原付免許を取得した後に普通自動車免許を取得したら、免許2枚持ちになるのか？

ライダーの中には、「まずは原付免許を取得してバイクの運転に慣れた後、ステップアップして大型二輪免許等を取得しよう」と考える人も少なくないかもしれません。では原付免許取得後にクルマの免許や大型二輪免許を取得した場合、免許は二枚持ちになるのでしょうか。

■新たに追加で運転免許を取得したら、免許証は二枚になる？

　生活の足のために、原付の免許を取得。しかし環境の変化などにより、何年か経過したのちに普通自動車免許を取得したという人も多いのではないでしょうか。とくにバイク乗りの場合、運転に慣れてきたなどの理由によってステップアップを試み、原付や小型自動二輪を所有した後に、新たに大型自動二輪免許や普通自動二輪を追加で取得したという人は少なくありません。

　このように追加で免許を取得した際、気になるのが免許証の枚数について。新たに免許を取得すると、免許証の枚数が増えて二枚、三枚と増えていくことになるのでしょうか。

運転免許証を所持するのは、一人に一枚と決まっている

　実は、運転免許証は一人に一枚と決まっています。すでに免許証を所有している状態で新たに免許を取得すると、すでに所有している免許証に追加で取得した旨を記載する、「併記申請」というものをおこない免許証を再発行することになります。そのため、免許を追加することによって免許が複数枚になることはありません。

　なお、併記申請は最寄りの運転免許センターでおこなうことができます。

　たとえば原付の免許を所有している状態で普通自動車免許を取得した場合、免許証の表面下部にある表に「普通」と「原付」が表記された免許証を、新たに発行してもらうことができるという仕組みです。

　もしも誤って併記申請をせず、免許証を発行した場合は二枚になってしまう可能性があります。しかし、先述の通り免許証は一人一枚と定められているので、新たに免許を取得した際は併記申請が必須です。

　過去には免許証を紛失したと偽り、二枚以上取得してクルマを運転していたことで逮捕に至った事例も。免許証を二枚持って「一枚は原付に載せておいてもう一枚はクルマに…」などと使い分けようとは考えず、きちんと一枚にしておくことが求められます。

併記申請をおこなうと、申請した時点から新たな有効期限が開始するため、免許証の有効期限が3年または5年延長することになる

　ちなみに併記申請をおこなうと、申請した時点から新たな有効期限が開始するため、免許証の有効期限が3年または5年延長することになります。

　有効期限が延長される年数の違いは、併記申請をするまでの過去5年間に、何点の違反行為が何回あったかによって変わります。また過去5年間の間に、無違反かつ危険運転致死傷罪などがなければ、併記申請した時点でゴールド免許へと変わります。

　併記申請をして免許の有効期限が3年の延長であったとしても、免許更新の手間を先延ばしにできる点は、併記申請する際の大きなメリットと言えるでしょう

　また、併記申請をする意味は他にもあります。

　たとえばバイクの場合、大型自動二輪の免許を取得していれば、普通自動二輪や小型自動二輪なども運転できるといった「付帯免許」があります。また、普通自動車運転免許を所持している場合、付帯して原付の運転も可能となります。

普通自動車運転免許を所持している場合、付帯して原付の運転も可能となる

　そのため、「普通自動車免許を取得した際にわざわざ併記申請しなくても、車の免許証だけ発行すればよいのでは…」と考える人も少なくないかもしれません。しかし実は、免許証下部の表に示されている普通や原付といった文字は、過去に試験を受けて取得した免許が記されます。つまり最初から普通自動車免許を取得した場合、「原付」と表記されることはありません。

　原付免許を所有したのちに普通自動車免許を併記申請した場合は、原付の文字も表示されることになります。つまり、試験を受けて取得したことがある免許の履歴としても確認ができるようになるというわけです。

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　乗り物の運転免許を数多く取得したとしても、所有する免許証は一枚のみとなり、二枚持つことは原則許されていません。そのため、新たに免許を取得した際は併記申請をしっかりとおこない、免許証一枚で取得した免許が全て把握できるようにしておきましょう。