1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

ライダーの猛暑対策「ファン付ウエア」の風と走行風は打ち消し合うのか倍増するのか。結果は新感覚の爽やかさ!?

バイクのニュース / 2024年8月24日 11時10分

2004年に登場して以来、建設現場では今や常識となった「ファン付ウエア」は、一般名詞になりつつあるほどのヒット商品ですが、バイクの暑さ対策にも効くのでしょうか。迷いつつも購入して試してみました。その結果は?

■正直、その効果に疑いがあったが……

「ファン付ウエア」は、ウエア本体、電動ファンとバッテリーの3点を揃えて初めて使うことができます。価格はウエアが5000円前後、電動ファンとバッテリーの電装系は、風量やバッテリー容量によって変わってきますが2万円前後です。それぞれのメーカーが独自のコネクターを使っているので、パソコンのように汎用品を使うことはできず、実質3点セットで購入しなければなりません。

バートル「エアクラフト・ハイバック長袖」を購入。ウエアと電動ファンなどの電装系は別々に購入することになるため、使える状態では販売していない(写真=中島みなみ)バートル「エアクラフト・ハイバック長袖」を購入。ウエアと電動ファンなどの電装系は別々に購入することになるため、使える状態では販売していない(写真=中島みなみ)

 今回は、先に試した「フリーザーベスト」(保冷剤での冷却)と同じメーカーである「BURTLE(バートル)」のファン付ウエア「エアクラフト・ハイバック」を選択しました。同じメーカーで揃えることで、ファン付ウエアの下にフリーザーベストを装着することも考えたからです。価格(消費税10%込み)は2万6730円。ものすごく高くはありませんが、失敗するにはかなり惜しい金額です。正直、買うのを迷いました。

 ウエアは好みに応じて、ベスト、半袖、長袖があるのですが、炎天下の直射日光を避けるためもあり、長袖を選びました。

「ファン付ウエア」は、ウエアに取り付けた電動ファンで外気を取り込み、服の中に風を循環させ、発汗による気化熱で涼しさを感じる仕組みです。一般的なファン付きウェアは両脇腹あたりに電動ファンが取り付けられ、下から上に向かって風が流れます。

 一方、「エアクラフト・ハイバック」は左右の肩甲骨あたりにファンが取り付けられており、頭上から下に走行風が向かうバイクと相性が良いのではないか、と考えたのですが、猛暑対策という結果においては、あまり影響しない小さなことでした。

■信号待ちで、扇風機の前で頭を乾かしている感覚に!!

 写真では質感が分かりにくいですが、ウエアはウインドブレーカーのような素材です。胴回りはゴムで締め付けられているので、電動ファンが送り込んだ外気は服の内部で循環し、主に首元へ、一部は袖口から排出されます。バイクの走行風より電動ファンの風力が大きいわけはなく、そうなると高価な買い物は無駄になるのではないか、という心配がありました。

電動ファンが両脇腹あたりではなく肩甲骨あたりに位置する「エアクラフト・ハイバック」は、クルマや重機などの運転でも背もたれに当たらないので有効かもしれない(写真=中島みなみ)電動ファンが両脇腹あたりではなく肩甲骨あたりに位置する「エアクラフト・ハイバック」は、クルマや重機などの運転でも背もたれに当たらないので有効かもしれない(写真=中島みなみ)

 ただ、実際に使ってみるとその予想も外れました。ファン付きウェアの使用感はこれまでのバイクでは考えられなかった感覚で、まるで扇風機を横に置いて運転しているかのようだったのです!

 ファンのスイッチオンとともに、ウエアの中に風が発生します。気化熱が身体を冷やし、速度が15km/hを超えるあたりから走行風に打ち消されたようになります。信号待ちなどでスピードが落ちると、走行風とファンの風が交替して感じられるようになり、運転中は常に風を感じている状態です。

 しかも、停車時のファン付きウェアの風は、顎(あご)と後頭部に向かって吹き出すので、この空気がヘルメットの下から上に向かって、頭部を冷やしてくれます。信号待ちになるたびに、扇風機の前で頭を乾かしている感じです。猛暑でのイライラをほとんど感じなかったのは、こうした爽やかさの効果だった、と感じました。

 日中の市街地走行速度はだいたい50~60km/h程度ですが、平均速度では25km/h程度です。つまり、止まっている時間は意外と長い。

 ファン付ウエアは停車中を快適に過ごすことができる冷却アイテムのようです。市街地走行が想定される通勤・通学には、ベストな暑さ対策になるのではないでしょうか。

 ただ、これを活用するためには、夏のライディングウエアの組み直しが必要になる可能性があります。ファン付ウエアは基本的に風を通さないので、ライディングジャケットの上の着用は適さないでしょう。

 ジャケットを脱いだ状態でプロテクターを装着し、その上から着ることが暑さ対策には望ましい気がします。ファン付ウエアを着ているだけでは、走行中に暑いと感じることはありませんでした。

「ファン付ウエアはバイクの暑さ対策になるのか?」その答えは「なります」です。

 とくに、猛暑を避けられないライダーにとっては、暑さが続くほど効果は得られると思われます。

 しかし、ファン付ウエアが可能にするのは停車中の快適さなので、ロングツーリングのように、ずっと走っているケースでは「フリーザーベスト」の方が適していると言えそうです。

 余談ですが、猛暑の走行後に、ファン付きウェアを着たままエアコンの効いた場所に入ると、これまた天国です。ぜひ試してみてください。

※「ファン付ウエア」の使用は、ウエア本体とデバイス(バッテリー+ファン)を統一することを、メーカーは推奨しています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください