一体どっちが事実!? スーパーカブがなくなるって噂は本当?ウソ?
バイクのニュース / 2024年10月2日 12時10分
2025年の排ガス規制によってスーパーカブがなくなってしまうという噂がささやかれていますが、これは事実なのでしょうか。
■スーパーカブがなくなるって噂は本当?ウソ?
今年になって「ホンダが50ccの原付バイクの生産を終了する」というニュースが、ネットやTVなどのメディアで報じられています。
2025年11月に控えている原付一種の排ガス規制で、販売終了するのは50ccモデルの「スーパーカブ50」
これは、2025年11月に控えている原付一種の排ガス規制によるもので、50ccを販売する他社も例外なく足並みを揃える流れになりそうです。したがって、長らく庶民の足として愛されてきた原付バイクは事実上、来年の10月末までにすべて消滅することになります。
そうしたなか、「スーパーカブがなくなる」という噂がまことしやかに巷でささやかれています。スーパーカブといえば知らない人がいないほど有名なホンダの看板機種です。本当になくなってしまうのでしょうか。
はじめに真相を伝えておくと、来年の11月に導入される排ガス規制の対象は50cc以下のエンジンを搭載したバイクが対象なので、スーパーカブの全てのモデルがなくなるということはありません。
スーパーカブは同じ車体を使った50ccと110ccのモデルがある
というのも、現行のスーパーカブは同じ車体を使った50ccと110ccのモデルがあり、なくなるのは50ccモデルの「スーパーカブ50」だけです。つまり、110ccモデルの「スーパーカブ110」はこれまでどおり生産が継続されます。
また、カブシリーズには「クロスカブ」と「スーパーカブ プロ」の2車種も、50ccと110ccのモデルがありますが、これらも生産が終了するのは50ccモデルのみで110ccモデルは残るというわけです。
ではなぜこのような噂が広まったかというと、ホンダが50ccの原付バイクの生産を終了するというニュースが流れたとき、「伝統のスーパーカブが消滅する」というような表現で報じられた例があったからです。
1958年発売の「スーパーカブC100」
また、スーパーカブの初代である1958年発売の「スーパーカブC100」は50ccモデルです。そのため、昭和の時代から原付をリードしてきたスーパーカブ(=50ccバイク)というイメージが強くあり、そういった要因が重なって噂が広がったのかもしれません。
いずれにしても、スーパーカブがなくなるというのは50ccモデルについてであり、来年以降も110ccのスーパーカブは生産継続される予定です。
■原付免許で乗れる「新基準原付」が導入される予定
そうなると、原付免許で乗れるバイクがほとんどなくなってしまうのではないか、と不安を感じる人もいますが、この点に関しても心配は不要です。
それは、2025年11月の原付一種の排ガス規制にともない、原付免許で乗れる「新基準原付」の導入について法改正が予定されているから。
新基準原付とは、総排気量125cc以下の原付二種を、最高出力4kW(5.4PS)以下に制限したバイクのこと
新基準原付とは、総排気量125cc以下の原付二種を、最高出力4kW(5.4PS)以下に制限したバイクのことで、これまでの原付免許があれば乗車できます。また、制限速度30km/hや二段階右折など、ルールについても従来の原付と同じものに基づきます。
いまのところ明確な導入時期は未定ですが、順当に進めば原付の排ガス規制が適用される前の2025年10月末までには法改正がおこなわれる見込みです。それに合わせて各メーカーも新基準原付に適合したモデルの準備が進められていくとみられます。
新基準原付が導入されるにあたって、原付ユーザーの心配ごとといえば使い勝手の違いかもしれません。ほとんどの原付二種は2人乗りを想定しているため、原付よりもひと回り車体が大きいうえ重くなっています。
原付二種をそのまま流用した新基準原付だと、取り回しや足つきなどの点で、とくに小柄な女性などは不安を感じるかもしれません。
スーパーカブ110は50ccモデルと同じ車体を使っているので、新基準原付になっても乗り心地はさほど変わらない
しかし、スーパーカブ110は50ccモデルと同じ車体を使っているので、新基準原付になっても乗り心地はさほど変わらないと考えられます。実際に、2023年9月に実施された現行原付と新基準原付の性能を比較した実験では、50ccと110ccでは乗り心地に大差がないという声が多く聞かれました。
これにより、50ccのカブユーザーも安心して新基準原付のスーパーカブに乗ることができそうです。
なお、来年で生産が終了するスーパーカブ50ですが、ファイナルエディションもしくは、なんらかの最終記念モデルが設定される模様です。ひと味違った雰囲気の50ccカブを手に入れる最後のチャンスかもしれません。
いつ登場するかは未定ですが、最終モデルのカブが欲しい人は小まめに情報をチェックしてみるとよいでしょう。
※ ※ ※
排ガス規制によって50ccのエンジンを積んだ原付バイクの生産が終了します。これにより、60年以上続いた50ccのカブは歴史に幕を下ろすことになりますが、110ccモデルはこれまで通り販売されるため、スーパーカブがなくなることはありません。
50ccのカブがなくなるのは悲しいことですが、今後はスーパーカブ110とその新基準原付によってカブの伝統は受け継がれていくことになると言えます。
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