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カワサキ「Z2」マフラーから白煙の原因を排気ポートから診断!

バイクのニュース / 2024年7月26日 7時10分

メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在と言えるのがカワサキZ1/Z2シリーズです。バイク仲間の友人が、長年所有し続けてきた1975年式750RSを購入して、将来的にはフルレストアで仕上げてみようと考えているのが、この企画になります。4ストエンジンなのに「マフラーから白煙を吹く」現実を見たことがありませんか? 白煙問題は大問題!! ですが、エンジンを分解しなくても「外側からある程度の原因を知る方法」があるのを、ご存じですか?

■磨き込まれたバイクには、特有の美しさがあります

 旧車を購入したときなどに、最初にやっておきたいと思う作業のひとつに、バイクの洗車や部品の磨き込みがあります。磨き込み作業を行う時には、パーツ表面の汚れをサクッと拭き取り、ワックス掛けするだけの作業ではなく、手軽に分解可能なパーツは、できる限り単体部品に分解してから磨き込むことで、その仕上がりには大きな違いが出るものです。ガソリンタンクもそのひとつ。車載状態で磨くのと、タンク単品にしてから磨くのでは、気が付くポイントも異なります。

バイク仲間の友人から購入した1975年式のゼッツー。モデル名に対する呼び方は地域別でも違っていました。ホンダ「CB400FOUR」(通称ヨンフォア)にも様々な呼び方がありますが社会人になって知り合った同僚の地元では「C4=シーヨン」と呼ばれていたそうですバイク仲間の友人から購入した1975年式のゼッツー。モデル名に対する呼び方は地域別でも違っていました。ホンダ「CB400FOUR」(通称ヨンフォア)にも様々な呼び方がありますが社会人になって知り合った同僚の地元では「C4=シーヨン」と呼ばれていたそうです

 バイク好き、特に、バイクいじり好きやカスタム好きの中には「あいつは“磨き魔”だよね!!」と呼ばれているバイク仲間がきっといるはずです。本人からすれば、バイクは常に磨いて「輝いているのが当たり前」と考えているのですが、現実問題、徹底的に磨き込まれたバイクと、普通にきれいなバイクを比較すると、明らかな違いを随所に見て取ることができます。そんなバイク仲間、身近にいませんか!?

 分解した部品をしっかり磨き込んでから組み立てることで、単純に磨いた部品とは明らかに違った輝きになります。行き過ぎ、やり過ぎた磨き込みには、価値観としての違いが出てしまうものですが、単純な磨き込みでも、全体的な磨き込みと、単品部品にしてからの磨き込みでは、相当な違いが出るものです。

 高速道路のサービスエリアなどで「キレイですね!! 大切に乗ってますね~」なんて声を掛けられると嬉しいものですよね。徹底した磨き込みによって、愛車の輝きは間違いなく増すものですから、そんな意味でも、磨きの基本は「パーツの分解から」とも考えることができます。

■エンジン分解せずに目視外観から知ることもできる内部コンディション

Z1/Z2の4本マフラーは、セパレートに分解しながら取り外すのではなく、1/2番、3/4番を「それぞれ一体化したままで分解」するのが作業性としては良いそうです。カワサキディーラーで数多く空冷Zを取り扱ってきたベテランメカニックからお話しを伺っていますZ1/Z2の4本マフラーは、セパレートに分解しながら取り外すのではなく、1/2番、3/4番を「それぞれ一体化したままで分解」するのが作業性としては良いそうです。カワサキディーラーで数多く空冷Zを取り扱ってきたベテランメカニックからお話しを伺っています

 分解洗浄と、磨き込みを行っておきたい筆頭部品が「マフラー」だと思います。そんな輝いていてこそ美しいマフラーを取り外すような際には「排気ポート内のコンディション」を、ついでに目視点検しておくのが良いと思います。

マフラーから白煙が出ている場合には、排気ポート内を懐中電灯で照らした際にエンジンオイルで湿っていたり、真っ黒くベタベタになっていることに気が付くこともありますマフラーから白煙が出ている場合には、排気ポート内を懐中電灯で照らした際にエンジンオイルで湿っていたり、真っ黒くベタベタになっていることに気が付くこともあります

 実走行5万キロ以上とか、なかには10万キロ以上も走り込んでいる空冷Zがあると思いますが、そんな車両の中には、マフラーから白煙を吹き出している例もあります。初代空冷シリーズに限ったことではなく、すべての4スト旧車に共通したことです。

 なかには、煙が目に見えなかったとしても、走り去った直後にオイルが焼けたような臭いがするケースもあると思います。空吹かししたときも同様です。そんな状況に気が付いていたらバイクからマフラーを取り外したときには「排気ポート内を点検」してみると、気が付くことがあります。白煙が吹いていたエンジンなら、排気ポート内部がエンジンオイルでベトベトに湿っていることに気が付くこともあるでしょう。

排気ポート内部がすすけたカーボンで真っ黒になっていることは多いですが、白煙を吹き出すようなコンディションになると、真っ黒な排気ポート内部がオイルで湿ってピカピカに黒光りしています。懐中電灯で照らすと明確に見えます排気ポート内部がすすけたカーボンで真っ黒になっていることは多いですが、白煙を吹き出すようなコンディションになると、真っ黒な排気ポート内部がオイルで湿ってピカピカに黒光りしています。懐中電灯で照らすと明確に見えます

 カワサキZ1/Z2シリーズのノーマル車なら、ホンダの「CB750Kシリーズ」(OHC4気筒エンジンシリーズ)とは異なり、エンジンを車載搭載した状態で、シリンダーヘッドやシリンダー周りの「腰上メンテナンス」が可能です。車載状態でピストン交換できるエンジン設計が、カワサキ空冷Zシリーズに共通した大きな特徴でもあります。

 オイルあがりやオイルさがりも白煙吹きの原因になります。オイルあがりとは、ピストンリングの摩耗や、特に、オイルリングの張力不足が原因で、白煙を吹き出すケースを過去に何度も見てきました。また、ピストンスカート部分の摩耗によるシリンダークリアランスの過大も、白煙吹きの原因になります。

 対してオイルさがりとは、吸排気バルブのステムシャフト部分やバルブガイドの摩耗によって発生したガタ部分から、エンジンオイルが燃焼室に流れ込んでしまう症状です。単純に、ステムシールと呼ばれるオイルシールリップの摩耗が原因で、白煙を吹くこともあります。マスツーリングのときなどは、後方を走るライダー仲間に迷惑(オイル臭く目がチクチクするなどなど)をかけてしまうこともありますので、白煙が噴き出すような症状に至ってしまった時には、原因を特定し、対策メンテナンスを早めに施したいものです。

20240725__z2_05_taguchi_10.jpg,カワサキZ1/Z2の排気バルブ周辺部品。吸入バルブ周りの摩耗で、マフラーから白煙が出る症状を「オイルさがり」と呼びます。オイルさがり=ステムシールの摩耗が、原因のことが多いです

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