昭和世代が懐かしい！昭和ライダーマシンのベースのバイクって知ってる？

世代を超えて多くの人々に愛される「仮面ライダー」シリーズは、作中でバイクが登場することでも有名です。ライダーが乗る車両にはいずれもベース車両がありますが、昭和時代の仮面ライダーでは、どのようなバイクがベース車両として使用されていたのでしょうか。

■数多くの名車を生み出した昭和の仮面ライダー

　親子で談義ができるほど国民的に知られている「仮面ライダー」。その歴史はかなり深く、初代仮面ライダーが放送されたのは1971年と50年以上の歴史を持っています。

　また作中には必ずバイクが登場することでも有名なので、バイクを見るのが楽しみで番組を観ていた人も多いかもしれません。では、昭和時代の仮面ライダーにはどのようなバイクがベース車両として使用されていたのでしょうか。

◆仮面ライダー1号『初代サイクロン号』▶︎スズキ「T20」

仮面ライダー1号『初代サイクロン号』使用したスズキ「T20」

　カフェレーサーのような特徴的なカウルを施したサイクロン号は、初代仮面ライダーが操縦するバイクの一つ。左右3本ずつ大きく飛び出したマフラーが目を惹くデザインとなっています。

　カウルで大半が覆われているため車種の識別が難しい上に、確実性のある記述が残っていませんが、スズキの「T20」がベースとして使用されているとの説が有力であるといわれています。T20はスズキ初のスーパースポーツ車として1965年に登場し、悪路走行も難なくこなし街乗りでも使いやすいと評判のバイクです。

　そして同作中には、サイクロン号がパワーアップした「改造サイクロン号」という名のバイクも登場します。改造サイクロン号のベースには、ホンダの「ドリームSL350」が使用されています。

　ドリームSL350は「山間原野をワイルドに駆ける」をキャッチコピーに掲げて登場したモデル。販売開始されたのは1970年とこちらも歴史のあるバイクですが、仮面ライダーが放送開始されたのが1971年であることから、使用されていた当時は最新のバイクであったことがわかります。

　カウルデザインや左右に飛び出した3本のマフラーは初代サイクロン号を受け継ぎそのままに、機動力がアップした改造サイクロン号は、昭和時代の少年たちの憧れのマシンでした。

映画「仮面ライダーTHE FIRST」でサイクロン1号に使用されたホンダ「CBR1000RR」

　ちなみに2005年に放映された初代仮面ライダーのリバイバル映画「仮面ライダーTHE FIRST」では、サイクロン1号にホンダ「CBR1000RR」が使用され、サイクロン2号は「CB1300 SUPER BOLD’OR」がベースとして使用されています。

◆仮面ライダーV3「ハリケーン」▶︎スズキ「TM250」

仮面ライダーV3「ハリケーン」で使用したスズキ「TM250（1972）」

　仮面ライダーV3に登場するハリケーンという名のバイクは、スズキの「TM250」が使用されています。TM250はモトクロス世界グランプリで優勝経験のあるバイクで、軽量かつハイパワーであることからとても扱いやすいバイクです。

　それだけでなく、他の仮面ライダー作品などでも同様の車種が使用されていることから、仮面ライダーシリーズではさまざまなデザインを施されて幅広く活躍しているバイクの一つ。この頃から作中では大きな装飾が施され、非常に派手なデザインのバイクとなっていることが多くなっていきました。

　ちなみに2007年に放映された「仮面ライダーTHE NEXT」に登場する仮面ライダーV3が使用していたハリケーンは、ホンダの「XR250 Motard」をベースバイクとして使用していました。

◆仮面ライダーストロンガー「カブトロー」▶︎スズキ「RL250」

仮面ライダーストロンガー「カブトロー」に使用したスズキ「RL250」

　ベースとなっているバイクが数多くあるカブトローですが、中でもスズキ「RL250」はカブトローでしか使用されていないベース車両です。

　宙を舞うなどのアグレッシブな動きにも対応できる、パワーのあるオフロードマシン。カウルだけでなくエンジンやマフラーまで全て真っ赤にカラーリングされたカブトローは、人々の脳裏にしっかりと刻み込まれるほどの印象がありました。

　作中に軽度の仕様変更がされていることで、タンクに「SUZUKI」の文字が残されたまま使用されているバイクもあります。作品を今一度チェックしてみると、他にも面白い発見があるかもしれません。

◆仮面ライダースーパー1『Vマシーン』▶︎ハーレーダビッドソン「FLH」

　仮面ライダースーパー1『Vマシーン』は、ベースにハーレーダビッドソン「FLH」が使用され、初めての外国製バイクを使用した仮面ライダーということもあり話題になりました。

　元から重厚感のあるFLHに、さらに装飾を追加で施すことで迫力のある一台に変化。変形機能を搭載しているという設定のVマシーンは2000馬力での走行が可能という設定もあり、ボタン一つで時速1340km走行可能なVジェットへと変化するという、子供たちの夢が詰まった豪華なマシンでした。

　FHLを選択したことで、ハイパワーな豪華さを表現するのに適していたかもしれません。

※ ※ ※

　昭和の仮面ライダー作品では、スズキのバイクがベースになっていることが多く見受けられました。中にはハーレーなどの変わり種も使用されており、子供だけでなくバイクファンからの興味も惹く作品が多く存在しています。

　バイクの歴史を知ることができる作品でもあるため、懐かしい作品を観ながらバイク談義をするという楽しみ方もできそうです。