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愛媛県松山市は原付バイク普及率全国NO.1! その理由は?

バイクのニュース / 2024年8月1日 9時10分

愛媛県といえばみかんを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実はみかんの他にも愛媛県には高いシェアを占めるものがあります。それが「原付バイク」。普及率は全国ナンバーワンとされているようですが、その要因はいったいどこにあるのでしょうか。

■松山市は原付バイクの普及率が高い?

 愛媛県はみかんの産地として有名で、収穫量および出荷量ともに全国トップクラスを誇ります。みかんと言えば愛媛県を真っ先に思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実はみかんの他にも愛媛県には高いシェアを占めるものがあります。

愛媛県松山市が原付バイクの普及率ナンバーワンとされている愛媛県松山市が原付バイクの普及率ナンバーワンとされている

 それが、50ccの原付バイク。世帯数が20万以上ある全国47ある市区のうち、愛媛県松山市が原付バイクの普及率ナンバーワンとされています。地方都市の人々の移動手段といえばクルマが一般的ですが、松山市ではなぜ原付バイクの普及率が高くなっているのでしょうか。

 松山市内の駅周辺の大きな道路を観察すると、男女に関係なく原付バイクで通勤する会社員の姿や、通学でバイクを使っている大学生の姿を多く目にします。また信号待ちでは、原付バイクが道路の左端に長い列をつくって並んでいる光景をたびたび目にすることができ、生活の足としてバイクが人々の暮らしに根付いていることがうかがえます。

 こうした背景には、松山市のまちづくりが関係しています。というのも、松山市はコンパクトシティを目指しているため、市の中心部に都市機能が集中しており、半径1.5キロ圏内にショッピングセンターや金融機関、学校、病院などが点在しています。

 そのためクルマよりも気軽に短い距離を移動できる原付バイクが、もっとも理にかなった乗り物といえるのかもしれません。

 そうなると気になるのが、バイクの駐車場の問題について。多くの人がバイクを使うとなれば、それだけバイクを停める場所が必要になります。

 しかし、松山市内の駅周辺には有料の駐車場がたくさんあるので、バイクを停めるところが見つからず困るようなことはないとされています。また、市役所の地下には大型の無料駐車場が完備されていて、ここでも毎日満車になるほど多くの人がバイクを停めるのに利用しています。

松山市役所の地下には大型の無料駐車場が完備されており、ここでも毎日満車になるほど多くの人がバイクを停めるのに利用している松山市役所の地下には大型の無料駐車場が完備されており、ここでも毎日満車になるほど多くの人がバイクを停めるのに利用している

 都内では、バイクを停める場所を探すだけでも苦労することが少なくありません。しかし松山市では、市民が生活しやすいように駐車場の設備を整えて、行政でバイクの利用者をバックアップしているというわけです。

 また、地元の大学では学生の4人に1人の割合でバイク通学をしていると言われています。キャンパスの駐輪場を覗くと、どこの大学でも原付バイクがぎっしり並んでいる光景を目の当たりにできます。

 一般的に事故の危険性を考えて、子どもがバイクに乗るのに反対する家庭も珍しくありません。しかし松山市では、親の世代から日常的にバイクに親しんできたため、子どもも大人になったらバイクに乗るのが自然な流れになっているのかもしれません。

 また松山市は、一年を通じて温暖で雨が少ない気候です。ライダーにとってネガティブな要素となる寒さと雨の影響をあまり受けないのも、原付バイクの普及率の向上に貢献しているといえるでしょう。

もこもこと丸みを帯びた雲ナンバーを採用した松山市のご当地ナンバープレート(松山市HPより)もこもこと丸みを帯びた雲ナンバーを採用した松山市のご当地ナンバープレート(松山市HPより)

 なお松山市では、同市を舞台にした司馬遼太郎氏の小説『坂の上の雲』をイメージしたまちづくりを進めています。そんななか、2007年7月から全国初となる”雲”をモチーフにしたオリジナルデザインのご当地ナンバープレートを導入しました。

 ナンバープレートといえば角ばったデザインが一般的。そんな概念を覆し、もこもこと丸みを帯びた雲の形をしたナンバープレートは話題を呼び、市民から観光客まで多くの人から親しまれています。こうした取り組みも、原付バイクの普及に貢献しているのかもしれません。

松山市の中心部は鉄道やバスなども充実していて、それらの公共交通機関を利用する人も多い松山市の中心部は鉄道やバスなども充実していて、それらの公共交通機関を利用する人も多い

 松山市の中心部は鉄道やバスなども充実していて、それらの公共交通機関を利用する人も多いそうです。それでもコンパクトなつくりの市内では、原付バイクでの移動がいちばん便利だといいます。

 また、駅前の駐車場を十分に確保して、バイクの利用環境を地域ぐるみで整えている点や、家族で受け継がれているバイク文化も普及率に大きく影響しているといえるでしょう。

 昨今の二輪業界は、”若者のバイク離れ”が叫ばれています。松山市がおこなう取り組みには、バイク人気復活のヒントが隠されているのかもしれません。

※ ※ ※

 愛媛県松山市は、原付バイクの普及率全国ナンバーワンとなっています。住みやすいまちを目指し、市民がなにを求めているか追求していった結果といえるでしょう。四国でツーリングを計画する際は、「バイクにやさしいまち」松山市に寄り道してみるのもよいかもしれません。

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