寿命はいつまで!? バイク用のヘルメットに寿命の目安はあるのか?
バイクのニュース / 2024年7月31日 9時10分
頑丈だから長く使いがちなヘルメット。バイクに乗り始めてから1度も新しくしたことがない人もいるのではないでしょうか。では、実際はどのくらいで交換するべきなのでしょうか。
■「推奨された使用期間」がヘルメットの寿命の目安
ヘルメットはライダーが事故にあった際に、頭を守る重要な役目を果たします。ただ、そんな大役を任されているからこそ、「ヘルメットはいつまでも壊れないんじゃないの?」「まだまだ頑丈そうだし、もう少し使い続けても平気じゃないの?」と思ってしまうこともあります。
では、バイク用のヘルメットには寿命はあるのでしょうか。
バイク用のヘルメットは「3年での交換」が推奨されている
結論から述べると、バイク用のヘルメットは「3年での交換」が推奨されています。そのため、この「3年」がバイク用のヘルメットの実質的な寿命と考えるのが妥当だと言えます。
バイク用のヘルメットに3年での交換が推奨されている理由として挙げられるのが「SGマーク制度」の存在です。
SGマーク制度は「安全基準・製品認証・事故賠償が一体となった制度」のこと。つまり、この制度は「製品が一定の安全性を満たしているということを証明する制度」であると同時に、「もしも、SGマークの認証を受けた製品に欠陥があって、その欠陥が原因で事故が起こった時に賠償請求ができる制度」でもあるというわけです。
製品の安全性の確保をすると同時に、欠陥製品にも認証を与えていた場合に保証もするという制度であるため、製品がSGマークの認証を受けるためには、いくつものシビアな基準を満たす必要があります。また、製品が経年劣化して、基準を満たさなくなることも考慮する必要があるため、SGマークには有効期間が設定されています。
「SGマークの有効期間」という存在が、バイクのヘルメットの寿命にかかわってくる
この「SGマークの有効期間」という存在が、バイクのヘルメットの寿命にかかわってくるのです。
■見えない部分で劣化が進むからこその「交換は3年で」
バイクのヘルメットの場合、SGマークの有効期限は「購入後3年」と定められています。これは、ヘルメットの素材の経年劣化が考慮されていることが理由の1つに挙げられます。
発泡スチロールは徐々に劣化する性質があり、これが劣化してしまうと衝撃を吸収する機能が弱くなって、安全性を確保できなくなってしまう
例えば、ヘルメットの内部の部品として、発泡スチロールが使われている箇所があります。発泡スチロールは、事故の時にかかる衝撃を吸収するための緩衝材としての役割を果たしています。ただ、発泡スチロールは徐々に劣化する性質があり、これが劣化してしまうと衝撃を吸収する機能が弱くなって、安全性を確保できなくなってしまいます。
発泡スチロールの劣化は使用条件によって変化するため、一意に定まるわけではありませんが、SGマークの認証をする際に「3年」という期間を、劣化したとしても製品の安全性が満たされる1つの目安にしたと考えられます。
また、バイクのヘルメットがSGマークの認証を受ける際に必要な評価項目としては、「あごひも」や「金具」など多岐にわたる項目があります。そのため、発泡スチロールだけでなく、これらの部品の経年劣化も考慮している可能性もあります。
ヘルメットがSGマークの認証を受ける際に必要な評価項目としては、「あごひも」や「金具」など多岐にわたる項目がある
実際に、「バイクのヘルメットの交換期間とSGマークの関係」に関して、バイク用のヘルメットの企画製造、販売等をおこなうSHOEIの広報担当者も、以下のように評価をしています。
「バイク用ヘルメットの交換時期が3年度なのは、SGマーク制度の使用期限が関係しています。日本国内で販売されているオートバイ用のヘルメットに関しては、どのメーカーでも同じ使用期限になっていると思います」
また、経年劣化による安全性の確保の問題もさることながら、バイクのヘルメットのSGマークの有効期間である「購入後3年」が経過してしまった場合、もしも、そのヘルメットに重大な欠陥があった上で事故にあった時に、機能を果たせずにライダーがケガを負ったとしても、賠償請求ができない可能性があります。
※ ※ ※
ヘルメットは外から見ただけでは劣化しているようには感じにくいため、長期間同じヘルメットを使い続けている人がほとんどでしょう。ですが、そのまま放置していると、起こっては欲しくないもしもの事故の際にライダー生命に関わる大ケガをする可能性もあります。
1つのヘルメットを大切に長期間使うこともよいようには思えますが、「購入後3年の時期が寿命だ」と考えて、その時期が来るタイミングで、新しいヘルメットへの交換を検討する方がよさそうです。
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