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一体何がスゴイか知ってる? スマートキーの普及が進む中いまだに残る「イモビライザーキー」

バイクのニュース / 2024年10月25日 10時10分

近年発売された多くのバイクにはスマートキーシステムが採用されていますが、中には「イモビライザーキー」が搭載されているものも少なくありません。イモビライザーキーには、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか。

■イモビライザーキーっていったい何?

 多くのライダーが抱える心配ごとのひとつに、バイクの盗難が挙げられます。テレビやネットなどのメディアでは、バイクが盗まれる瞬間をとらえた防犯カメラの映像がたびたび報道されており、バイクの所有者にとって決して他人事とはいえない状況です。

 自分の愛車を守るためにハンドルロック以外に、U字ロックやワイヤーロック、アラームなどで防犯対策をしている人も多いのではないでしょうか。

 しかし、これらの防犯アイテムは盗難の抑止効果は期待できますが、プロの窃盗団の手にかかればバイクを盗み出すのはそう難しいことではありません。

 そんな中、近年はクルマでは当たり前となっているスマートキーに対応したモデルがバイクにも増えてきています。

 さらに「イモビライザーキー」と呼ばれるシステムを用いたバイクであれば、防犯効果をより強固にすることが可能です。

 では、バイクのイモビライザーキーには、どのような特徴があるのでしょうか。

イモビライザーキーは通常のメカニカルキーと同じように鍵穴にキーを挿し込んで使用するイモビライザーキーは通常のメカニカルキーと同じように鍵穴にキーを挿し込んで使用する

 イモビライザーキーは通常のメカニカルキーと同じように鍵穴にキーを挿し込んで使用しますが、それに加え電子制御でエンジンの始動をコントロールする防犯システムです。

 ホンダでは「H.I.S.S.(Honda Ignition security system)」という名称で、大排気量モデルを中心に採用されています。

 イモビライザーキーの柄の部分には、トランスポンダと呼ばれるコード化されたICチップが内蔵されており、キーを挿し込んだ際に、このICコードとバイク本体のECUからの信号が合致した場合のみエンジンが始動できる仕組みです。

 これまでのメカニカルキーであれば、鍵穴さえ合っていればどんなキーでもエンジンをかけることができました。

 しかしイモビライザーキーの場合は、合鍵を用意し鍵穴に挿し込んでキーを回せたとしても、ICコードが合致しないかぎりエンジンがかかることはありません。

 エンジンを始動できないということは、窃盗団にしてみればバイクを運搬する手段を考えなければならず、盗む手間がかかるということ。

 また、トラックなどに積んで盗めたとしても、正しいICチップが内蔵されたキーがないかぎりエンジンは始動できないため、窃盗団はイモビライザーキーを搭載したバイクをターゲットから外すようになり、その結果、高い防犯効果が期待できるというわけです。

■スマートキーとイモビライザーキーの違い

 では、スマートキーとイモビライザーキーはどのような点が違うのでしょうか。

スマートキーにはキーシリンダーがなく、バイクに近づいてプッシュボタンを押したり、レバーを回したりしてエンジンをかけることができるスマートキーにはキーシリンダーがなく、バイクに近づいてプッシュボタンを押したり、レバーを回したりしてエンジンをかけることができる

 まずスマートキーにはキーシリンダーがなく、バイクに近づいてプッシュボタンを押したり、レバーを回したりしてエンジンをかけることができます。

 ポケットやカバンなどにキーを入れたままにするといったように、キーを身に着けてさえいればエンジンをかけることができるので、バイクに乗るたびにわざわざキーを取り出す必要がありません。

 一方イモビライザーキーは、通常のメカニカルキーの柄の部分にICチップが内蔵されているキー。キーシリンダーにキーを挿し込む必要があるうえに、ICコードが合致した場合のみエンジンがかかる仕組みなので、防犯性が非常に高くなっています。

 なお、イモビライザーキーを搭載しているバイクの確認方法は、メーター周りに取り付けられたインジケーターランプの有無で見分ける事が可能。

 キーが挿し込まれていない状態でエンジンが止まっている場合は、インジケーターランプが点滅します。

 これはセキュリティシステムと呼ばれていて、ひと目でイモビライザー搭載車だとわかるので、盗難防止に役立つというわけです。

イモビライザーキーは盗難防止の効果は高いものの、キーを紛失した場合の対応は非常に大変イモビライザーキーは盗難防止の効果は高いものの、キーを紛失した場合の対応は非常に大変

 ちなみにイモビライザーキーは盗難防止の効果は高いものの、キーを紛失した場合の対応は非常に大変。

 通常のメカニカルキーであれば、専門の鍵業者に出張依頼をすればその場ですぐ合鍵を作ってもらえることも少なくありません。

 しかし、バイクのイモビライザーキーのスペアキーを作成するには専門の知識と専用機材が必要になるため、対応できる鍵業者が限られているのが実情です。

 また、新しい車種が発売されるたびにキーに内蔵されたICチップも新しくなるので、それに対応している鍵業者でなければスペアキーの作成ができません。そのためイモビライザーキーを紛失した場合は、バイクを購入した販売店にスペアキーの作成を依頼するのが、もっとも確実な方法です。

 ただし、鍵業者に比べて納期が数週間程度かかったり、費用も割高になったりする傾向があります。

 なおイモビライザーキーはあくまでもエンジンを始動できないようにする機能であって、車体ごとトラックなどに載せて持っていくような窃盗には効果はありません。

 また近年では、「イモビカッター」によるイモビライザーキー搭載車の盗難被害が増えています。

 イモビカッターとは、イモビライザーキーのIDの機能を無効化する装置のこと。これを使用すれば、新しい別のキーで対応させてバイクを動かすことができてしまいます。

 イモビカッターは元々、クルマの販売店や整備工場で作業するために使われていましたが、現在ではネット通販で簡単に入手できるようになり、盗難で悪用されることが増えています。

 そのため、イモビライザーキーを搭載したバイクであっても、盗難被害に遭う確率はゼロではありません。イモビライザーキーが付いていても安心せず、U字ロックや警報機などの他の防犯アイテムと上手く組み合わせて防犯対策をしていくことが重要です。

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