みも気になります。展示会ではお披露目されましたが、早く実車が街を走る風景を見てみたいものです。

■コーヒーの世界の「ハイブリッド」とは?

 そしてコーヒーの世界のハイブリッド。コーヒー豆は大きく分けて2種類が流通しています。一つは、味わいと香りは良いけど病虫害に弱く、標高の高い寒暖差のある場所じゃないと育たないアラビカ種。

アラビカ豆のイメージアラビカ豆のイメージ

 もう一つは病虫害に強く、標高の低い気温高めの場所でもモリモリ育つけど、香りは弱く味わいはイマイチのロブスタ種(カネフォーラ種)。皆さんが一般的に飲んでいるのは美味しい方のアラビカ種で、全世界の生産量の6割ほどを占めます。ところが地球温暖化の影響で、その生産量も徐々に減少するという方向に。前回のコラムで解説した2050年問題ですね。暑過ぎると育たんのです。

 ところが1950年代にティモール島というところで、アラビカ種とロブスタ種が自然交配した品種が発見されました。これは本来ありえないことでした。なぜならその二つは染色体の数が違うからです。でも突然変異によってアラビカ種と同等の染色体数を持つロブスタ種が誕生し、それがかけ合わさったことで、病虫害に強く、低地でも栽培出来て、味わいもそれなりにイケる! という両者のいいとこどりの豆が生まれたのでした。これはコーヒーの2050年問題への一つの光明と言えるものです。

筆者(黒田悟志)が淹れたドリップコーヒー筆者(黒田悟志)が淹れたドリップコーヒー

 ハイブリッド。バイクとコーヒーという全く異なる世界を跨ぐキーワードですが、両者に共通するのは温暖化など環境問題に由来する問題に対しての一つの対抗策だということ。ハイブリッドとは異なる二つの要素の組み合わせ、掛け合わせという意味ですが、それはバイクやコーヒーのことに限らず、僕らの未来を少しでも明るく照らしてくれる在り方、大きなヒントなのかもしれませんね。

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