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思い入れの強いゼッケン『27』で参戦! ホンダの電動トライアルバイク「RTL ELECTRIC」の開発ライダー藤波貴久選手に、つぐみライダーが直接聞いた!

バイクのニュース / 2024年10月31日 11時10分

トニー・ボウ選手のトライアル世界選手権18連覇に貢献したワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で培った技術やノウハウに基づき新規に開発された、ホンダ初の競技用電動トライアルバイク「RTL ELECTRIC」の開発ライダーとして、全日本トライアル選手権に21年ぶりに参戦する藤波貴久選手(Team HRC)に「つぐみライダー」こと、桜井つぐみさんがお話を直接聞いてみました。

■ホンダの強さを求めて電動トライアルバイクの開発がスタート

 みなさんこんにちは!女優・タレントの「つぐみライダー」こと、桜井つぐみです!

 先日10月13日(日)に「2024 MFJ全日本トライアル選手権第6戦 和歌山・湯浅大会」が開催されました!

「RTL ELECTRIC」開発ライダー藤波貴久監督、つぐみライダー、開発責任者であり元トライアル国際A級の斎藤晶夫さん「RTL ELECTRIC」開発ライダー藤波貴久監督、つぐみライダー、開発責任者であり元トライアル国際A級の斎藤晶夫さん

 この日はホンダ初の電動トライアルバイク「RTL ELECTRIC」のデビュー戦!そして、元世界チャンピオンであり現在「Repsol Honda Team」の監督を務める藤波貴久監督の電撃参戦でトライアル界を大きく沸かせました!!

 藤波監督が最後に全日本選手権へ出場したのが2003年。わたしがトライアルという競技を知った頃にはすでに監督業に移行されていたので「もう選手としての姿は見れないんだろうな」と寂しく思っていたんです…。

 そんな中、21年の時を経てホーム・日本に帰ってきてくれたのは本当に朗報でした!!

 今回は和歌山大会の前に藤波貴久監督、そして開発責任者であり元トライアル国際A級の斎藤晶夫さんにお聞きした「開発ライダーへの経緯から意気込み」、そして期待のNEW電動トライアルマシン「RTL ELECTRIC」についてお届けします!!

初めてトライアル競技を観戦したのは今年5月にモビリティリゾートもてぎで開催されたHertz FIM トライアル世界選手権 第1戦でした初めてトライアル競技を観戦したのは今年5月にモビリティリゾートもてぎで開催されたHertz FIM トライアル世界選手権 第1戦でした

 わたしが初めてトライアル競技を観戦したのは今年5月、もてぎでの世界選手権。そこではヤマハやガスガスなどの電動バイクが目立っていました。「RTL ELECTRIC」は、そんなライバル達に対抗するための登場かと思っていたのですが、「ライバルマシンを意識したというより、世界チャンピオンの愛機であるホンダの誇り高いマシンに追いつけ・追い越せの意識で開発している」とのこと。

 ライバルを落とすことが目的の主軸ではなく、よりホンダマシンへの強さを求めて力を注いでいる…この姿勢がわたしはとても好きで、思わずグッとくるお話でした。

■開発ライダーに抜擢された理由とは

 さて、今回藤波監督は「開発ライダー」としての参戦でした。いうまでもなく、これまで多々チャンピオンを勝ち取り、計り知れない経験値を積んでこられたので適任ですよね!

斉藤さんの熱いオファーの上に決定した開発ライダーとしての全日本参戦斉藤さんの熱いオファーの上に決定した開発ライダーとしての全日本参戦

 現役で活躍している若いライダーが沢山いるなかで「ホンダの新しいチャレンジ。歴史の1ページのスタートはどうしても藤波監督が良かった」と斉藤さんの熱いオファーの上に決定したそうです!

