いったいなぜ? 日本国外のバイク需要が高い国たち
バイクのニュース / 2024年7月20日 9時10分
海外ではバイク需要が高い国がいくつか存在するようですが、これは何が要因となっているのでしょうか。
■台湾や東南アジアで二輪車普及率は高い!
日本にはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキと世界に誇るバイクメーカーがあり、魅力あふれる国内モデルも多数発売されるバイク大国。しかし、世界的に見ると日本のバイク普及率はそこまで高くはなく、日本以外でバイク需要が高い国はほかにいくつも存在します。
二輪車普及率の最も高い国、台湾の二輪メーカーKYMCO
一般社団法人日本自動車工業会によると、二輪車普及率の最も高い国は台湾で、具体的には1.6人に1台所有している割合。次いで、マレーシアが2.3人に1台、インドネシアが2.4人に1台、タイが3.3人に1台と続きます。
ちなみに日本は12人に1台の割合なので、いかにこれらの国の普及率が高いかが分かります。テレビやネットなどでも、それらの国でバイクが道路をひしめき合って走る映像を見たことがあるという人も多いでしょう。ではいったいなぜ台湾や東南アジアの国々は、これほどまでに二輪車普及率が高いのでしょうか。
まずひとつ目の要因としては、クルマよりも価格、維持費が安いことが挙げられます。
所得水準の向上でクルマの所有率は上がってきているとはいえ、日本に比べると富裕層は少なく、“誰でも購入できるもの”とまではいきません。特に二輪車普及率が群を抜いて高い台湾は、世界で2番目に人口密度が高いと言われる国。土地がなく、駐車場の料金も高いという問題もあるようです。
ふたつ目の要因は、公共交通機関があまり充実していないことです。バスや電車、地下鉄などがあるとはいえ、その数は多くありません。目的地までバスや電車を乗り継いで行くよりもバイクで行ってしまった方が早く着き、さらに安く済む場合の方が多いというわけです。
そして3つ目の要因は、道路や信号機といった交通インフラの整備が行き届いていないこと。
バイクのメリットとして、渋滞時にもクルマをすり抜けて進むことができるという点が挙げられる
マレーシア、インドネシア、タイなどは特に渋滞が酷いと言われていますが、道路の整備が行き届いておらず抜け道が少なかったり、信号機が少なかったりといったことも渋滞を引き起こす大きな原因になります。
バイクのメリットとして、渋滞時にもクルマをすり抜けて進むことができるという点が挙げられます。クルマがなかなか進まない状況の中、渋滞の影響を受けないバイクが重宝することは想像に難くありません。
また、バイクが多いからバイクに優しい環境が整うのか、バイクに優しい環境が整っているからバイクが増えるのか、その両方かもしれませんが、ライダーにとって嬉しいルールや設備が多い点も注目したい点。
日本では、停めるところが少ないという駐輪場問題に悩まされるライダーは多いですが、それらの国では、いたるところにバイク用に広い駐車場があります。またバイク専用レーンが設置されている道路があるほか、台湾にいたっては、信号待ちの際の専用の停車スポットがある道路もあります。
では、台湾や東南アジアの国では、いったいどのようなバイクが人気なのでしょうか。
バイクは、趣味というより生活に根差した足。そのため、趣味性の高い大排気量の大型のバイクを目にすることはあまりない
それらの国の人にとって、バイクは、趣味というより生活に根差した足。そのため、趣味性の高い大排気量の大型のバイクを目にすることはあまりありません。メインは100cc〜150ccのアンダーボーンタイプのバイクで、大きくても250ccクラスまでが一般的のようです。
とはいえ、国によって面白い違いが見られるようで、台湾ではメットインスクーターが人気が高い傾向があります。これは、台湾は1年を通して雨の日が多い国であり、レインコートを収納できるメットインタイプのスクーターが好まれるためと考えられそうです。
一方、東南アジアの国々では、タイヤが大径ホイールのバイクが好まれる傾向があります。
インドネシア、マレーシア共に、国道においてはそれぞれ9割、8割以上の道路舗装率ではあるものの、そのほかの道路ではまだまだ未舗装の場所も多くあるため、凹凸や水たまりなどに強い大径ホイールが好まれるというわけです。
※ ※ ※
台湾や、マレーシア、インドネシア、タイなどの東南アジアの二輪車普及率はとても高く、生活の足となっています。ちなみに、台湾では過去にホンダと技術提携をしていたSYM、KYMCO、そしてヤマハだけで8割を越えるシェア率、また、マレーシアやインドネシア、タイでも日本のメーカーが参入し、高いシェア率を誇っています。
バイクの普及率の高い国々に、実は日本のメーカーが深く関わっているという点も追記しておきたいところです。
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