動物に注意! 全国にはどのような種類の標識がある?
バイクのニュース / 2024年8月10日 9時10分
バイクの走行中に見かける「動物が飛び出すおそれあり」の標識。驚くことに、デザインのバリエーションは160種類以上存在していると言われています。では全国には、いったいどのような種類の標識が存在しているのでしょうか。
■バリエーションはなんと160種類!?全国の動物注意の標識
バイクやクルマでの走行中に見かける「動物が飛び出すおそれあり」の標識。通称「動物注意」と呼ばれており、道路上の警戒すべきことを知らせる警戒標識の一つです。高速自動車道で見かけることも多くあるため、動物注意の標識に出会ったことのある人も多いのではないでしょうか。
「動物が飛び出すおそれあり」には、標準デザインが定められている
この「動物が飛び出すおそれあり」には、標準デザインが定められています。国土交通省によると「シカ以外の動物が飛び出すおそれがある場合には、適宜、当該動物の形状を表す記号を表示するものとする」とされており、シカ・タヌキ・サル・ウサギの4種類については、なるべく示されている標準のものを使用することとなっています。
これら4種類以外の動物のデザインは、各道路管理者が適宜制作し設置可能であるため、標識のデザインのルールである「標識令」を守ってさえいれば、どのような動物でも描くことが可能と言えるでしょう。
また驚くことに、標識に描かれている動物の種類は約35種類あり、図柄のバリエーションを含めると全国に160種類以上存在すると言われています。なかにはその地域限定で存在している珍しい標識も。
では、全国にはどのような動物注意の標識が存在しているのでしょうか。
北海道にある「タンチョウ」の動物注意標識
まずは、日本の北端にあたる北海道。北海道では定番のシカをはじめ、クマやウシ、ウマやキツネ、リスなどのさまざまな種類の標識と出会うことができます。
なかでも珍しいのが「タンチョウ」の標識です。北海道の鳥に指定されているタンチョウは白い雪原の中に立っていると気づきにくいと言われており、実際にタンチョウの死亡原因として交通事故が上位になってきています。このタンチョウの標識は北海道のみで見ることができるため、訪れた際には探してみるとよいかもしれません。
また、北海道では動物が1匹のみ描いてあるものだけでなく、種類の異なる動物が組み合わさって描かれている標識も存在しています。キツネとタヌキ、タンチョウとシカの組み合わせがあり、なかにはキツネが赤色、タヌキが緑色になっているバージョンも。各組み合わせごとにさまざまなデザインで展開されています。
東京都にある「アカガシラカラスバト」の動物注意標識
つぎに、東京都では「アカガシラカラスバト」の標識に出会うことができます。アカガシラカラスバトは天然記念物に指定されており、準絶滅危惧種でもあります。東京都の小笠原村のみで見ることができ、シルエットではなくカラーのイラストで描かれているのが特徴的です。
そして、鹿児島県には「ケナガネズミ」の標識が存在しています。奄美大島で見られるこの標識は、ケナガネズミの飛び出しによる交通事故の増加を受け設置されたものです。
ケナガネズミは奄美大島、徳之島、沖縄北部にのみ生息しており、尾の先端半分が白いことが特徴として挙げられます。この特徴は標識のデザインにも反映されており、シルエットでありながらも、尾の部分は白色で描かれています。
沖縄県にある「ヤンバルクイナ」の動物注意標識
最後に、沖縄県では「ヤンバルクイナ」や「リュウキュウヤマガメ」などの、沖縄県のみでしか見ることのできない珍しい標識が多く存在します。国指定の天然記念物であり絶滅危惧種でもある、ヤンバルクイナとリュウキュウヤマガメのロードキル対策として標識が設置されています。
またこれら以外にも、山形県や富山県ではカモシカ、広島県ではイタチなど、ほかにもネコやサギ、キョンなど多くの種類の動物の標識が全国に存在しています。
デザインもバリエーション豊富で、標準デザインが示されているシカ・タヌキ・サル・ウサギの標識に関しても、さまざまなデザインが確認できます。旅行などで遠方を訪れる際には、このような「地域限定」の標識を探してみてもよいかもしれません。
※ ※ ※
全国に存在しているバリエーション豊富な「動物が飛び出すおそれあり」の標識たち。同じ種類の動物であっても、設置されている場所や地域によってデザインに違いが見られています。高速自動車道を頻繁に使う人や、よく旅行に行く人は動物注意の標識に目を向けてみると面白そうです。
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