ルーマニア発の若手育成プロジェクト発足!? トラブルを乗り越えて表彰台を獲得したmotoRCで目指す先 レーシングライダー大久保光のレースレポート
バイクのニュース / 2024年10月23日 12時10分
レーシングライダーの大久保光選手が参戦したmotoRC(ルーマニア選手権)。そのレポート後編です。
■スプリントレースでトラブル発生
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。今回は、スポット参戦したmotoRCのレースについてと、今後の活動目標をお伝えしたいと思います。
まずレースについてですが、レースウィークは通常金曜日からの走行となっていますが、木曜日にスポーツ走行の時間が設けられており、事実上木曜日からの走行スタートとなりました。
私は水曜日の深夜にスペインからブカレストに到着し、その日は空港近くのホテルで1泊。木曜日の朝にボルダン選手に迎えに来てもらい、サーキットへ向かいました。
moto RCに参戦しモーターパーク・ロムニアを走る大久保光選手
マシンは事前に準備をしてもらっていたのでサーキットに到着し、着替えてすぐ走行準備をすることができました。
走行は午後からとなっており、初めてのサーキット、バイクだったこともあって、最初はボルダン選手が使用していた中古のスリックタイヤで走行をスタート。
序盤は何度もコースから飛び出してしまいましたが、限界を探る為にはこのやり方が1番手っ取り早いので、どんどんオーバースピードでコーナーを攻めていきました。
そして転倒する事もなく走行は無事に終了しましたが、マシンの調子、特に電気制御系に問題を抱えていることが発覚。色々と試してみましたが、改善方法を見つけることができず、その日はお開きとなりました。
最初はボルダン選手が使用していた中古のスリックタイヤで走行をスタート
金曜日からは、テストをするミタス製タイヤを使っての走行がスタート。今回は3セット用意していただいたので、1日1セットの予定で走行を開始しました。
履いた感想は、やはりストリートタイヤということもあり、限界が低かったですがスライドコントロール性は良く、思った以上に乗りやすい印象を受けました。
それと同時に木曜日に発覚した電子制御系トラブルの解消に向けて、色々と試行錯誤しましたがやはりうまくいかず、特にトラクションコントロールがうまく機能しない点が問題となりました。
幸い、アクセルを開け始めのパワーデリバリーの設定は使えたので、トラクションコントロールをオフにしてリアブレーキとパワーデリバリーの設定を行う事で、今回のレースウィークを乗り切ることに決定。
土曜日は朝フリーとスプリントレースがありましたが、タイヤの本数の関係で朝フリー走行をキャンセルしてスプリントレースのみ出走というプランを立ててレースに挑みます。
しかし、サイティングラップの時にマシンが止まってしまい、そのままスタートできずにスプリントレースを終えることとなりました。
■大久保光の若手育成プロジェクト発足!?
日曜日がメインレースなのですが、スプリントレースの結果がメインレースのグリットに反映されるレギュレーション。
スプリントレースで1位から10位までだった選手はリバースグリットとなるため、スプリントレースが1位だった選手は10番手グリット。そこからリバースした形でグリットに並ぶことになり、スプリントレース10位だった選手はポールポジションからのスタートとなります。
moto RCに参戦しモーターパーク・ロムニアを走る大久保光選手
私が参戦したS1000クラスはエントリー台数15台だったので、スプリントレースを走ることのできなかった私は11番グリッド以下となるため、そのままの順位が反映されて最後尾からのスタートです。
日曜日は雨が降ったり止んだりという不安定な天候が続きましたが、レースの時間になると晴れ間がのぞきました。
しかし、朝までの雨の影響もあり路面は決して良いコンディションとは言えません。とにかく最初の1周から2周目が勝負だと思った私はスタートをしっかりと決め、1周目で3番手まで上がることに成功。
一時は2番手を走行しトップ争いを展開しましたが、ストリートタイヤとスリックタイヤの性能差もあり、徐々に離されていく展開となりました。
そんな中、なんとか3位を死守してゴール。初参戦な上に、唯一ストリートタイヤを履いての参戦という状態でしたが、無事に表彰台を獲得することができました。
チームスタッフはもちろん、他のチームの方からも暖かい拍手で迎えてもらえて、とても嬉しい気持ちになると同時に、また参戦したいと思うレースでした。
moto RCで3位表彰台を獲得した大久保光選手
それから最初に書かせていただきました今後についての活動ですが、このmotoRCのS300に若手育成を目的とした私の独自チームを発足しようと計画をしております。
motoRC はライセンス区分など、細かいこともない比較的参戦しやすい選手権で、様々な国のライダーが参戦する国際色豊かなレースです。
私自身、日本からいきなりスペイン選手権など、ヨーロッパの主要な選手権に参戦するのは色々とハードルが高いと感じていましたが、このようにワンクッション少し敷居の低いレースへの参戦体制を設けることができれば、日本とヨーロッパの主要な選手権の文化の差や日本語以外でのコミュニケーション等のトレーニングになる為、日本と同じような走りをヨーロッパでもできるようにする練習の一環になるのではないかと考えました。
フル参戦でもスポット参戦でも、受け入れられる体制を整える予定です。またこちらの計画もより現実的なものになれば、報告させていただきます。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
Moto2佐々木歩夢選手、再びチャタリングに苦しむも13位でポイント獲得【MotoGP第18戦タイGP】
バイクのニュース / 2024年10月30日 18時10分
-
今度のレースはルーマニア!? スポット参戦したmoto RCってどんなレース? レーシングライダー大久保光のレースレポート
バイクのニュース / 2024年10月29日 13時10分
-
中上貴晶選手、エンジンの故障など困難に見舞われるも決勝のペースについては前向き【MotoGP第17戦オーストラリアGP】
バイクのニュース / 2024年10月21日 20時10分
-
「完全に選択ミス」Moto2佐々木歩夢選手はレインタイヤで臨むも21位【MotoGP第16戦日本GP】
バイクのニュース / 2024年10月9日 15時10分
-
ファンに両手を合わせた意味とは Moto2小椋藍選手が母国GPで2位表彰台獲得 クルーチーフを信じたタイヤ選択
バイクのニュース / 2024年10月9日 12時10分
ランキング
-
1一人暮らしの高齢者が増加!これだけは備えたい3つの費用とは
オールアバウト / 2024年11月4日 18時30分
-
2「外国人が店と間違えて家に…」 迷惑行為に京都市民憤り 観光地に「おすすめ」6割未満
産経ニュース / 2024年11月4日 16時30分
-
3「評価されるのは上司のお気に入り」会社の人事評価に7割が不満→2割が転職、転職検討組は半数
まいどなニュース / 2024年11月4日 19時30分
-
4【おうちで餃子を楽しもう】老舗の「幸楽苑」!お得にテイクアウトする方法とは
イエモネ / 2024年11月4日 20時0分
-
5老後の備え、できてますか?8割が「大きな不安」 貯蓄額100万円以下が4割、「0円」は5%
まいどなニュース / 2024年11月4日 20時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください