バイクの機動性はバツグン! それでも避難時にバイクに乗ってはいけないのか?
バイクのニュース / 2024年9月5日 9時10分
地震などの災害時、バイクの機動力を活かして警察や消防でバイクが活用されています。では、実際に災害に直面した際に避難のためにバイクを使用してもよいのでしょうか。
■避難するとき、バイクに乗って移動してもいい?
私たちの生活を脅かす存在である災害。特に日本は「地震大国」と呼ばれるほどに地震が多く発生しています。たとえば令和6年1月1日に起こった能登半島地震は記憶に新しいでしょう。また、最近では8月8日に日向灘を震源とした大きな地震が発生しています。
災害時の情報収集や素早い対処のために、警察や消防などのさまざまな団体でバイクが活用されている
実はこのような災害時、災害時の情報収集や素早い対処のために、警察や消防などのさまざまな団体でバイクが活用されています。では災害時にバイクが活躍している一方で、私たちが「避難」のためにバイクに乗って移動をすることは可能なのでしょうか。
まず、災害時は原則として「徒歩での避難」が推奨されています。消防庁の「防災マニュアル-震災対策啓発資料-」では震災時の避難方法について説明されており、徒歩ではなくクルマを使用すると「渋滞を引き起こし、消防・救急活動に支障を来たす」ことがあると記載されています。
また、震災に関する予防や復興などにまつわる、さまざまな対策について定められている「東京都震災対策条例」の第五十一条(車両による避難の禁止)では、「都民は、震災時に避難するときは、路上の混乱と危険を防止するため、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第八号の車両(以下「車両」という。)を使用してはならない。」と述べられています。
ここでの車両とは「自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバス」のこと。つまり、震災時に避難が禁止されている車両には、クルマに限らずバイクも該当していることが分かります。
災害時には倒壊した建物などの瓦礫や、道路自体のひび割れなどの道路被害によってバイクやクルマでの通行が不可能となってしまう可能性もある
また災害時には倒壊した建物などの瓦礫や、道路自体のひび割れなどの道路被害によってバイクやクルマでの通行が不可能となってしまう可能性も、ゼロではありません。また、停電によって信号が滅灯し交通が混乱する状況も考えられるため、徒歩での避難が求められます。
さらに運転中に地震が発生した場合は、揺れを感じたらすぐに減速し、安全な場所へと移動することが求められます。このときに大切なのは、出来るだけ道路ではない場所へ停めること。災害時は緊急車両が来る可能性があるため、妨げにならないように停車することが求められます。
なお、バイクをその場に置いて避難する場合は「鍵をさしたまま」にして、その場を離れる必要があります。
災害時は緊急車両が来る可能性があるため、妨げにならないように停車することが求められる
警察庁のサイトより公開されている「交通の方法に関する教則」によると、第10章第3節「1 地震災害に関する警戒宣言が発せられたとき」の(1)のイでは、「やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとするか運転席などの車内の分かりやすい場所に置いておくこととし、窓を閉め、ドアはロックしないこと」と記載されています。
ここではクルマについて述べられていますが、バイクについても同様の手順です。緊急車両が来た際に動かせるようにするためにも、エンジンを止めた後、ハンドルロックはしないで鍵をさした状態のまま離れることが推奨されます。
また走行中でなくとも、災害が発生した直後にバイクに乗って避難する行為は非常に危険です。周りの状況が不明確であり、慌てた人が突然道路に飛び出してくる可能性も考えられます。
加えて自分自身も慌てている状態での運転は、思わぬ事故につながる危険性も。災害が発生した直後はバイクを無理に運転することは避け、徒歩で移動することが大切だと言えるでしょう。
津波から避難をするためなどのやむを得ない場合は、バイクやクルマでの移動が必要となる場合がある
ちなみに、災害時の避難は原則として徒歩での移動が推奨されていますが、津波から避難をするためなどのやむを得ない場合は、バイクやクルマでの移動が必要となる場合があります。
災害時はまず命を守るための行動を第一に考え、必ずしも徒歩での避難にこだわらず、その状況において必要な対応をとることが重要です。
※ ※ ※
災害は”いつ起こるか分からないもの”です。実際に災害が起こる前に、避難路や避難所の確認をしておくことや、防災グッズの準備をしておくなど、「もしも」のために備えておくことが大切です。
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