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カワサキ「Z2」旧車の鬼門は、怖いのはやはり電気系 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.15

バイクのニュース / 2024年9月27日 7時10分

メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在と言えるのがカワサキZ1/Z2シリーズです。バイク仲間の友人が、長年所有し続けてきた1975年式750RSを購入して、将来的にはフルレストアで仕上げてみようと考えているのが、この企画になります。旧車にとっては、ある意味鬼門と呼べるのが電気系のコンディション。調子良く走れるからと、そのままで良いとは限らないのが、電気系の中でもメインハーネスやその周辺パーツだと思います。転ばぬ先の杖として、メインハーネスを交換することにしました。

■旧車の電装部品は、何が起こっても不思議ではない

 旧車を走らせていて、コンビニやドライブインへ立ち寄ると、その場に居合わせたライダーから問われる内容の中で、特に多いのが「電気系は大丈夫ですか!?」といった質問です。確かに、電気に弱いのが旧車だと思います。とはいえ、単純かつシンプルだからこそ、予備予防メンテナンスしやすいのも旧車の特徴です。旧車を購入したときには、なるべく早いうちにコンディションを把握し、状況に応じて、確実に対処しておきたいのが電気系部品だと思います。

前オーナーから預かったときと比べて各部はかなり充実したメンテナンス状況になってきました。1975年式のカワサキ750RS/Z2-A後期モデルですが、輸出900/Z1の同年式は型式がZ1-Bとなります。フレーム骨格などなども新規ペイントで仕上げたいです!!前オーナーから預かったときと比べて各部はかなり充実したメンテナンス状況になってきました。1975年式のカワサキ750RS/Z2-A後期モデルですが、輸出900/Z1の同年式は型式がZ1-Bとなります。フレーム骨格などなども新規ペイントで仕上げたいです!!

 特に、人間でいうところの「血管や神経」と同じ働きをしているのが、バイクにとっての「メインハーネス」だと言えます。経年変化や劣化によって、時に導通不良を起こしてしまい、本来の機能を果たせなくなってしまうこともあります。

ドレミコレクションから発売されているZ1用メインハーネスキット。数社からメインハーネスが発売されていましたが、ドレミ製の強化タイプと呼ばれる商品は端子のカシメがしっかりしていて好評だと伺いました。複製ハーネスは端子のカシメが甘いとトラブルの原因になりますドレミコレクションから発売されているZ1用メインハーネスキット。数社からメインハーネスが発売されていましたが、ドレミ製の強化タイプと呼ばれる商品は端子のカシメがしっかりしていて好評だと伺いました。複製ハーネスは端子のカシメが甘いとトラブルの原因になります

 特定箇所が完全に切れてしまうのならまだしも(完全な断線ならテスターで同通チェックすれば原因を素早く突き止めることができます)、「切れたり導通したり」が不定期的に繰り返される厄介な症状になると、そんなトラブルの根源を発見するまでに時間が掛かり、とにかく大変なことになってしまいます。

所有するZ2に装着されていたカワサキ純正メインハーネス。保護チューブがやや硬いものの劣化したプラスチックのようにはなっておらず正直、まだまだ使える印象でした。Z1もZ2も年式に違いが無ければメインハーネスには互換性があるようです。個人的にはそう思いました所有するZ2に装着されていたカワサキ純正メインハーネス。保護チューブがやや硬いものの劣化したプラスチックのようにはなっておらず正直、まだまだ使える印象でした。Z1もZ2も年式に違いが無ければメインハーネスには互換性があるようです。個人的にはそう思いました

 例えば、走行中に突然エンジンストップしてしまうことがあります。「あれっ!? まいったな……」と路肩に停車。右往左往しているうちに、気が付くと何事も無かったかのようにエンジン始動? その後は、普段と何ひとつ変わらず走れてしまうようなケース、ありますよね。

リア側ハーネスに接続されていたコネクターカプラや端子を抜き取るのと同時に、新規ハーネスのリア側を取り回していくことでスムーズに交換できます。旧ハーネスをすべて取り外してしまうと、新規ハーネスの取り回すレイアウトを間違えてしまうこともありますので要注意ですリア側ハーネスに接続されていたコネクターカプラや端子を抜き取るのと同時に、新規ハーネスのリア側を取り回していくことでスムーズに交換できます。旧ハーネスをすべて取り外してしまうと、新規ハーネスの取り回すレイアウトを間違えてしまうこともありますので要注意です

