ヤマハ「RZ250R」歴代モデルそれぞれの特徴は? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.2
バイクのニュース / 2024年9月7日 7時10分
2ストロークモデルについて造詣が深く、自身も多くの2ストマシンを所有する後藤武さんがヤマハ「RZ250R」について解説します。
■モデルによっての違い
現在も多くの2ストファンの心を掴んで話さないヤマハRZ250R。Vol.1ではその誕生の背景やマシンの特徴を説明しました。
ヤマハ「RZ250R」の歴代モデル
Vol.2となる今回はモデルごとの違いやバイヤーズガイド的な説明などを解説していきたいと思います。
■1983年登場の「29L」
1983年に登場したのが型式名29L。
1983年登場のヤマハ「RZ250R」(29L)
タンク容量が20Lと大きくシートのスポンジも厚いので、それまでのRZ250に比べるとずいぶん大柄になったと感じました。
ヤマハ「RZ250」
そのため当時RZ250から乗り換えたライダーの中には「馴染めない」という声も聞かれました。
ただしパフォーマンスが高くなったことは間違いなく、レースでの大活躍は今でも記憶に残っています。このモデルから1ARまではテールランプの形状から「オムスビテール」などと言われています。29Lに関しては、ノーマルで程度の良い中古車がとても少ないのが現状です。
■1984年登場の「51L」
1984年にはRZ250RR、型式名51Lが誕生します。シリンダーのポートが変更され、強制開閉式キャブレターやサイレンサー別体型マフラーを採用して最高出力が45PSへアップ。
1984年登場のヤマハ「RZ250RR」(51L)
ハンドルがセパレートタイプになり防風性能の高いカウリングを装備していましたが、カウルがフレームマウントとなったことで、ハンドリングはより軽快に。フロントフォークやブレーキなど細部にわたって改良されていました。
このモデルに乗ったときは単にパフォーマンスが上がっただけでなく、とても乗りやすくなったと感じました。
■1984年登場の「1AR」
1984年に51Lのネイキッドバージョンとして登場したのが1ARです。
1984年登場のヤマハ「RZ250R」(1AR)
オムスビテールとしては最終モデルになります。
■1986年登場の「1XG」
1986年に登場したのが型式名1XGです。タンクやシートがスリムになり、ホイールも変更されました。
1986年登場のヤマハ「RZ250R」(1XG)
外装類の変更に伴いフレームも変わっているので、前モデルの外装を取り付けることはできません。「TZR250」がすでに発売されていたことから、ストリートで2ストらしい走りを楽しむバイクとして生まれ変わったのがこのモデルでした。
当時はレプリカ全盛期でしたが、後藤の周辺ではなぜかレプリカではなく1XGを選ぶ友達が多かったことを記憶しています。
何度か試乗させてもらいましたが、車体やエンジンの完成度が非常に高くなっていたことに驚きました。それまで周囲にあった29Lや51Lがやれていたのに対し、程度の良い1XGに乗ったことも関係しているかもしれませんが「RZ250Rってこんなに乗りやすくて速かったのか!」と感動したものです。
18インチタイヤを履いた250ccスポーツバイクのハンドリングとしては、最も完成されていたバイクではないかと思います。
■1988年登場の3HM
1988年に登場したのが型式名3HMです。最大の特徴はフロントホイールが17インチ化されたこと。デジタル進角CDIが採用されるなどさらに熟成を重ねていました。
1986年登場のヤマハ「RZ250R」(3HM)
個人的にはそれまでのフロント18インチのモデルの方がデザイン、ハンドリングともに好きなのですが、バイクとしての完成度はこのモデルが最も高いことは確か。
レプリカ全盛期の当時、販売成績はあまりかんばしいものではありませんでしたが、そんな中でRZ250Rを選んだのは本当に好きなライダー。絶対数は多くありませんが、程度の良いバイクが見つけられる確率は高いかもしれません。
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