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ヤマハ「RZ250R」って今乗ったらどんなバイク? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.1

バイクのニュース / 2024年9月5日 7時10分

2ストロークモデルについて造詣が深く、自身も多くの2ストマシンを所有する後藤武さんがヤマハ「RZ250R」について解説します。

■ヤマハ「RZ250R」はどんなバイクだったのか?

 2ストロークロードスポーツの人気には根強いものがあります。軽くて加速性能が良いだけではなく、2ストロークエンジン独特のエキサイティングなフィーリングがあるからなのですが、新車の発売が中止されてからその中古車価格はジリジリと上がり続けていて、人気車種にいたっては簡単に手が出せないような金額になってしまったものもあります。

1983年に登場したヤマハ「RZ250R」1983年に登場したヤマハ「RZ250R」

 そんな中でも比較的入手しやすいのがRZ250Rかもしれません(それでも最近は価格が上がっていますが)。維持するのもこの年式のバイクとしては容易です。

 1980年にRZ250が登場したことで、一時は消えかかっていた2ストロークスポーツバイクの人気に再び火がつきました。ライバルメーカーも次々と2ストロークバイクを投入。ヤマハも1983年にRZ250を更にパワーアップしたRZ250Rを投発売して迎え撃ちます。

1983年に登場したヤマハ「RZ250R」。ヤマハ独自の排気バルブYPVSが装着され高回転のパワーアップ、低中速トルクの増大が実現されました1983年に登場したヤマハ「RZ250R」。ヤマハ独自の排気バルブYPVSが装着され高回転のパワーアップ、低中速トルクの増大が実現されました

 RZ250Rの最大のポイントはエンジンにヤマハ独自の排気バルブYPVSを装着したことです。回転数に応じて排気ポートのタイミングを変えるこのシステムにより、全域でパワーアップ。高回転のパワーが43psにアップしていたにもかかわらず、低中速トルクが太くなりました。前モデルRZ250の場合、パワーパンドに入った瞬間の爽快な吹け上がりが特徴でしたが、RZ250Rではトルクの谷もなくなり、全域でスムーズかつ乗りやすい特性になりました。

1983年に登場したヤマハ「RZ250R」。ヤマハ独自の排気バルブYPVSが装着され高回転のパワーアップ、低中速トルクの増大が実現されました1983年に登場したヤマハ「RZ250R」。ヤマハ独自の排気バルブYPVSが装着され高回転のパワーアップ、低中速トルクの増大が実現されました

 80年代初頭から市販車でもアルミフレームのバイクが登場するようになりました。RZ250Rはスチールフレームでしたが市販レーサーTZ250をイメージしたフレームデザインになり、リアショックには新設計のリンク式モノクロスを採用するなどして高い性能を発揮していました。

 RZ250Rは、市販車改造のレースTT F-IIIでも大活躍。有利だと言われていた400ccクラスのバイクを相手に活躍してその性能を実証しました。国際A級クラスでもワークスマシンを相手にヤマハ系のコンストラクターの作ったRZ250Rレーサーが互角の戦いを繰り広げていたほどです。1985年にTZR250が登場するまで、ヤマハの250クラスの主力としてストリートからレースまで活躍していたのです。

 TZR250が登場したあともRZ250Rは継続して販売されました。それは単に速さを追求するだけでなく、レプリカとは違う楽しさがRZ250Rにあったからです。

■ RZ250Rって今乗ったらどんなバイク?

 近日、配信予定のPart2の記事で説明するようにRZ250Rには年式によって色々なモデルがあり、それぞれで少しずつ走ったときのフィーリングが違います。

ヤマハ「RZ250R」に乗る筆者(後藤武)ヤマハ「RZ250R」に乗る筆者(後藤武)

ただ、全般的にどのモデルに関しても言えるのは、低回転から実用上十分なトルクがあって極めて乗りやすいこと。高回転では気持ちよく回って2ストらしい小気味よい加速フィーリングを味わうことができます。

 RZ250Rのあとで登場してくるケースリードバルブ式のパラレルツインに比べると、性能では若干負ける部分もありますが、加速時の躍動感や楽しさに関して言えば、RZ250Rなどピストンリードバルブ方式のエンジンを搭載したバイクの方が楽しいというライダーもいます(後藤もその一人です)。

 ハンドリングに関しては前後18インチ、ヤマハスポーツバイクの完成形ともいうべき素晴らしいもの。軽快で乗りやすく、スポーツライディングにも十分応えることができます。

 RZ250Rに関しては、モデル数や情報が多いために記事を3回に分けました。モデルごとの情報やバイヤーズガイド、維持していくうえでの注意点に関してはVol.2、Vol.3をご覧ください。

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