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普通自動二輪免許と言わない!? 昔の人が普通自動二輪免許を「中免」と呼ぶのはなぜ?

バイクのニュース / 2024年9月19日 9時10分

普通自動二輪免許のことを指して「中免」という人は一定数存在しますが、なぜ普通自動二輪免許はしばしば「中免」と略されるのでしょうか。

■普通自動二輪の略が「中免」?「中」はどこからきたのか......

 バイクの免許を取得する際、多くの人が最初の目標とするのが普通自動二輪免許です。大型バイクに乗っている人でも、初めから大型自動二輪免許を取得している人は多くなく、はじめは普通自動二輪に挑戦することが一般的です。

普通二輪免許は、しばしば「中免」と呼ばれることがある普通二輪免許は、しばしば「中免」と呼ばれることがある

 そんな多くのライダーにとって登竜門となる普通二輪免許は、しばしば「中免」と呼ばれることがあります。「中免」の「中」の部分が、大型二輪と小型二輪の間に位置する普通二輪のことを指していることは想像できますが、普通自動二輪免許という単語のなかに「中」という文字は存在しません。

 では、なぜ普通自動二輪免許はしばしば「中免」と呼ばれることがあるのでしょうか。その理由を知るには、過去の免許制度についておさらいしておく必要があります。

 現在、バイクに関する免許は「原付」「普通自動二輪(小型限定)」「普通自動二輪」「大型自動二輪」の4種類であり、原付以外の3種類の免許にはAT限定免許もあります。

 ただし、バイクの免許制度が、私たちが慣れ親しんでいるこの形になったのは、意外にも最近のことです。

AT限定免許が創設されたのは2005年6月1日のことAT限定免許が創設されたのは2005年6月1日のこと

 例えば、バイクにおけるAT限定免許が創設されたのは2005年6月1日のこと。この法改正までは、バイクにおけるAT限定免許はなく、通勤でスクーターを使いたいだけの人でも、マニュアル車を使って教習や検定を受ける必要がありました。

 バイクの免許制度がもっとも単純だったのは、1965年から1975年にかけての10年間です。このころは50ccまでの原付免許とそれ以上の自動二輪免許の2種類しか存在せず、ヘルメット未着用の罰則もありませんでした。

 初めてヘルメットの罰則付き義務化がスタートしたのは、1975年のこと。そして同じく1975年、バイクの免許制度は改正され、現在のものに近づきます。

 1975年に改正された免許制度におけるバイクの免許は「原付免許」「小型限定自動二輪」「中型限定自動二輪」「自動二輪」の4種類でした。「小型限定自動二輪」は現在でいう「小型限定普通自動二輪」、「中型限定自動二輪」は「普通自動二輪」、「自動二輪」は「大型自動二輪」に相当します。

 当時、自動二輪免許のうち教習所で取得できるのは中型限定自動二輪免許までであり、大型バイクに乗るためには免許センターで「限定解除」の試験に臨む必要がありました。

現在は大型自動二輪免許を教習所に通うことで限定解除試験を受けなくてもよくなりました現在は大型自動二輪免許を教習所に通うことで限定解除試験を受けなくてもよくなりました

 教習所に通えば多くの人が大型自動二輪免許を取得できる現在とは異なり、限定解除は何回も試験を受けてようやく受かるものでした。数十人受けて受かるのは1〜2人程度だったとも言われており、限定解除は多くのライダーにとって遠い目標だったようです。

 逆に、多くのライダーにとって最も身近だったのが、中型限定自動二輪免許だったということができるでしょう。ここまでの流れを見れば想像できる通り、「中免」というのはもともとこの「中型限定自動二輪」の略でした。

 1975年から1995年までの間にバイクの免許を取ったライダーの中で色濃く浸透した中免というワードは、今でもたまに普通自動二輪免許を指して使われることがあります。教習所の指導員はこの世代であることも多く、教習中にこのワードが飛び交っているのを耳にしたことがある人もいるでしょう。

 多くのライダーにとって身近だったからこそ、中免というワードは現在まで残っているのだと言うことができるかもしれません。

※ ※ ※

 たったひとつの用語でも、その由来にはバイクに関する興味深い歴史があります。中免というワードをきっかけに、過去の免許制度や当時のライダーたちの苦労について思いを馳せてみるのも、趣深いでしょう。

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