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これぞ耐久レース! 転倒にエンジンストップとトラブルだらけの鈴鹿8耐で得たのは「諦めない気持ち」 レーシングライダー石塚健のレースレポート

バイクのニュース / 2024年8月7日 12時10分

国内外で活躍するレーシングライダーの石塚健選手が、三重県にある鈴鹿サーキットで行われたFIM世界耐久ロードレース選手権 第3戦 鈴鹿8耐に参戦。そのレポート後編です。

■スタート後の第1スティントでまさかの転倒

 皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。

 今回は2024年7月19日から21日に三重県にある鈴鹿サーキットで開催された、”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会。その参戦レポートの後編!決勝レースの模様をお伝えしていきます。

 日曜日の午前11時半、いよいよ8耐の決勝レースがスタートしました。スタートはライダーイエローの村瀬健琉選手が務める事になり、ミスのないスタートを切り、順調に周回を重ねます。

 その後チームはクラストップを走行していましたが、スティントの半分を過ぎた辺りで目を疑う光景がモニターに映し出されます。

FIM世界耐久ロードレース選手権 第3戦 鈴鹿8耐で鈴鹿サーキットを走るレーシングライダーの石塚健選手FIM世界耐久ロードレース選手権 第3戦 鈴鹿8耐で鈴鹿サーキットを走るレーシングライダーの石塚健選手

「あれどこのチーム!?」砂埃と共に激しく回転するマシンが見えました。「ん?青い?え!!うちだー!」まさかの村瀬選手が転倒。

 原因はライダーが水を飲むために背負っているキャメルバックのホーストラブルで脱水症状になり、コースアウトからの転倒というもので、あってはならないトラブルが序盤に起きてしまいました。

 バイクは、ほぼ全損。それでも村瀬選手はなんとかピットまでマシンを運んでくれ、1時間ほど時間がかかりましたが、無事に修復が完了。自分にライダー交代し、コースに復帰します。

 目指していたクラス優勝や表彰台はこの時点で相当難しい状況となってしまいましたが諦めず、とにかく毎周自分のできる限りの力で走行を続けました。

 そしてライバルチームが2分12秒から15秒台でラップする中、意地の11秒台ラップを続けます。暑さもあり、かなり苦しい中での走行でした。

■何度転倒しても諦めないのが耐久レース

 自分の1回目のスティントを終えてピットイン。ライダー交代後、程なくしてチームは2度目の転倒をしてしまいます。

 理由はリアブレーキのトラブルに起因するものだったそうですが、メカニックさんたちの決死の修復の後、再びコースに戻る事ができました。

 しかし、安心したのも束の間、転倒の影響で今度はエンジンにトラブルが発生し、マシンがストップ。追い上げ体制に入っていたのですが、かなり厳しい展開となってしまいました。

転倒したマシンを必死で修復するTERAMOTO@J-TRIP Racingのメカニック転倒したマシンを必死で修復するTERAMOTO@J-TRIP Racingのメカニック

 その後はライダー3人でマシンを繋ぎ、最後まで何とか走りきりチェッカー。ここまでとても好調だっただけに悔しく、かなり歯痒い思いですが、こればかりはどうしようもありません。

 これぞ耐久レースだと、経験として自分の中に落とし込むしかありませんでした。

 ただ、今回の8耐は決勝レースまで本当にクラス優勝が見えていたし、本気で勝ちたいと思えるところまで持ってこれた事に、チームには心から感謝しています。

 なお、知っている人もいるかと思いますが、決勝後の再車検の結果、残念ながら失格との判定が出てしまいました。原因はリアのアクスル周辺が、レギュレーションに適合していなかったとの事です。

 この結果を受け、チームから説明を受けましたが、昨年までのレギュレーションの解釈で進めてしまったということでした。

 予選でポールポジションを獲得した事実は結果として残りますが、応援して頂いた皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

今回の鈴鹿8耐で解散となるTERAMOTO@J-TRIP Racing今回の鈴鹿8耐で解散となるTERAMOTO@J-TRIP Racing

 チームとしては、代表兼ライダーの寺本幸司選手が今大会をもってプロライダーを引退されるため、チームは解散。最後の8耐参戦となりました。

 2年間、8耐のライダーとして起用していただいた事、寺本選手をはじめチームの皆さんには感謝しています。

 寺本選手がラストスティントを終え、ピットに戻ってきた瞬間、とても熱いものがこみ上げてきました。

 チェッカー後、寺本選手が目に涙を浮かべながらチームに挨拶をしていた瞬間は、流石に自分も涙を堪えられなかったです。この2年間、しっかりとカッコいい背中を目に焼き付けさせてもらいました。

 自分もいつか寺本選手のように、信頼できる仲間とレーシングチームを作り、本気でレースをしたい!という大きな夢もできました。長い現役生活、本当にお疲れ様でした。

 ということで、今年の鈴鹿8耐は終わってしまいましたが、僕の次戦は世界耐久選手権の最終戦、フランス ボルドールのポール・リカール・サーキットで、24時間耐久レースが開催されます。

 今回得た自分への自信を持って、しっかりと準備をしていこうと思います!

 そしてシーズンベストはもちろん、トップ5入りを目指して、Maco racing Teamの皆と再び頑張りたいと思います!

 皆さん、熱い応援をありがとうございました!それではまた!

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