ウインカーが点滅しない!? 旧車にとって最大の鬼門は電装部品のコンディション 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.11
バイクのニュース / 2024年9月4日 7時10分
自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな年式に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。旧車にとって電装部品コンディションと配線の取り回しは、まさに鬼門です。「疑いの目」をもってバイクと向き合うと、いろいろな良くない場面に出逢うことができます……
■旧車のホーンは音の響きが悪い。そんなときにはコツコツと
所有する1962年式のスーパーカブC100は、6Vバッテリー制御の電装回路なので、そもそも12V制御のような安定性は求めていませんし、旧車ですから致し方ありません。まずは6Vバッテリーを満充電にしてから接続しました。
バイクオーナーの自分と同じ生誕年に工場出荷された、ホンダ「スーパーカブC100」の1962年モデル。通称名では「ピノキオテール大」になります。初期シリーズが「ワシ鼻テール」、次に「ピノキオ小テール」などがありました
そして、各電装部品の作動状況を確認してみました。メインキーをオンの位置にすると、ヘッドライトケースの上にある赤色インジケータランプが点灯しました。このランプは、ニュートラルポジションのサインのようです。ギヤをローへシフトすると消え、再びニュートラルへ戻すと、またランプは点灯しました。
世界的な取り決めなのか否かは不明ですが、60年代以前は、現代のバイクとはインジケータランプの配色に違いがありました。1970年代以降は、ヘッドライトのハイビームが青色点灯ですが、60年代以前のモデルでは、赤色点灯モデルが数多くありました。その後に規格統一されたのだと思います。
次にホーンボタンを押すと、音量はやや小さく、ビビッた感じの音が響きました。後々、音量調整しなくてはいけないコンディションだと思いますが、ホーンの響きが良くない旧車は数多いですよね。
確認ポイントその1は、ホーン本体の取り付け状況にあります。締め付けた時にホーンボディの一部が車体と触れてしまうと、音の響きが悪くなってしまいます。車体とホーンボディの接触を見つけたら、締め付け角度を直したり、ホーンステーを曲げて車体と接触しないように調整しましょう。
その2として「響きが悪い」時には、小型のハンマーやドライバーの柄を使って、ホーンボディをコツコツッと叩いてみるのが良いです。それでも鳴らない時は、ホーンを取り外し、バッテリーとリード線をつないで、ダイレクトに電源投入するのもひとつの確認方法です。
元気良く音が響くのであれば、車体側に問題があると考えられます。そうすると十中八九、トラブルの原因は、ホーンスイッチのアース不良もしくは接点摩耗が考えられます。スイッチ接点の汚れや腐食を除去し、通電不良を改善する「接点復活」ケミカルもありますので、このような際にはレミカルスプレーを効果的に利用できます。
■アース不良は日常茶飯事。必要に応じてアース線追加
ブレーキペダルを踏み込むとテールランプが光ります。ブレーキ系のスイッチ回路は正常でした。ここでエンジン始動し、メインキーを夜間走行モードに切り替えると、ヘッドライトは点灯しました。ロー/ハイともに切り換えは正常で、エンジン始動中のテールレンズを見ると、ぼんやり光る程度ではありますが、テールランプも点灯している様子を確認できました。
最後に、ウインカースイッチを切り替えてみると、左右どちらに出しても点灯しません。ウインカースイッチ切り替え前の一次側の配線とボディアースを確認すると、6Vの電気が流れていませんでした。
メインキーがオンの状態でウインカー電源に電気が流れていなかったので、いろいろ確認すると、どうやらアルミ筒型のウインカーリレーが壊れている?(それが原因で作動不良) 手持ちのホンダ純正新品部品の旧型6V用ウインカーリレーへ交換しました
予想できる原因は、スイッチ側ではなく、ウインカーリレー内だと思います。いわゆる旧式ウインカーリレーなので、アルミ筒のカバーを抜いて確認してみましたが、構造がよくわかりません。リレーの接点(ポイント)をわずかに広げて汚れが無いか確認しつつ、800番の耐水ペーパーで接点を軽く磨きましたが作動しません。
同じ6V仕様だったとしても、ウインカーリレーの場合は、利用するバルブのワット数が重要になります。明らかにワット数は異なっていましたが、通電するといい感じの点滅スピードで、バランスしているようにも見えますのでこのまま使おうと思います
こうなるとさっぱりわかりませんので、新品の旧型6Vリレーに交換しました。すると片側のウインカーは正常に点滅し、反対側はフロントウインカーが点滅しませんでした。ルームランプのようなマクラ球と呼ばれる横長バルブを外して、点滅した反対側と入れ替えましたが、やはり点滅しませんでした。
アース接点を磨いたことで安定的に点滅するようになりました。ウインカーリレーが正常に作動しているのなら、点滅しない原因の多くがアース不良にあると思います。旧車の多くがボティアースですが、この時代はボディアースに頼り過ぎだと思われます
そこで、ウインカーボディとハンドルを締め付ける接点部分をサンドペーパーで磨いて復元確認すると、何事も無かったかのようにウインカーが点滅し始めました。ランプソケットのボディアースが、サビで接触不良を起こしていたのが原因でした。
この電装系の動作点検によって、6V仕様のウインカーリレーの故障とフロントのウインカーアースの不良が判明しました。念のために、すべてのウインカーバルブソケットのアース接点を磨きました。その後は、正しく安定作動するようになりました。どうしてもボディアースが遮断されてしまう際には、ハンドルとボディを見えない部分で結線することで、アースリードが確実に改善されるでしょう。
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