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日本GP直前! レプソル・ホンダの30年を彩ってきた最強マシンたち。その輝かしい戦績を振り返る

バイクのニュース / 2024年9月30日 17時10分

MotoGPに参戦するホンダとレプソルのパートナーシップが2024年いっぱいで終了することが発表され、オレンジとブルーが基調のレプソル・カラーは、国内に住む多くのファンにとってこの日本GPで見納めになる。長らく強さの象徴であり続けたマシンの中からとりわけ強い印象を残した何台かをピックアップする。

■長らく強さの象徴であり続けたレプソル・カラー

 9月初め、MotoGPに参戦するホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)とレプソルのパートナーシップが、2024年いっぱいで終了することが発表された。

MotoGPに参戦するHRCとレプソルのパートナーシップが、2024年いっぱいで終了することが発表されたMotoGPに参戦するHRCとレプソルのパートナーシップが、2024年いっぱいで終了することが発表された

 1995年から続く常勝メーカーとスペインの総合エネルギー企業とのタッグは30年に及び、その内の計18年でコンストラクターズタイトルを獲得。レプソル・カラーのマシンを走らせたライダーがのべ15回、プレミアムクラス王者に輝いてきた。

 長らく強さの象徴であり続けたオレンジとブルーが基調のレプソル・カラーは、国内に住む多くのファンにとってこの日本GPで見納めになるが、とりわけ強い印象を残した何台かをピックアップしてみよう。

■レプソル・ホンダの3人で15戦全勝の偉業を達成

【1997年型 NSR500】

年間12勝を記録したチャンピオン、#1ミック・ドゥーハンは「NSR500」を華麗に乗りこなした年間12勝を記録したチャンピオン、#1ミック・ドゥーハンは「NSR500」を華麗に乗りこなした

 ミック・ドゥーハンが12戦で勝利し、ジャコモ・アゴスチーニが持っていた当時の年間最多勝記録を塗り替えた(現在の記録は2014年にマルク・マルケスが挙げた13勝)マシン。残り3戦もチームメイトのアレックス・クリビーレ(2勝)と岡田忠之(1勝)が制し、15戦全勝という偉業を成し遂げた。

「NSR500」に搭載されていた等間隔爆発エンジン「NSR500」に搭載されていた等間隔爆発エンジン

 ドゥーハンはトラクション性能向上を狙った68°不等間隔近接同爆の“ビッグバン”エンジンを武器に、すでに1994年から500ccクラスを3連覇していたが、この年は等間隔爆発の“スクリーマー”を選択。電子制御の進化もあって納得できる出力特性を得られたため、パワーを出すのに有利なエンジンを選んだとされるが、実際には前年にドゥーハンを直接対決で2度下したクリビーレ、念願のV4を得た岡田らに心理戦を仕掛ける意味合いもあった。

15勝/全15戦 ミック・ドゥーハン(12勝)、アレックス・クリビーレ(2勝)、岡田忠之(1勝)
ライダーズチャンピオン:ミック・ドゥーハン
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ

■V5エンジン+ユニットプロリンクでMotoGP元年を制覇

【2002年型 RC211V】

2002年型 RC211V2002年型 RC211V

 4ストローク990ccと2ストローク500ccが混走したMotoGPクラス元年に登場した、新レギュレーションに対するホンダの最適解。

 3気筒以下135kg、4気筒・5気筒145kg、6気筒155kgという4ストローク車のエンジン気筒数と最低重量の関係から最も競争力が高いと判断してV型5気筒をチョイス。4気筒のヤマハ、スズキらより1気筒多いため、高回転・高出力化しやすく、パワー面で優位に立った。またバンク角を75.5°とすることで一次振動を消せ、前側中央気筒を軸に小さくまとまった左右対称のエンジンは、パッケージングにも好影響をもたらした。

 メインフレームに路面からの反力を直接伝えず、スイングアームが独立した動きをするユニットプロリンクサスペンションの採用で剛性設定の自由度が増し、優れた旋回性と穏やかなスライドコントロール性を実現。バレンティーノ・ロッシが11勝、宇川徹が1勝とレプソル・ホンダだけで12勝を挙げ、終盤4戦だけRC211Vを与えられたウェスト・ホンダ・ポンスのアレックス・バロスも2勝。16戦中14勝と他を圧倒した。

14勝/全16戦 バレンティーノ・ロッシ(11勝)、宇川徹(1勝)、アレックス・バロス(2勝)
ライダーズチャンピオン:バレンティーノ・ロッシ
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ

