あなたのママチャリは大丈夫? ブレーキの不具合は「制動装置不良車運転」になるかも!
バイクのニュース / 2024年11月5日 11時10分
自転車のブレーキは、走行中のスピードを抑えたり、車体を停止させたり、安全走行に必須の部品です。安心・安全に走行するためには日常的な状態の確認が大事なのです。
■しっかり停まれるからこそ、安心して走れる
強烈な日差しが降り注ぐ日々もようやく落ち着き、自転車に乗ることが苦ではない気候になってきました。そんな状況でこれまでしばらく自転車に乗ることを避けていた人も、再び乗り始めるようになるかもしれません。そこで忘れてはいけないのが、自転車の状態確認です。
ママチャリ(シティサイクル=軽快車)の前輪ブレーキには「キャリパーブレーキ」が採用されていることが多い
しばらく使っていなかったとしても、周囲の環境の影響で自転車が何かしらのダメージを受けていることも少なくありません。もちろん、毎日使っていた人でもメンテナンスを怠ると、万が一の不具合が発生することがあります。
走りだす前に、まずは自転車のブレーキが正しく機能するかチェックしてみましょう。
ブレーキは、安全に走行するために必須の部品です。日本国内では前輪・後輪どちらにも装備されていなければ法的にペナルティを受けることになります。たとえ装備されていても、正常に作動しない状態で運転すると「制動装置不良車運転」として、危険行為のひとつとみなされて取り締まりの対象になります。
自転車のブレーキにはいくつかの種類がありますが、大きく分けると車輪の外側の鉄の輪(リム)の動きを止める「リムブレーキ」と、車輪の中心にある回転軸(ハブ)の動きを止める「ハブブレーキ」の2つになります。
細かく言うとそれぞれに別の仕組みを持った数種類のブレーキが存在するのですが、ここではママチャリ、いわゆる一般的なシティサイクル(軽快車)で見ていきましょう。
現在、日本で流通している大半のシティサイクルの前輪には、リムブレーキに分類される「キャリパーブレーキ」が使われています。アーチ型の金属部品が2つ組み合わされ、左右のアームの先にブレーキシューというゴムのパッドが装着され、それでリムを挟んでスピードをコントロールします。
キャリパーブレーキの不具合は、ブレーキ本体の錆によって動作が悪くなることもありますが、その多くはシューが原因となっています。ブレーキをかけた時に「キーーっ!!」と音がする場合、ほぼ確実にシューが悪さをしていると思って間違いありません。
ゴムで鉄のリムを左右から挟んでいるので、使い続けることでシューはどんどん摩耗します。そうするとうまく挟めなくなり、余計な力が必要になり、音鳴りがしたり、制動力が低下してしまうなどの症状が現れます。使い方にもよりますが、数カ月から1年に一度の定期的な交換が必要になると思っていた方が良いでしょう。
ちなみに、シューが摩耗していなくても「キーーっ!!」と音がすることもあります。その場合はシューがリムに接する角度が適切ではない可能性があります。これはシューがスムーズにリムにあたるよう調整することで音鳴りは軽減されます。
また、雨の日の翌日など、シューとリムの間に水が入っていると音が鳴る場合があります。しばらく走れば水が飛ばされて音鳴りも止まりますが、気になる場合はウエスなどでリムの水分を拭き取ると良いでしょう。
一方、多くのシティサイクルの後輪にはハブブレーキに分類される「ローラーブレーキ」が使われています。類似の「バンドブレーキ」や「サーボブレーキ」もありますが、よほど安価な自転車以外はローラーブレーキが多く使われています。
ローラーブレーキはその名の通り、内部に複数のローラーが内蔵されており、これらが他の部品と連動することでハブの回転を止める仕組みになっています。また、内部には専用のグリスが充填されているので、万が一水が入っても制動力が落ちず、内部の摩耗も抑えられるので耐久性が高いとされています。
逆に、その高い耐久性で不具合に気づきにくいとも言えます。もし「キーーっ!!」と音が鳴る場合、状態としてはかなり良くないところまで進行していて、制動力も低下しています。
チェック方法としては、自転車を停止させた状態で後輪のブレーキレバーをしっかり握り、ペダルに体重を乗せると効き具合がわかりますが、日常的に後輪ブレーキでの制動距離を意識しておくことも重要でしょう。
なお、音鳴りがしてもローラーブレーキそのものが壊れてしまっているというわけではありません。原因としては、内部に充填されたグリス不足が考えられるので、専用グリスを注油すれば音鳴りは解消され、制動力も元に戻る可能性があるので安心してください。
ブレーキは自転車が安全に走行するために重要な部品です。正常に作動することを確認しておけば、安心して自転車に乗ることができます。つい忘れてしまいがちですが、日常で使うなかでブレーキの作動状況を意識することを習慣にしたいものです。
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