1充電で120kmも走る特定原付「Fiido L3 PRO」 SWALLOWがジャパンモビリティショー2024でお披露目!
バイクのニュース / 2024年10月31日 7時10分
電動モビリティに造詣の深い近藤スパ太郎さんがジャパンモビリティショー2024で初公開された特定小型原付SWALLOW「Fiido L3 PRO」について解説します。
■SWALLOWはこんな車両をラインナップしている
こんにちは! 先進モビリティに興味津々の近藤スパ太郎です。
10月15日~18日に幕張メッセで開催されたジャパンモビリティショーに行って来ました。
今年はモビリティ事業に取り組むスタートアップ企業や事業会社が、ビジネスを創発するマッチングイベント「Japan Mobility Show BIZWEEK 2024」として開催されました。
スタートアップ企業が145社も出展し、EVベンチャーのSWALLOWブースでは参考出品ながらも、航続距離が120kmもある車両を発見しました。 ブースの方曰く、国内でトップクラスの航続距離を誇る特定小型原付(以下:特定原付)だそうです。(…でしょうね)
SWALLOWの特定小型原付「Fiido Q1S(フィード キューワンエス)」
2019年4月の創業時、SWALLOWは電動キックボードからスタートしています。 そして現在も、特定原付、原付一種、原付二種の電動キックボードをラインナップし、原付一種のペダル付きバイク(モペッド)も扱っています。
ブースには、去年11月に発売された、座って乗れる特定原付の「Fiido Q1S(フィード キューワンエス)」も展示していました。
「Fiido Q1S」は、全長1150mmでとてもコンパクト。車重も18.4kgでとても軽量です。キックボードよりも大きな12インチタイヤを履き、走行感を向上させています。
航続距離は約35km(体重65kgの乗員が平坦な道路を走行した場合)。ハンドルステムが折り畳みでき、コンパクトに収納可能です。
特定原付は16歳以上は免許不要、最高速度20km/h。「6km/hモード」を備えた車両のみ、切り替えて走行を許可された表示がある歩道の通行が可能です。ですが20km/hモードのまま歩道や横断歩道を走行するユーザーもいて社会問題にもなっています。
SWALLOWの特定原付は「6km/hモード」を備えず、「歩道は走れません!」とユーザーに分かりやすいアピールをしています。
■参考出品の「Fiido L3 PRO」はこんな車両!
「Fiido L3 PRO」は、奥の「Fiido Q1S」よりも少し大きいサイズですが、それでもママチャリよりはコンパクトです。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」
“PRO”の名の如く、レンタルやシェアリング用、デリバリー業務用で開発中です。今回の展示は来場者の反応や意見を聞くのが目的だそうです。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。前後14インチのタイヤを採用しています
タイヤは前後14インチ。前後サスペンションは無く、太めのタイヤを履いて路面からの衝撃を緩和させています。ディスクブレーキを前後に装備しています。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。折りたたみ機構を備えていますが、23.5kgとそこそこの重量となっています
海外で流通している車両をベースに開発しているそうで、フレームとハンドルポストの下にクイックレバーがあって、折り畳みが可能です。車重は23.5kgで、頑張れば持ち上げて運ぶことは可能です。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。モペット、もしくは海外の電動アシスト自転車がベースとなっているようです
モーター出力は350W。よく見ると手前にギヤがあり、ベース車両にはチェーンがあってペダルが付いていた様です。モペッドか、海外の電動自転車の様です。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。自転車やモペットにおいてペダルが装着されるクランクが取り外された跡が見られました
やっぱりね。クランクを外した穴がそのまま残っていました。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。スロットルはバイクと同じく捻るタイプが採用されています
やはり「6km/hモード」は有りません。スロットルはレバーではなくグリップを捻るタイプを採用しています。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。厚めのシートが採用されています
サドル型の大きなシートは肉厚でふかふか。長時間乗っても快適そうです。クイックレバーで高さ調節が可能です。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。シート下には120kmの航続距離を実現する大容量バッテリーが搭載されています
その大型サドルの下に、48V/32.2Ah (0.1136kWh)の、特定原付としてはかなり大容量のバッテリーを搭載しています。
公表の航続距離は120kmですが、社内走行テストでは140km以上走る場合もあるそうです。
■実車をみて筆者、スパ太郎が感じたのが……
「来場者の意見を聞くのが目的」とのことでしたので、僭越ながらボクの意見を伝えました。
SWALLOWが参考出品した「Fiido L3 PRO」。筆者(近藤スパ太郎)的にはいくつか気になるところもありました
①シェアリングサービスは不特定多数の方が利用するため、耐久性や安全面を考えると折り畳み機能は無い方が良い。事実、折り畳みが可能な車両をシェアリングに導入する場合は、敢えて折り畳めない様に仕様変更して、耐久性を高めている事業者もいる
②ギヤが樹脂製で、業務の酷使に耐えられるのか?
「Fiido L3 PRO」 ポスター資料より
高い登坂能力を確保するために、消費電力を抑えながら高いトルクで駆動する「プラネタリーギヤモーター」を採用しています。ですがこのギヤが樹脂製の様で、業務用で酷使しても耐久性があるのか? 意見をさせて頂きました。 今後テストをして行くそうです。
こうしてブースで取材中にも、興味を持った事業者の方が、車両について詳しく聞いていました。さずがビジネス創出のマッチングイベントですね!
■特定原付の利点とは?
特定原付は、車両進入禁止でも「自転車を除く」の表示があれば、通行可能です。特にデリバリー業務では原付一種よりも使い勝手が良い場面も多いと思います。電動で音も静かですしね。
車両進入禁止でも「自転車を除く」の表示があれば通行できる特定小型原付。ルールを厳守すれば多くのメリットが得られます
「開発が進んで試乗ができる様になったら、メディアではボクが一番最初に試乗取材させて下さいね!」と、先行予約をしておきました。
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