昭和から令和まで日産の高級セダンとして君臨! 日産の高級セダン3代目「シーマ」とは
バイクのニュース / 2024年8月12日 17時10分
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」連載第23回目は、3代目となる日産「シーマ」を解説します。昭和63年初代「シーマ」が発売され、今回ご紹介する3代目は平成8年に発売を開始しました。
■3代目「日産・シーマ」とは
初代日産シーマが誕生したのは1988年。日本経済はバブルの春を謳歌しており、旺盛な購買力は高級車を求めていました。日産のパーソナルな高級セダンには「セドリック」と「グロリア」がラインナップしていましたが、その豪華さでは満足できない、さらに高級なセダンを求めるユーザーをゲットにしたのが「シーマ」です。
皇室や政治家といった超VIP向けの高級セダンに「プレジデント」が存在していたものの、それが主な公用車的な扱いだったこともあり、富裕層はパーソナル色の残る最上級の高級セダンです。
3代目「日産・シーマ」(写真提供:Mクラフト)
このシーマは、とんでもなく売れたましたね。デビュー後にすぐさま約3万6400台が販売されたというから驚きです。初代シーマは結局4年間で約12万9000台も販売されたと記録されています。日産のパーソナル最高級車が、まるで安価なコンパクトカーのように販売されたことがバブル経済の象徴的な現象であり、当時それを「シーマ現象」と囁かれたのです。
そんなシーマですが、バブル経済の終焉と共に販売台数を落としていくことになります。2代目シーマは、トヨタ・セルシオやクラウン・マジェスタと競うものの、人気に翳りが見せ始めており、翳りが見え始めました。今回ここで紹介する3代目の誕生は1996年であり、シーマ現象からわずか5年ほどしか時間が経過していないにも関わらず、販売的には苦戦を強いられたモデルです。
エンジンは、高級車の証であるV型8気筒4.1リッターユニットを搭載(写真提供:Mクラフト)
もっとも、クルマの作り込みはバブル時代の勢いのままです。搭載するエンジンは、V型6気筒3リッターターボに加え、高級車の証であるV型8気筒4.1リッターユニットを搭載していたのです。
そのユニットはとても力強く、わずかなアクセル開度でスルスルと静かに突き進みました。乗り心地は上質です。時代はバブル経済がはじけていましたが、一度味わった高級感を忘れることができず、走りの性能は一流のままだったのです。
フロントグリルは富の象徴のように威風堂々としていました。ボンネットの先には高級車の証であるマスコットが装着されていました。
ボンネットマスコットには地中海沿岸に分布するアカンサスの葉をモチーフにしたオーナメントが飾られている(写真提供:Mクラフト)
ボンネットマスコットの代表としては、ロールスロイスの「スピリット・オブ・エンジェル」や、メルセデス・ベンツの「スリー・ポインテッド・スター」、あるいはジャガーの「リーピング・ジャガー」が代表例ですが、シーマには、地中海沿岸に分布するアカンサスの葉をモチーフにしたオーナメントが飾られているのです。
現在では歩行者保護の観点から、ボンネットマスコットの装着は禁止されていますから、希少なマスコットといってもいいでしょうね。
そのボンネットマスコットが象徴するようにシーマは高級車の証であり、バブルの記憶を呼び起こしてくれます。走りも高級感に溢れている。日産が豊かだった頃の生き字引でもありますね。
◾️日産「CIMA」
<エンジン>
形式:VH41DE
種類:DOHCV型8気筒
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
総排気量(cc):4130
圧縮比:10.5
最高出力(ps/r.p.m):270/5600
最大トルク(kg-m/r.p.m):38.4/4000
燃料供給装置:ニッサンEGI(ECCS)
燃料タンク容量(リットル):80
<寸法・定員>
全長(mm):4,970
全幅(mm):1,820
全高(mm):1,460
ホイールベース(mm):2,790
車両重量(kg):1,870
乗車定員(名):5
※ ※ ※
ホンダの軽二輪ロードスポーツバイク「HORNET」は、1996年2月20日に発売されました。ワンランク上のボディや足回りを装備、直列4気筒エンジンを組み合わせて搭載することで、市街地走行では軽快に、郊外のワインディングロードでは重量車クラスの手応えのある走り味が楽しめるネイキッド・ロードスポーツバイクとして生まれました。
ホンダの軽二輪ロードスポーツバイク「HORNET」
250ccクラスながらワンランク上のクラスを彷彿とさせる足廻りは、前:130/70ZR16、後:180/66ZR17を装着。「HORNET」は、迫力あるボディや極太タイヤのシルエットも強烈に印象に残る1台でした。
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