■990cc最終年、“ニュージェネレーション”で王座奪還

【2006年型 RC211V】

ニッキー・ヘイデンにのみ“ニュージェネレーション”と呼ばれる完全新設計の2006年型RC211Vを供給したニッキー・ヘイデンにのみ“ニュージェネレーション”と呼ばれる完全新設計の2006年型RC211Vを供給した

 990cc最終年、王座奪還に向けてエースのニッキー・ヘイデンにのみ“ニュージェネレーション”と呼ばれる完全新設計のマシンを供給。2勝を含む10回の表彰台でチャンピオンを掴んだ。

 ブレーキング時の安定性能、コーナーでの旋回性能、立ち上がり時の加速性能を高める車体構成にするため、バンク角75.5°のV5という点こそ一緒ながらエンジンをコンパクト化。前後長を短縮したエンジンを前方に移動することでスイングアーム延長が可能になり、バランスの良いマシンに仕上がった。

 一方、MotoGPルーキーのダニ・ペドロサは従来型を正常進化させた“オリジナル”を駆って2勝。サテライトのフォルトゥナ・ホンダ・グレシーニに所属するマルコ・メランドリ(3勝)とトニ・エリアス(1勝)も勝ち、ホンダ勢で17戦中8勝。異なるコンセプトのマシンを同時開発して結果を出し、常勝メーカーの底力を感じさせた。

8勝/全17戦 ニッキー・ヘイデン(2勝)、ダニ・ペドロサ(2勝)、マルコ・メランドリ(3勝)、トニ・エリアス(1勝)
ライダーズチャンピオン:ニッキー・ヘイデン
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ

■800cc時代で唯一。2006年以来5年ぶりの三冠に輝く

【2011年型 RC212V】

新加入のケーシー・ストーナーが10勝を挙げた2011年型RC212V新加入のケーシー・ストーナーが10勝を挙げた2011年型RC212V

 2007年に排気量上限が800ccに引き下げられたのに伴い、5気筒の最低重量が4気筒に対して7.5kg重くなって優位性が失われたため、RC212Vはバンク角78°のV型4気筒を採用した。かつてない車体の小型化が裏目に出てセッティングがシビアになり過ぎたこともあり、4年続けてタイトルを逃したが、2011年に地道な開発が実を結んだ。

 金属バルブスプリングの代わりに圧縮空気(窒素)でバルブを駆動し、高回転・高出力化を実現するニューマチックバルブを2008年、シフトチェンジ時のロスとショックを抑えるシームレスミッションを2009年に導入。マシン全体の制御も煮詰めて迎えたこの年は、新加入のケーシー・ストーナーが10勝、ペドロサが3勝を挙げ、レプソル・ホンダとして2006年以来となるライダーズ&チームチャンピオンを獲得。ホンダとしても全クラス合わせて60回目となるコンストラクターズタイトルを決め、三冠に輝いた。

13勝/全17戦 ケーシー・ストーナー(10勝)、ダニ・ペドロサ(3勝)
ライダーズチャンピオン:ケーシー・ストーナー
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ

■マルケスがMotoGP歴代最高得点の420ポイント獲得

【2019年型 RC213V】

2019年型 RC213V2019年型 RC213V

 2012年の1000cc化に合わせて最大気筒数が4に定められたため、バンク角90°のV4を選択したRC213Vは、マルク・マルケスを通算6回(2013〜2014年、2016〜2019年)の最高峰王者に導いた。

 とりわけ2019年は、19戦中12勝、リタイア1回を除いたそれ以外のレースは全て2位という凄まじい成績で、MotoGP歴代最高得点の年間420ポイントを稼ぎ出した。

 コーナー進入や立ち上がりでのトラクション性能向上を狙った逆回転クランクを2016年、扱いやすさを求めた不等間隔爆発のエンジンを2017年に投入。ドゥカティが先鞭をつけた空力デバイスの追加など、それまでも改良を加えてきたが、2019年型はエンジンへの吸気経路をストレート化。

 ステアリングヘッド真ん中を通すことでエンジンパフォーマンスが上がる一方で、新しいフロントまわりは剛性が高過ぎ、ハードにブレーキングするマルケス以外のライダーは接地感を得にくいという問題が発生。“マルケス・スペシャル”と揶揄する声もあった。

2019年は19戦中12勝、MotoGP歴代最高得点の年間420ポイントを稼ぎ出したマルク・マルケス2019年は19戦中12勝、MotoGP歴代最高得点の年間420ポイントを稼ぎ出したマルク・マルケス

12勝/全19戦 マルク・マルケス(12勝)
ライダーズチャンピオン:マルク・マルケス
コンストラクターズチャンピオン:ホンダ

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