ハイオク指定のバイクにレギュラーを入れちゃダメ？ 素朴な疑問を徹底解説

メンテナンスや普段の取り扱いはバイクメーカーの指示通りに行っていれば問題はなく、疑問に思うこともありません。ただ、もし指定と違うことをしたらどうなるのか？　と考え出すと、気になって仕方がなくなったという経験はありませんか？今回は、そんな日常的に行っているバイクの扱いにまつわる素朴な疑問を集めてみました。

■ハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れるとどうなる?

　基本的にバイクのメンテナンスや普段扱いは、メーカーの指示通りに行っていれば問題はありません。しかし、節約のためにハイオク指定のバイクに、レギュラーを入れたいな。など、指定を破ってしまいたいと考えた事はありませんか？

　その場合、一体どのような不具合が起こるのでしょうか。様々な素朴な疑問をまとめてみました。

バイクでもスーパースポーツモデルを中心に、ハイオク指定が増えている

　バイクでもスーパースポーツモデルを中心に、ハイオク指定が増えてきました。また、輸入車は規格の違いもあって、ハイオク仕様がほとんどです。

　ハイオクとはハイオクタン価の略で、オクタン価とは簡単に言ってしまえば火が点きにくい度合いの事。ハイオクはそれが高く、ハイオクと聞くとよく燃えるイメージですが、実際は逆となっています。

　なぜそうなっているかというと、エンジンの仕様に関係していて、シリンダーの圧縮比を高めたり、点火時期を早くしたりするとパワーが上がりますが、その分、ノッキングが発生しやすくなってしまいます。

　ノッキングとは異常燃焼のことで、合わないギアでアクセルを開けるとカリカリという音が内部で発生します。

　放置しておくとピストンが溶けたりするので、ノッキングはエンジンにとって大敵。そのため、想定外のところで爆発が起こってしまわないように、燃えにくいハイオクを指定しているというわけです。

ハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れるとエンジンに大きな負担となってしまう

　つまり、ハイオク仕様にレギュラーガソリンを入れるとエンジンに大きな負担となってしまいます。

　クルマの場合はノッキングを検知すると点火時期を調整する機能が付いていますが、バイクの場合はほとんど付いていないので、緊急事態以外はレギュラーを入れるのは避けたほうが良いでしょう。

　また入れた場合はアクセルを全開にすることは避け、低負荷で走るようにしてください。

　ちなみにレギュラー指定のバイクにハイオクを入れても弊害はありませんが、特にメリットもないので、お金の無駄と言って良いでしょう。

■クルマ用のオイルを入れるとどうなる？

　オイル交換は、メンテナンスのなかでも大切なメニューです。そんなオイルには規格があって、メーカー指定に合ったものを入れるのが基本。

　バイクには、バイク用のオイルを選ぶ必要があります。

バイクには、バイク用のオイルを選ぶ必要がある

　では、クルマ用のオイルをバイクに入れると、一体どうなるのでしょうか？　

　一見すると同じに見えますが、バイク用のオイルはクルマ用と特性ふたつ異なります。バイクの場合はエンジンとミッションが合体した構造になっているので、オイルはその両方に対応する必要があります。

　とくにミッションには高い圧力が瞬間的にかかるため、極圧剤というものが多く配合されています。また、クラッチも内蔵されているので、滑らせつつもしっかりとつながるという背反する性能も求められます。

　これらはクルマ用のオイルにはないものなので、流用は不可。大量に余っているなど、どうしても使用したい場合はバイクに使えるようにする添加剤が売られているので、それを混ぜると良いでしょう。

■タイヤサイズを変えるとどうなる

　タイヤサイズはバイクメーカーによって定められていて、これは設計時の解析や実際のテスト走行などで、ベストなものが選ばれています。

　そのため、交換する場合は指定のサイズを守ることが重要。ただし、ひと回りぐらい太くするとグリップが増すなど、性能アップが見込めるのではないかと思ったりもします。

　太くすると接地面が増す気がするので、そう思うのも当然です。また、見た目もタイヤの存在感が増すので、よくなるのではないかという期待もあるでしょう。

ホイールを変えないでタイヤだけ太くすると、丸みがきつくなって尖った形になってしまう

　しかし、実際はそれほど簡単な話しではなく、問題はバイクのタイヤは丸いということにあります。ホイールを変えないでタイヤだけ太くすると、丸みがきつくなって尖った形になってしまいます。

　つまり接地面積は増えない上に尖った分、寝かし込んだときの挙動が唐突なものになり、乗り心地にも悪影響を与えます。そのため、闇雲にサイズアップをするのは避けて、どうしてもしたいならノウハウのあるタイヤ専門店で相談すると良いでしょう。

　またホイールサイズを変えないでタイヤだけ太くすると弊害が起こりますが、ホイールも幅が広いものに交換すれば問題はありません。

　ただし、サスペンションアームに干渉するという問題が出たり、費用もかかるので、その点はよく考えたほうが良いでしょう。