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法的拘束力はある? 私有地の駐車禁止の標識

バイクのニュース / 2024年10月14日 13時10分

「駐車禁止」という標識が設置されている私有地を多く見かけますが、こういった標識には法的拘束力はあるのでしょうか。

■多くのライダーが難航する、バイクの駐輪場探し

 バイクの駐輪場はクルマの駐車場に比べると圧倒的に数が少ないことから、駐輪場探しに苦戦しがちです。そもそもバイクの駐輪場数が少ない要因は、2006年に道路交通法が改正される前まで、バイクは路上駐車や歩道に駐車していても、あまり咎められなかったことにあると言われています。

 そのため、ほとんどの施設にバイク駐輪場が設置されていないという状況の中、路上駐車されたバイクに対して厳しく取り締まりがおこなわれ始めました。

 するとバイクを私有地へ無断駐車する台数が増え、これが「バイクの駐輪場問題」としてニュースなどで取り上げられています。

 こういったことから、私有地には「無断駐車禁止」などの標識や貼り紙をするなどの対策が必要となりましたが、私有地の駐車禁止の標識などには法的拘束力はあるのでしょうか。

私有地の駐車禁止の標識や張り紙などは、法的拘束力はない私有地の駐車禁止の標識や張り紙などは、法的拘束力はない

 まず道路や歩道上での駐車違反行為をした場合、違反行為に対しての処罰などを定めたルールが「道路交通法」。

 しかし、私有地は道路や歩道ではないことから道路交通法の管轄外となるため、道路交通法と同様の処罰が下されることはありません。したがって、私有地の駐車禁止の標識や張り紙などは、法的拘束力はないということになります。

 もし自身の土地にバイクなどが無断駐車されていた場合、勝手にバイクを触るなどして別の場所へ移動させたり、移動させたことにより、万が一バイクに傷を付けてしまうとバイクの所有者から器物損壊として扱われ、損害賠償を求められる可能性も否めません。

 また、法的手続きを行わずに勝手に無断駐車されたバイクをレッカーで移動させたり、移動できないようタイヤをロックしたりすることも認められていないため、私有地の所有者は注意喚起をおこなったり、無断駐車されないような設備を導入するしかありません。

法的手続きを行わずに勝手に無断駐車されたバイクをレッカーで移動させたり、移動できないようタイヤをロックしたりすることは認められていない法的手続きを行わずに勝手に無断駐車されたバイクをレッカーで移動させたり、移動できないようタイヤをロックしたりすることは認められていない

 こうして見ると、無断駐車をした側が優位な立場にあるように思えます。しかし、私有地の所有者が無断駐車されたバイクに安易に手出しできないからといって、無断駐車をすることは決して認められていません。

 なぜなら、私有地への迷惑行為である為。たとえば、駐車をおこなう場所がマンションやアパートなどの共有スペースであっても、駐輪場以外の場所に停めることや駐車を許可されていないバイクの駐車は、私有地の所有者だけでなく他のマンションの住人にも迷惑をかけることになります。
 
 そのためライダーには、ほんの一時的な駐車であったとしても私有地の所有者に駐車の許可を取るか、または停めても問題のない場所やバイク用コインパーキングなどを探すといった、モラルやマナーを守った行動をとることが求められます。

駐輪場が設置されていたとしても、排気量制限があり原付しか停められないなどといったケースもある駐輪場が設置されていたとしても、排気量制限があり原付しか停められないなどといったケースもある

 また、今でこそ各所に駐輪場が増えてきているものの、出先で駐輪場が見つからない、引っ越し先に駐輪場がないなどの問題に陥ることが多いライダーも少なくありません。

 駐輪場が設置されていたとしても、排気量制限があり原付しか停められないなどといったケースもあるため、すべてのバイクに対応した駐輪場はまだまだ数が少なく、不便であることには変わりはないのが実情です。

 なお、出先で間違っても無断駐車をしないようにするためには、移動先に利用可能な駐輪場があるかどうかだけでなく、愛車がその駐輪場に対応しているかを確認することも重要。

 また利用しようとしていた駐輪場が埋まってしまっていて利用できないという場合もあるので、少なくとも駐輪場を2箇所は事前に確認しておくとよいでしょう。

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