 そんなトラブルに遭遇した時には、電気系の接触不良やハーネス内部の断線も考えられます。また、熱を持つことでコンディションが低下してしまう部品もあります。例えば、イグニッションコイルやポイントのコンデンサなども、疑うべき部品と言えます。いすれにしても、徹底的な確認点検作業が必要になのは言うまでもありません。

■単純なカプラの抜き差しだけでも予防メンテナンスになる!?

 ヘッドライト本体を取り外し、ライトケース内部の状況を確認してみるのも良いことです。それだけでもトラブル予防になります。

ヘッドライトケース内の端子やカプラを引き抜く際には、メインハーネス側のハーネス色と二次側=スイッチ側のハーネス色が合致しているか、事前にしっかり確認しないといけません。デジカメや携帯カメラで分解前の接続状況を撮影しておくのも良いアイデアですんヘッドライトケース内の端子やカプラを引き抜く際には、メインハーネス側のハーネス色と二次側=スイッチ側のハーネス色が合致しているか、事前にしっかり確認しないといけません。デジカメや携帯カメラで分解前の接続状況を撮影しておくのも良いアイデアですん

 配線のコネクターカプラが抜けかかっていたり、ギボシ端子が腐食によって導通不良を起こしているケースも珍しくありません。

 サイドカバーの内側やシート下も要注意ポイントと言えます。フューズ関連カプラやレギュレータ関係カプラを引き抜くと、樹脂製カプラが焼けて変形変色していたり、明らかにハーネス被服が溶けていることもあります。そのような状況を目の当たりにしたら、腰を据えた本格的な点検&メンテナンスが必要不可欠です。時には、メインキー本体の内部基盤内でハンダが落ち、ハーネスがショートししまうこともあります。そんなトラブル時には、メインキーをONにするのと同時に、フューズが飛んでしまいます。ぼくが過去にメンテナンスした車両には、そのようなトラブルが何度もありました。

 部分的な修復が可能な箇所なら良いですが、特に、充電系やヘッドライト系のような大電流が流れるハーネスの場合は、保護チューブ内部のハーネス被服が焼け溶け、周囲のハーネスにダメージを与えているケースも珍しくありません。特に、電気的なモディファイ=改造を施しているカスタムマシンなどは、各部が正常に作動し、各カプラの接続部分や露出したハーネス被服に焼けや溶けなどが発生していないか!? 必ず確認しましょう。

ステアリングの脇をグルッと回りヘッドライトケース内に収まるメインハーネスの可動部は、保護カバーがよじれないように取り回してからカプラや端子を接続。この部分がよじれてしまうと、保護チューブ内に束ねられたハーネスが引っ張られて断線してしまう原因になもりますステアリングの脇をグルッと回りヘッドライトケース内に収まるメインハーネスの可動部は、保護カバーがよじれないように取り回してからカプラや端子を接続。この部分がよじれてしまうと、保護チューブ内に束ねられたハーネスが引っ張られて断線してしまう原因になもります

 750RS/Z2用に、ここではカワサキZ1用のドレミコレクション製メインハーネスを購入しました。国内Z2用と比べると操作仕様に違いは無く、ヘッドライト系は、ディマスイッチの結線で派生仕様を変更しているようなので、そのまま使えることがわかりました。

 ここでは、メインハーネスのみ交換しましたが(ジェネレータハーネスはすでに自作部品へと交換済み)、将来的には、メーターインジケータハーネスも交換したいと思います。ちなみにメーター用サブハーネスは、Z1用に対してZ2用には速度警告灯信号線(茶線に黄色線)が追加されているので、交換時には、同色配線を新規追加することで国内仕様メーターに対応することができるようです。

 電装系部品を含めて「当時物部品」にこだわる旧車ファンが数多くいますが、電装部品は経年劣化で何が起こるかわかりません。大切な部品なら、敢えて取り外して保管し、高品質な新品部品や複製部品に交換することをお勧めします。そのほうが間違いなく気持ち良く走れるとぼくは思います。

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