このバイク何cc!? バイクでよく聞く「排気量」って何?
バイクのニュース / 2024年10月11日 9時10分
バイクを購入する上で、カタログやメーカーのサイトに目を通す人も多いはず。そういった場合に必ずと言っていいほど「排気量」という言葉を目にしますが、そもそも排気量とは何を表しているのでしょうか。
■バイクのカタログに必ず記載されている「排気量」は何を示している?
一般的に、バイクの排気量が大きくなるほどエンジンがパワフルになり、車体が大きくなります。また排気量によって免許の区分が決まってくるため、バイクを選ぶときの一つの目安にしているという人も多いでしょう。
排気量とは、エンジンが一度に吸い込める混合気の容積のこと
このようにバイクに乗っているとよく耳にする「排気量」という言葉ですが、具体的にエンジンのどこの大きさを表す数字なのか、説明できる人は少ないかもしれません。排気量はバイクの中核といえるエンジンと密接にかかわるものなので、その仕組みを覚えておくとそのバイクの特徴を知るのに役立ちます。
ではバイクの「排気量」は、いったい何を表しているのでしょうか。
排気量とは、エンジンが一度に吸い込める混合気の容積のことです。エンジンは、空気とガソリンを混ぜた混合気をシリンダーに取り込み圧縮して爆発させ、その動力でタイヤを動かしています。
シリンダーは丸い筒状になっており、中のピストンが高速で往復運動をして爆発を繰り返して動力を得ています。つまり、排気量はこのピストンの下から上に押し上げるときの混合気の容積のことを指すというわけです。これは、注射器のしくみを思い浮かべてみるとイメージしやすいかもしれません。
メーカーのスペック表には「内径×行程(ボア×ストローク)」という、シリンダー内の大きさを表す項目がある(CB650R)
またメーカーのスペック表には「内径×行程(ボア×ストローク)」という、シリンダー内の大きさを表す項目があります。内径はシリンダーの直径を表し、行程はピストンの移動する距離を表しています。
したがってシリンダーの容積は、「半径×半径×3.14(円周率)×行程」で求めることができ、これが排気量になるということです。
ただし、スペック表には単気筒や2気筒、4気筒などエンジンの種類を表す項目があります。気筒数はシリンダーの数を表しているので、単気筒ならシリンダーが1つ、2気筒ならシリンダーが2つというように、気筒数に応じた合計でバイクの総排気量が決まります。
たとえば400ccで4気筒なら、100ccのシリンダーが4つあるエンジンを搭載したバイク……ということになります。
シリンダーの形状はバイクの車種により形状が変わる
また、シリンダーの形状は同じではありません。バイクの出力特性はシリンダーの形状によっても変わってきます。内径よりも行程が長いシリンダーをロングストローク、内径よりも行程が短いシリンダーをショートストローク、内径と行程が同じ長さのシリンダーをスクエアストロークと呼びます。
ロングストローク型は回転数を上げるのが不得意で、最高速度よりもトルク重視のエンジン特性になっているため、実用車やストリートモデルのバイクに採用されることが多いです。
一方のショートストローク型は、低速でのトルクは苦手ですが最高出力を上げやすく高回転域重視のエンジン特性になっているので、スポーツモデルのバイクに多く採用されています。
■排気量の違いによるメリット・デメリットはある?
そして、シリンダーに吸い込む混合気が多いほど、爆発によって得られるエネルギーが大きくなります。つまり、総排気量が大きくなるほどエンジンがパワフルなバイクといえるでしょう。
400ccを超えるような大型バイクになると車体が大きく重くなり、どっしりと安定感があるので、高速道路や長距離を走るときには最適
とくに400ccを超えるような大型バイクになると車体が大きく重くなり、どっしりと安定感があるので、高速道路や長距離を走るシチュエーションに最適です。また、アクセルを少しひねるだけでグングンと加速する力強い走りは、小排気量のバイクではなかなか味わうことができません。
しかし、安定感がありパワフルな反面、どうしても取り回しや運転操作が難しくなるので、決して初心者向きのバイクとはいえません。また、排気量が大きくなるほどガソリンの消費量が多くなるので燃費が悪くなり、車両価格も高くなる傾向があります。
反対に、排気量が小さくなるほどパワーは劣りますが、車体が軽くコンパクトになるので小回りが利き、取り回しがしやすくなるバイクが多いです。燃費もよくなる傾向があり、車種によってはガソリン1リットルあたり50km以上走れるモデルもあります。
※ ※ ※
バイクの排気量とはエンジンが一度に吸い込める混合気の容積のことで、気筒数の合計で総排気量が決まります。
排気量の大きい大型バイクは圧倒的なパワーがあるものの、扱いが難しいモデルも多く初心者向きとはいえません。はじめのうちは自分の技量にあった排気量のバイクを選び、徐々にステップアップしていくのがバイクライフを楽しむコツかもしれません。
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