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車体は薄汚くても、エンジンだけは美しく!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.14

バイクのニュース / 2024年9月25日 7時10分

どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。このC100は、見た目が薄汚くて年式相応ではありますが、薄汚いコンディションのまま走るのが好きではありません。エンジンの分解整備に便乗して、シリンダーやシリンダーヘッドやクランクケースの左右カバーなどなどは、焼き付けペイントで仕上げることにしました。

■生き残っている旧車は「シアワセモノ」だと思います

 屋外で保管されていた期間が長かったバイクと比べれば、ガレージ内で保管されていたバイクは、やっぱり程度が良いと思います。ぼくがいじっているC100も、すでにメーカー出荷から60年以上経過していることを考えれば、かなり良い程度かも知れません。

全体的に程度が良かったC100ですが、せっかくエンジン降ろして分解メンテナンスするのなら、見た目のお化粧直しも……となりました。クランクケースカバーのシルバーペイントは完全に落ちていましたが、このシルバーが美しくなるだけで見た目は様変わりします全体的に程度が良かったC100ですが、せっかくエンジン降ろして分解メンテナンスするのなら、見た目のお化粧直しも……となりました。クランクケースカバーのシルバーペイントは完全に落ちていましたが、このシルバーが美しくなるだけで見た目は様変わりします

 もっともっと高年式カブでも、野ざらしや雨ざらしにされてしまった結果、板金ボディはサビで朽ち果ててしまい、土へと戻りつつある車両を何度も見たことがあります。過去には、そんな状況から救い出し(ぼく個人的に興味があるモデルだったので)、フルレストア実践。そして、完成させたモデルもありました。

 オーナーさんの考え方次第で、バイクはその運命を左右されてしまうものなんですよね。そう考えると、今現在、ランニングコンディションで走り続けている旧車は、すべて「シアワセモノ」なのかも知れません。良いオーナーさんと巡り合えたわけですから……。一台でも数多くの旧車を、後世に伝え、残していくのが、我々旧車ファンにとっては、大きな責務だと思います。

 所有するC100は屋内保管だったからか、ガソリンが腐っていても、ネチョネチョのワニス状、タール状にはなりにくかったようで、ガソリンタンク内部のサビが、薄っすらと始まっている程度でした。

 今回は、タンク内のサビを除去する専用クリーナーケミカルを利用せず、ママレモンなどの中性洗剤+お湯で、一晩浸し続けた後に、水道水ですすぎ洗いしただけで、薄っすらなサビと汚れは洗い流せました。薄っすらサビが出始めたことに気が付いたオーナーさんは、スーパーカブに限らず、是非、試してください。わずかなサビの発生が、キャブレター不調を招いてしまいますからね。

■薄汚れたエンジン部品は焼き付け乾燥でリフレッシュ

 このC100は、エンジンまわりのクリーニングに苦労しました。クランクケース周りやエンジン周辺の見え難い部分(フレームの陰など)のコンディションが、かなり酷かったです。

 農道や田んぼの畦道を走らせていたカブだと思われますが、洗車だけでは簡単に落ちないドロ汚れが強烈でした。エンジンを降ろすと、クランクケース周辺には地層のようなドロの堆積物があったほどです。

分解したピストンはSTDサイズでしたが、小排気量車はわずかなオーバーサイズでも圧縮圧力が高まりパンチ感が出る=ピストンクリアランスが規定値へ戻るのが良いのです。今回は純正の075オーバーサイズピストンとリングへ交換しました。取材協力/iB井上ボーリング分解したピストンはSTDサイズでしたが、小排気量車はわずかなオーバーサイズでも圧縮圧力が高まりパンチ感が出る=ピストンクリアランスが規定値へ戻るのが良いのです。今回は純正の075オーバーサイズピストンとリングへ交換しました。取材協力/iB井上ボーリング

 そんなコンディションだったエンジンは、シリンダーヘッドとシリンダー&ピストンの腰上部品を分解し、iB井上ボーリングさんへ内燃機加工をお願いしました。クランクケースカバー類も取り外し、エンジン腰下は、外側からできる可能な限りの部品洗浄を行いました。

カバーを取り外した時に、内側の汚れ方からして「50年以上!? ノーメンテだった!?」様子を伺い知れる汚れ方でした。しかし、ご覧の通り美しい仕上がりになりましたカバーを取り外した時に、内側の汚れ方からして「50年以上!? ノーメンテだった!?」様子を伺い知れる汚れ方でした。しかし、ご覧の通り美しい仕上がりになりました

 内燃機加工を終えたシリンダーヘッドやシリンダー、そして、シルバーのエンジンカバーは、焼き付けペイントで美しく仕上げることができました。ペイント前には、サンドブラストで前処理を行いました。

 このペイント前処理が、いわゆる「足付け」と呼ばれる作業で、ペイント膜の食いつきが良くなります。ペイントはお手軽な缶スプレーを利用しました。デイトナから発売されている「耐熱ペイント・エンジン用」のブラックとシルバーになります。

カーベックから発売されている小型乾燥機「CVジュニア」は様々な場面で利用できる優れものです。ペイントの焼き付け乾燥だけではなく、固着したブレーキキャリパーピストンを分解する際にも使い勝手は良好です。取材協力/カーベックカーベックから発売されている小型乾燥機「CVジュニア」は様々な場面で利用できる優れものです。ペイントの焼き付け乾燥だけではなく、固着したブレーキキャリパーピストンを分解する際にも使い勝手は良好です。取材協力/カーベック

 エンジン始動後の熱で温め「焼き付け乾燥できる」缶スプレーですが、ここでは、もっと確実な方法で、ペイント後の部品を焼き付け乾燥させました。カーベックから発売されている高温小型乾燥機「CVジュニア」がそれです。

 CVジュニアは、台所で使うようなオーブントースターの「二階建て」タイプで、最大210℃の温度設定で、ダイヤル式のタイマーは最大で1時間。常時通電可能なセレクトもあります。シリンダーもカバーも、いずれも140℃設定で、付属の簡易温度計が140℃に達してから1時間のタイマーを掛けて、その作業を2回繰り返し行いました。この焼き付け乾燥をしっかり行うことで、耐ガソリン性や耐溶剤性が高まり、美しさが長続きします。

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