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ホンダ「スーパーカブC100」マフラーからの白煙対策再確認 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.21

バイクのニュース / 2024年11月13日 7時10分

どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしています。現代のモデルと同じような白煙対策=モダナイズによって、白煙は出なくなりガレージ内でも目がチクチクすることが無くなりました。その具体的な対策仕様を再確認したいと思います。

■旧車だからこそカッコ良く「白煙無し」で走りたい!

 マフラーから煙が出る=白煙が出る4ストロークエンジンは、明らかにオイル上がりやオイル下がりを起こしています。金属部品が繰り返し摺動=すり合わされることよって、いくら金属とは言え「摩耗」が発生してしまうのがエンジン部品です。すり減った部品の隙間から、燃焼室内にエンジンオイルが侵入し、そのオイルが燃焼することでマフラーから白煙を吹き出してしまいます。

最初に購入したM頭文字のC100のエンジン始動するとマフラーからは驚くほど白煙が。現在所有する車両では様々な対策を施し白煙も皆無です最初に購入したM頭文字のC100のエンジン始動するとマフラーからは驚くほど白煙が。現在所有する車両では様々な対策を施し白煙も皆無です

 白煙やオイルか焼ける臭い、また、室内でエンジン始動したときに、目がチクチク痛くなってしまうことがありますが、それは燃えたエンジンオイルが原因のことが多いです(キャブ不調やセッティングが原因でガソリンが濃いと目がチクチクします)。

 旧車ミーティングに出掛けると、往年の名車が元気良く走る姿を観ることができます。しかし、中には白煙を吹き出している4スト旧車もあります。ガソリンにエンジンオイルを混ぜて、エンジン部品を潤滑しながら爆発燃焼させる2ストロークエンジンが白煙を吹き出すのは必然的なものです。しかし、4ストロークエンジンの場合は、エンジン内部に何らかの原因があるから白煙を吹き出してしまうのです。

 ホンダスーパーカブC100シリーズは、登場から60年以上が経過し(発売当時の1958年モデルなら66歳!!)、快調に走るものだからも、そのまま走らせ続けてしまっているオーナーさんが多いのも理解できます。しかし、白煙や臭いが気になるようになったら、ピストンリングと旧排気バルブ周りは、内燃機修理を行い最善を求めたいものです。

■過剰対策かも知れませんが……

 エンジン始動すると、おびただしい白煙をマフラーから吹き出していたのが、わがスーパーカブC100でした。セオリー通りに、オーバーサイズピストンにボーリングしました。

ぼくの生誕年月と同じ1962年10月頃の生産車と思われる、ホンダスーパーカブC100。カラーリングの名称は「ディープグリーン」です。フルレストアすることなく、現状維持で走らせていこうと思いますが、前後スポークだけはユニクロメッキの輝きが欲しいですぼくの生誕年月と同じ1962年10月頃の生産車と思われる、ホンダスーパーカブC100。カラーリングの名称は「ディープグリーン」です。フルレストアすることなく、現状維持で走らせていこうと思いますが、前後スポークだけはユニクロメッキの輝きが欲しいです

 純正新品ピストン+純正ピストンリングを組み込み、吸排気バルブは、シートカットと擦り合わせを行い組み込みました。そんな腰上オーバーホールの作業中に気が付いたのが、「旧排気バルブガイドの摩耗」でした。

 バルブガイドにガタがあると、エンジンオイルが隙間から吸い込まれてしまい、白煙発生の原因になります。C100のバルブガイド×バルブステムのガタとしては、許容範囲と考えられる程度でした。しかし、C100のシリンダーヘッドはバルブステムシールが無い設計なので、より一層、エンジンオイルを吸い込みやすい構造となっています。

