バイクなの?クルマなの?「レーシングサイドカー」って一体なに?
バイクのニュース / 2024年9月4日 10時10分
バイクでもクルマでも無い、独特な形状のレーシングサイドカー。レーシングサイドカーレースで使用され、速く走ることに特化したレーシングサイドカーとは、いったいどのような乗り物なのでしょうか。
■バイクでもクルマでもない!?レーシングサイドカーとは
バイクでもクルマでもない、独特な形状のレーシングサイドカーは、レーシングサイドカーレースと呼ばれる競技で使用されている車両です。
バイクのように二輪で疾走するのではなく、かといってクルマのように四輪で走行するわけでもないサイドカーには、特有の魅力とスリルが詰まっています。
見た目のインパクトだけでなく、独自の構造とレースの迫力が観客を魅了するレーシングサイドカーですが、日本ではまだまだ認知度が低く競技人口もあまりいません。
そんなレーシングサイドカーとは、どのような乗り物なのでしょうか。
レーシングサイドカーレースと呼ばれる競技で使用されているレーシングサイドカー
そもそもレーシングサイドカーレースは、特殊なサイドカーを用いるモータースポーツです。
この競技はドライバーとパッセンジャーの2人1組でおこなわれ、ドライバーがアクセルやブレーキを担当。パッセンジャーは全身を使って体重を移動させることで、車体のバランスを保ちます。
アクセルやブレーキ、ハンドルやギアチェンジなど、操作系統は二輪車に近い構成ではあるものの、バイクよりも太いスリックタイヤを装着しているため、操縦は四輪車に近い特性になっています。
また、カウルに潜り込むような姿勢をとるため視点はかなり低い上に視界は狭く、体感速度が他のモータースポーツに比べて非常に高く感じるのも、レーシングサイドカーの特徴です。
なお、かつては「MotoGP」の一部としておこなわれていましたが、1996年に撤退。現在ではクローズドサーキットでの「スーパーサイド世界選手権」や、イギリスで開催される「マン島TTレース」が主要な大会となっています。
レーシングサイドカーレースと呼ばれる競技で使用されているレーシングサイドカー
なお、日本での知名度はまだまだ低いとはいうものの、富士スピードウェイや筑波サーキット、岡山国際サーキットなどでは、フルスケールのシリーズ戦が年間4回から5回、開催されているといいます。
また、より小型の「ミニサイドカー(F4クラス)」は千葉県の茂原ツインサーキットで、年間5戦のチャンピオンシップを競っているようです。
ちなみに、日本で開催されるレーシングサイドカーレースは、F1、F2、F4の3つのクラスに分けられており、まずF1クラスは、リアミッドシップエンジンとロングホイールベースのモノコックシャシーを持ち、エンジンは2ストで最大500cc、もしくは4ストで最大1340ccの排気量が許可されており、車両の最小重量は370kgです。
そしてF2クラスはフロントミッドシップエンジンで、ショートホイールベースのパイプフレームが特徴。
エンジンの仕様はF1クラスと同じですが、自然吸気のみが認められ、最小重量は350kg。国際レースでは両クラスともにFIMの規定により、4ストで最大600ccの制限が適用されています。
なお日本独自のF4クラスは、全長2400mm以下、全幅1300mm以下、全高550mm以下のコンパクトな車両に2ストで最大100cc、または4ストで最大150ccのエンジンを搭載し、カート用のホイールとタイヤを使用します。
F1およびF2クラスのエンジンは市販二輪車の4気筒を基にしており、ピストンやカムシャフトなどの部品交換が許可される一方で、クランクシャフトやストロークの変更は不可。
ホイール幅やタイヤの仕様にも細かい規定があり、シャシーはレーシングサイドカーメーカー製が一般的ですが、自作も認められており、メーカーはスイスのLCRが人気ですが、日本では矢崎フレームなども活躍しています。
■どこが魅力? レーシングサイドカー
レーシングサイドカーには、以下の魅力があります。
・圧倒的な迫力とスピード感
・ドライバーとパッセンジャーの阿吽の呼吸
・奥深い戦略性と駆け引き
レーシングサイドカーレースと呼ばれる競技で使用されているレーシングサイドカー
レーシングサイドカーは二輪車よりも車重が重く空気抵抗も大きいため、一般のバイクとは比べ物にならないほどのスピードと安定感を感じる事ができます。
また、ドライバーとパッセンジャーが互いの動きを完璧に理解し、阿吽の呼吸でマシンを操る事が重要。たとえばコーナーではパッセンジャーが体を大きく預けたり、時には宙に浮いたりしながら車体のバランスを調整します。
さらに単に速く走るだけでなく、コースや路面状況、マシンのコンディションなどを考慮するなど、戦略的な駆け引きも重要。チームワークと個々の技術が試される、魅力あふれる奥深いレースが楽しめるというわけです。
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