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知っておくとちょっとお得な豆知識! 信号機の「クリアランス時間」とは

バイクのニュース / 2024年8月16日 9時10分

信号機の色が変わるのに、それぞれ時間差があると感じたことはありませんか。 この時間は「クリアランス時間」というそうですが、いったい何のために設定されているのでしょうか。

■信号機の色が変わるのが遅い…それは「クリアランス時間」かも

 信号機には、主に交通事故の防止、クルマの走行の円滑化、交通環境の改善という3つの役割があります。

 また、信号機はその種類もさまざまです。例えば、プログラム多段式は、主道路及び従道路の一日の交通量を計算して、それぞれの時間帯に合わせて最適な切り替えをおこないます。パターンは時間や曜日などから算出され、「青」の点灯時間を自動的に選択します。

プログラム多段式は、主道路及び従道路の一日の交通量を計算して、それぞれの時間帯に合わせて最適な切り替えをおこなうプログラム多段式は、主道路及び従道路の一日の交通量を計算して、それぞれの時間帯に合わせて最適な切り替えをおこなう

 そして半感応式は、主道路メインの信号機です。主道路よりも従道路の交通量が少ない交差点に設置され、主道路側の信号を常に「青」点灯にします。従道路側にクルマが来たことを感知すると、信号が切り替わる仕組みとなっています。

 このように、信号機はただ通行の可否を表示するだけの機械ではありません。円滑な交通流を作り、人々が快適かつ安全にクルマを運転できるのは、信号機のおかげと言っても過言ではないでしょう。

 もちろん、信号機の色の切り替わるタイミングも、計算の上で設定されているのですが、信号機の色が変わるのに、それぞれ時間差があると感じたことがある人は多いかもしれません。

 この時間は「クリアランス時間」というそうですが、いったい何のために設定されているのでしょうか。

クリアランス時間とは、信号機の色が変わった時に、クルマ同士の衝突を防ぐための時間のことを指すクリアランス時間とは、信号機の色が変わった時に、クルマ同士の衝突を防ぐための時間のことを指す

 クリアランス時間とは、信号機の色が変わった時に、クルマ同士の衝突を防ぐための時間のことを指します。一般的に、青信号から赤信号に変わる際に、右折待ちのクルマなどが流れるように、設けられています。

 クリアランス時間は、交差点の大きさや形状、交通量などの条件によって異なります。

 では、もしクリアランス時間が設けられていないと、クルマの流れはどうなってしまうのでしょうか。

 まず、クルマ同士が衝突する可能性が考えられます。クリアランス時間が無ければ、信号機が赤に切り替わると同時に反対の信号機が青に切り替わるでしょう。

 そうすると、交差点で右折待ちをしていたクルマと、青信号で発進したクルマが衝突してしまう可能性が高くなります。

 また、渋滞問題も考えられます。朝や夕方の、いわゆる通勤ラッシュや退勤ラッシュ時はクルマの交通量が増えることで、渋滞が発生しやすくなります。

 クリアランス時間が無いと、右左折待ちのクルマが曲がる頃には、反対の交差点の信号が青になってしまいます。その結果、右折左折待ちの車両が増えてしまいます。そうしてどんどん交通の流れが悪くなり、渋滞状況が悪化してしまうというわけです。

青森県警の公表する情報によると、一般的なラッシュ時の車両の通過割合は、約2秒に1台のペースだと算出されている青森県警の公表する情報によると、一般的なラッシュ時の車両の通過割合は、約2秒に1台のペースだと算出されている

 ちなみに、青森県警の公表する情報によると、一般的なラッシュ時の車両の通過割合は、約2秒に1台のペースだと算出されているようです。つまり、もしも青信号の時間を2秒減らしてしまうと、1サイクル毎に1台のクルマが通過できない計算になります。

 たかが2秒と思うかもしれませんが、仮にこれが30回繰り返されると、計30台のクルマが通行できないことになり、その距離は約150mから200mにも及びます。

 すなわち、クリアランス時間は、交差点でのクルマの衝突事故や、渋滞の予防及び緩和の作用があると言えるでしょう。

押しボタン式信号機のボタンを押してもすぐに「青」にならないという経験がある人は多いかも押しボタン式信号機のボタンを押してもすぐに「青」にならないという経験がある人は多いかも

 その他にも、押しボタン式信号機のボタンを押してもすぐに「青」にならないという経験がある人は多いかもしれません。これも信号機の反応の不具合ではなく、明確な理由があります。

 信号機によっては、さまざまな状況によって信号機同士が相互に連携し、交通流を制御している場合があります。ボタンを押してすぐ「青」に変えてしまうと、信号機同士の連携の周期が崩れてしまい、信号機の切り替え制御に支障をきたす可能性があるのです。

 すなわち、良いタイミングで信号を青に変えるため、ボタンを押してからタイムラグが発生するということです。

※ ※ ※

 昼夜問わず機能しつづけている信号機のおかげで、安全で円滑な交通流が生まれ、わたしたちはその恩恵を受けることができます。急いでいる時など、クリアランス時間に苛立ちを覚えてしまう人もいるかもしれませんが、クリアランス時間が設定されている理由を踏まえると、納得できるのではないでしょうか。

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