C100に限らず、4ストロークエンジンメンテナンスの基本が、エンジンオイル交換です。エンジン始動時には暖機運転が必要だと思います。単に長い時間、エンジン暖機すれば良いのではなく、エンジン始動後、低回転域で走らせながら暖機するのが良いと思いますC100に限らず、4ストロークエンジンメンテナンスの基本が、エンジンオイル交換です。エンジン始動時には暖機運転が必要だと思います。単に長い時間、エンジン暖機すれば良いのではなく、エンジン始動後、低回転域で走らせながら暖機するのが良いと思います

 セオリーにあてはめオーバーホールは完了しました。早速、エンジン始動すると、残念ながら白煙が消えません。以前に吹き出していた白煙の影響もあると考え、マフラーを外して、マフラー内部に残っていたオイルやカーボン汚れをクリーナー液で洗い流しました。さらにダメ押しで、脱脂洗浄力が高いパーツクリーナースプレーで、マフラー内部を洗浄。再度エンジン始動すると、今度は白煙が目立ちませんでした。実走行テストして目立つ白煙は出ませんでしたので、オーバーホールの効果はありました。

 しかし、意地悪な確認で、暖機運転後に空吹かしを繰り返すと、薄っすら白煙が出ることに気が付きました。現代のバイクのように、オイル下がりしにくい「バルブステムシール」を組み込めるように改造し、さらにピストンリングには旧式の鋳鉄一体型ではなく、現代のエンジンと同じ「ハガネリングとエキスパンダースプリングを組み合わせた3ピースオイルリング仕様」に交換できれば、さらに白煙が出にくくなるはず!? だと考えました。

■純正流用で「モダナイズ」実践

 OHVエンジンのC100系と、その後のC50系OHCエンジンは、吸排気バルブステムのφ径が同じでした。だったら使えるはずだと思い、C50系OHCエンジンの排気バルブに採用されているステムシール周りの部品(ステムシール・シールキャップ・スプリングシート)を流用してみました(C50系エンジンのステムシールは排気バルブにだけ装備されています)。

吸排気バルブの白煙対策用構成部品。下段の左部品は、ヘッドと同じ鋳鉄素材から削り出されたバルブガイドで、ガイドのトップへステムシール→シールキャップ→スプリングシートの順で組み付けることで、スプリングシートをインナーバルブスプリングが押し込みセットアップ吸排気バルブの白煙対策用構成部品。下段の左部品は、ヘッドと同じ鋳鉄素材から削り出されたバルブガイドで、ガイドのトップへステムシール→シールキャップ→スプリングシートの順で組み付けることで、スプリングシートをインナーバルブスプリングが押し込みセットアップ

 それら部品を組み込める吸排気バルブガイドの製作と内燃機加工一式は、iB井上ボーリングさんへ依頼しました。

 ピストンリング問題は、偶然使えそうな=流用可能なピストンとピストンリングを見つけない限り不可能です。実は、諦めてかけていた(ワンオフできる予算などありません)矢先に、偶然の成り行き出逢ったのがスズキGF250用のピストンでした。

左がC100純正ピストンで、右が加工途中のスズキGF250ピストンになります。ピストンピン径はGF250のφ12ミリをC100と同じφ13ミリへと加工拡大。次のエンジン分解時には、振動低減を狙いピストンを軽量加工たいと思います左がC100純正ピストンで、右が加工途中のスズキGF250ピストンになります。ピストンピン径はGF250のφ12ミリをC100と同じφ13ミリへと加工拡大。次のエンジン分解時には、振動低減を狙いピストンを軽量加工たいと思います

 上下に丈が長いC100ピストン以上に丈が長かったのが幸いし、ピストンピン径もφ12と細い仕様でしたが、φ13へと加工拡大しました。最終的には、C100用シリンダーヘッドの燃焼室形状に合わせて、ピストントップの外周付近=スキッシュエリアを追加工することで圧縮比を下げることなく、3ピースオイルリングのピストンを流用できました。

 そんな仕様のエンジンで、今現在はマフラーから白煙が吹くことなく、気持ち良く走ることができています。自己責任に於ける改造なので、お勧めはしませんが、執念で何とか白煙対策することができました。

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