【MotoGP第12戦アラゴンGP】右手骨折のMoto2小椋藍選手が8位でゴール。チャンピオンシップのポイント差を12に詰める

MotoGP第12戦アラゴンGPが、2024年8月30日から9月1日にかけて、スペインのモーターランド・アラゴンで行なわれました。Moto2クラスに参戦する小椋藍選手（MTヘルメット - MSI）は、8位でゴールを果たしました。

■最悪の状況で、トップ10以内を達成

　2024年シーズンもMotoGPのMoto2クラスにフル参戦する小椋藍選手（MTヘルメット – MSI）は、前戦オーストリアGPの土曜日午前中のプラクティス2で転倒を喫し、右手の甲を2カ所骨折しました。オーストリアGPは決勝レースを欠場したものの、手術は受けず、アラゴンGPまでの間にマドリードで治療に専念したということです。アラゴンGP木曜日のメディカルチェックで出走許可が下り、金曜日から走行となりました。

【MotoGP第12戦アラゴンGP】Moto2クラスに参戦する小椋藍選手（#79／MTヘルメット - MSI）

　じつは、小椋選手としては「アラゴンに入った時点で、ポイントがとれそうなら走って、それが難しそうなら走らない、という想定だった」ということです。Moto2クラスのタイトル争いを展開中の小椋選手にとってノーポイントは避けたいところでしたが、状態次第では回復を優先する、と考えていたようです。

　スロットルやブレーキングを操作する重要な右手に怪我を抱えての走行は、もちろんいつもと全く同じ、とはいきませんでした。しかしそれでも、Q1から挑んだ予選でQ2に進出を果たし、Q2を16番手で終えます。

　小椋選手にとっては、手の具合もさることながら、負傷によって走行時間が短くなっていることが影響したようです。土曜日午前中のプラクティス2では、ハーフウエットの路面コンディションを鑑み、リスクを避けるために走行していません。

「今日は痛みもなく普通に走れたんですけど、昨日から手の状況で進みが遅く、リズム的にしっかり走れていないので、15分（Q1）、15分（Q2）の短い時間でピークにもっていくのがすごく難しかったです」と、土曜日午後のMotoGP.comのインタビューで語っていました。

　決勝レースでは、痛み止めを服用して挑みました。小椋選手はレース序盤こそやや出遅れましたが、その後はレース後半に強い小椋選手の走りを発揮します。前を走るライダーの転倒などもあり、小椋選手は8位でチェッカーを受けました。

「1周目に接触があって、（コースの）外に出てしまったんです。今回のコンディション的に、タイヤに汚れを拾うと回復するのに3～4周かかってしまいます。なので、序盤はかなり苦戦したんですけど、何人かのライダーのタイヤが落ちるというのは、レース前から想定していました」と、小椋選手はMotoGP.comのインタビューで語りました。

「僕は全ての周回で自分のできる走りをしただけですが、結果的に、目標としていたトップ10以内を達成できました。良い日曜日になったと思いますし、最悪の状況でこれなら、悪くないんじゃないかなと思います」

　このレースでは、チャンピオンシップのランキングトップにつけるライダーであり、小椋選手のチームメイト、セルジオ・ガルシア選手（MTヘルメット – MSI）がリタイアに終わっています。対する小椋選手は8位で8ポイントを獲得し、ガルシア選手とのポイント差を20ポイントから12ポイントに縮めました。

　MotoGP第13戦サンマリノGPはアラゴンGPに連戦で、9月6日から8日にかけて、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれます。

■Moto2クラスとは……

　Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。