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郊外は走る環境は素晴らしくても、ガソリン価格の高騰が障害に

バイクのニュース / 2024年8月14日 17時0分

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、ツーリングに最適な環境と言えるドイツの郊外でも、ガソリン価格の高騰で旅もままならないと言います。どういうことなのでしょうか。

■ツーリング環境は良くても、燃料代を考えると……

 ニュルブルクリンクに半地下アパートを借りて、ドイツの選手権にフル参戦している僕(筆者:木下隆之)は、ガソリン価格の高騰につくづく辟易しています。

ドイツの田舎道はツーリングには最適な環境だが……ドイツの田舎道はツーリングには最適な環境だが……

 と言っても、レース用ガソリンのことではありません(これも驚くほど高いが)。日常の生活で足にしているマイカーの燃料代のことで頭を悩ませているのです。

 ドイツは、東京電力福島原子力発電所のメルトダウンの教訓から、国内のすべての原子力発電所を閉鎖しています。そのため生活のエネルギーは化石燃料と、風力発電を主体にした再生可能エネルギーに頼っているのですが、肝心な化石燃料の調達が混乱しているのです。

 ロシアのウクライナ侵略を進めるプーチン大統領は、EUのなかでもとくにドイツを目の敵にしています。過去のイメージを重ねたり、あるいは世界最高の攻撃力を誇る戦車「レオパルト2」を脅威とみて、ドイツへのエネルギー制裁を強化しているのです。

 ドイツ国内のガソリン価格は、平均して1Lあたり1.90ユーロです。円安も常態化しています。為替が1ユーロ=170円だとすると、1L=約323円という計算になります。

 日本では170~180円/Lで混乱していますが、ドイツに比べればまだマシなのかもしれません。

 そんな現状を、ドイツ在住の日本人の知人が嘆いていました。彼はホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」に乗っているのですが、高騰する燃料費に気を揉んでいるのです。

 搭載するエンジンは水冷直列2気筒、排気量は1082ccです。最高出力は102ps、最大トルクは112Nmです。オフロードもこなす長距離ツアラーであり、たびたびロングツーリングを楽しんでいたようですが、最近は旅もままならないと嘆いているのです。

 WMTC燃料消費率は19.6km/lで、排気量1.1リッタークラスとしては平均的な燃費ですが、燃料タンク容量は18Lと大容量で、航続可能距離は352.8km程度です。18Lすべて使い切ることを前提とした単純計算ですので、現実的に安心して走れるのは250kmくらいでしょうか。

 バイクとしては航続距離はロングな方です。とは言うものの、これほどガソリン価格が高くなっては、大好きだったツーリングもままならないというのです。

 ちなみに、僕らが生活しているニュルブルクリンクは、フランクフルトから西へ180kmほどアウトバーンを快走した先に位置しています。見渡す限り牧場や草原の牧歌的なエリアですから、ツーリングするには理想的なシチュエーションですが、そこから都会に出るとなると大変なのです。

 アウトバーンは基本的に速度無制限です。アフリカツインで飛ばせば1時間15分程度で目的地へ辿り着けます。往復しても2時間半です。

 休日の朝にユルユルとベッドから抜け出し、ノンビリと行動してもランチタイムにはフランクフルトには到着します。ゆっくり食事しても、午後イチバンにはアパートに戻れます。ツーリングというより、ちよっと食事に行くといった気軽な感覚ですね。

 ですが、給油のことを考えると頭が痛いというのです。ニュルブルクリンクとフランクフルトのレストランまで約200kmとすると、往復約400kmですから、大雑把に計算して7000円を超える燃料費がかかるのです。

 ニュルブルクリンクは田舎ですから、たまには都会のレストランで食事をしたり、スポーツイベントに興じたりしたいものです。往復するだけで7000円もの燃料が消費されると考えると、二の足を踏みますね。

 ドイツはライダーにとって最高の環境のように感じますが、高騰したガソリン代と、円安だけが障害なのです……。

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