 藤波監督へ正式に声がかかったのが今年5月。意外にもまだ5ヶ月しか経っていないんです。現役を終えてからは全くトレーニングをしていなかったそうで、このままでは開発の方が早くなっちゃうぞ!と急いで体力をつけ、10キロも減量されたことには驚きでした。「体力は戻ったけれど筋肉痛が取れないんです。年齢には勝てないよ。」と笑いながらもその瞳の奥からは【優勝しか見ていない】という強い眼差しを感じました。

 開発では、監督の豊富な経験も活かされています。「モーターの出力」や「エンジン車にないスタートダッシュの速さ」を武器に進めたけれど初めは監督の体さえ持っていかれるほどのパワーだったそう。「今でこそ扱えているけれど、ベースを作るまでが大変で試行錯誤した」そうです。

電動車は最後まで重量が変わらない点もメリット電動車は最後まで重量が変わらない点もメリット

 さらに「軽さ」にも要望を出したとのこと。ガソリン車は燃料が減ればもちろん全体の重量が変わるのだけれど、1ラップが終了して再出発する際は燃料を満タンにするのでいきなり重くなる。その点電気車は最後まで重量が変わらない。感覚的だけれどこれがエンジン車との一番の違いであり大きなメリットだ。というお話には、なるほど…と思わず頷きました。

 以前電動バイクのバッテリーを持ち上げた時、相当重く感じたけれど、それでもガソリン車より軽いのかな…?「RTL ELECTRIC」の車重は非公開なので詳細はわからないけれど、電動マシンのメリットが「ダイレクトなトルクや瞬発力だけじゃない」というのはわたしにとって大きな発見でした!

電気残量のワーニングは「ウルトラマンみたいに僕の胸が光るんですよ」と藤波監督らしいお茶目な返しのある場面も(笑)電気残量のワーニングは「ウルトラマンみたいに僕の胸が光るんですよ」と藤波監督らしいお茶目な返しのある場面も(笑)

 ちなみに電気残量のワーニングはどこにあるのか?という質問に対し「ウルトラマンみたいに僕の胸が光るんですよ」と藤波監督らしいお茶目な返しのある場面も(笑)。

 今後、藤波監督のカラ―タイマーが光るときが来るのか…注目していきたいですね!(ちなみに大会後に聞いてみると、今戦では光らなかったそうです笑)

 幼少期から現役時代の全てをエンジンバイクと共にしてきた藤波監督が開発に携わり造りあげている「RTL ELECTRIC」。本格的な開発の始動から約5ヶ月経った現時点で(ワークスマシンに対し)70〜80%の完成度までに追いついてきているそう。

■藤波選手に全日本トライアル参戦についての意気込みを聞いた

 そんな監督に「開発ライダー」として、そして「久しぶりの出場に向けての意気込み」を聞きました!

責任の重さやプレッシャーは現役ライダーの時よりも感じているという責任の重さやプレッシャーは現役ライダーの時よりも感じているという

―――「僕自身への期待もあると思いますが、今回はマシンデビュー。チームとしても優勝できるマシンの開発を目指しているのでその責任の重さやプレッシャーは現役ライダーの時よりも感じます」

 なんといっても21年ぶりの全日本参戦。監督の言葉に緊張感を感じていると、「でも楽しまないと勝てないので!楽しみながらいいデビュー戦にしたいです」とすぐさまいつもの“フジガススマイル”を向けられ、揺るぎない安心を感じました。

“楽しみにしています!頑張ってください!”とインタビューを終えた2日後、藤波監督はゼッケン27番をつけて出場。これは全日本選手権で国際級に昇格した際、そして世界選手権に初挑戦した際にもつけていた、監督にとって思い入れの強いゼッケン番号です。

全日本トライアル選手権(JTR)第6戦和歌山・湯浅大会で見事「RTL ELECTRIC」で優勝を飾ったフジガス全日本トライアル選手権(JTR)第6戦和歌山・湯浅大会で見事「RTL ELECTRIC」で優勝を飾ったフジガス

 当日わたしは、残念ながら現地観戦できなかったけれど“フジガス、優勝”の速報が入った瞬間、思わず声を出して喜びました!わたしたちファンにこの感動を魅せ続けてくれる、これがフジガス!どこまでもかっこいいライダーです!!

 晴れ晴れしいデビューを飾ったNEWマシンもまだまだ開発途中。「RTL ELECTRIC」×フジガスの今後の躍進を追い続けていきましょう!!

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