カワサキ「Z2」メーター故障や不調の9割は「振動」が原因です 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.17
バイクのニュース / 2024年10月11日 7時10分
メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在と言えるのがカワサキZ1/Z2シリーズです。バイク仲間の友人が、長年所有し続けてきた1975年式750RSを購入して、将来的にはフルレストアで仕上げてみようと考えているのが、この企画になります。メインハーネスを交換したことで、時折不規則な作動になることがあった灯火ランプ類でしたが、部品交換後は操作通りに作動し、安心するようになりました。ここでは、メーター周りのサブハーネスを交換と同時に、後々のトラブルを回避するための対策として、マウントダンパーをDIY交換しました。
■メインハーネスに引き続きメーターハーネスも交換
まったく関係が無い部分のインジケータランプが点灯するなど、走りそのものには影響が無い部分でも、電気的に今イチ不安定だったので、強化型と呼ばれるメインハーネスに交換したのが、わが「750RS/Z2」です。
1970年代当時としては、シルク印刷の透過照明式のメーター文字盤は、高性能ビッグバイクの象徴でもありました。インジケータランプが誤点灯したのでメインハーネスを交換しましたが、その後は誤作動もありません。メーターハーネスとともに完全リフレッシュです
部品交換後は、気になる症状が出ることは無く、不安感は、ほぼ解消することができました。将来的にも末長く所有することを考えた場合は、電気系、特に、メインハーネスにはコンディションが良い部品を使いたいものです。
ステアリングを左右に切ることで、首根っこのハーネスが、引っ張られたり、押し付けられたりするのがメインハーネスの宿命です。
さらに経年変化によって、ビニール製の保護チューブがカチカチに硬化し、割れてしまうこともあります。こんなコンディションになることによって、メインハーネスが部分的に断線してしまったり、アース不良を起こしてしまうなどが起因となって、誤作動が発生します。
気になる部分を分解して仕上げていったときに、どうしても気になってしまったのがメーターハーネス(サブハーネス)とメーターマウント周辺のコンディションでした。計器をしっかり作動させるためには、確実な取り付けと電装系ハーネスの接続が重要になります
旧車をコンディション良く走らせるには、特に、電気系部品のコンディションには気を配りたいものです。カワサキZ2に限らず、過去にフルレストア経験したモデルに関しては、ほぼすべてのモデルで、メインハーネスは交換してきました。
750RS/Z2のメインハーネス交換時に気が付いたのが、メーター周りに組み込まれている、メーターインジケータハーネス=サブハーネスの劣化でした。まだまだ使える状況ではありますが、明らかに保護カバーのカチカチ劣化度は高まっている様子でした。近い将来、部品交換しておいた方が、間違い無く良いと思いました。
ドレミコレクション東京店にてメーターハーネスを購入しました。900Z1用のメーターインジケータハーネスとして販売されていた商品をベースに、ここでは国内750RS/Z2用の速度警告灯ハーネスを追加し、組み込むことにしました
そこで、メインハーネスの交換に引き続き、パーツコンストラクターからリプロ部品のインジケータハーネスを購入しました。LEDランプ仕様へと交換できるカスタムパーツもありましたが、ここでは、純正スタンダードと同じ「ガラスバルブ仕様」のサブハーネスを購入しました。同パーツは、Z1用として販売されている補修部品なので、国内仕様750RS/Z2に対応した「速度警告灯ハーネス」が組み込まれていません。
そこで、ハーネステープを剥がして、速度警告灯用の配線コードを2本、追加しました。ちなみに、速度警告灯を廃止=利用しないのであれば、購入したままのサブハーネスをそのまま結線することで、その他の機能的には、なんら問題無く使うことができます。
■メーター故障の原因は無用な振動発生に起因している
そんなインジケータハーネスを交換している際に、メーター本体のダンパーマウントゴム!? スポンジ!? が完全に潰れて「ヘタッている」ことに気が付きました。
メーターのマウントステーのメーター背面を受ける部分にはスポンジダンパーが接着固定されているが、どうやらこのダンパー機能がまったく効いていないことが判明しました。こんな状況で走らせている初期シリーズZ1/Z2は数多いと思われます
メーター本体を取り外したところ、メーターステーに接着貼付されているダンパースポンジが、すでにボロボロになっていました。初代Zシリーズの場合は、メーター本体取り付け部分の背面を全体的に受ける、ダンパーが取り付けられているようです。このあたりの装備は、初代Zシリーズ以前のモデル、例えばW1シリーズやマッハシリーズには見られなかった装備です。
メーターステーにしっかり貼付した5mm厚の硬質ウレタンスポンジシート。見た目イマイチですが、メーターを取り付ければまったく見えなくなってしまい機能的には問題ありません。メーター本体の揺れ防止&ダンパー機能は、手で揺すった感じではバッチリだと思います
しかし、このスポンジダンパーの補修部品は、メーカー純正で用意されていません(カワサキ純正部品として)、それだからなのか? リプロダクションパーツとしても、ラインナップされていませんでした。
仕方ありませんので、5mm厚の粘着テープ付き硬質ウレタンスポンジを購入しました。メーターステーの形状に合わせてスポンジをカットして、メーターステーに接着貼付しました。
メーター用サブハーネスを取り外そうとしたときに違和感があったのがメーター本体のマウントコンディションでした。Z1/Z2オーナーさんは自身の愛車に取り付けられているメーターを揺すって状態を確認してみましょう
この地道なクリーンナップ&新規スポンジの接着貼付作業によって、スピード&タコメーターのマウント状況は、一気に改善されたようです。メーターを鷲掴みにして揺すっても、以前のようにガタガタ動くことなく、しっかりダンパー機能がある様子は指先から伝わってきます。これでメーター本体のガタ付きとココロのモヤモヤが完全に解消できました。
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