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メグロK3にはある! カワサキW1で感じる恍惚感と殿様乗りの堂々たる気持ち!!

バイクのニュース / 2024年11月20日 12時10分

メグロが100周年を迎えた今、その系譜を継ぐモデルが細かくデザインをアップデートしています。クラシカルなスタイルと高品位のパーツたちが、魅力的としか言いようがありません。カワサキW1を愛車に持つバイクジャーナリストの青木タカオさんが、ぞっこん惚れ込みつつ試乗を満喫しました。

■堂々たる昭和の乗車姿勢

 メグロK3は、大きく手前に引かれたワイドなハンドルバーで、ゆったりとした乗車姿勢。堂々たるライディングポジションは、いわゆる往年の“殿様乗り”だ!

MEGURO K3の堂々たるライディングポジションは、いわゆる往年の“殿様乗り”だ!MEGURO K3の堂々たるライディングポジションは、いわゆる往年の“殿様乗り”だ!

 360度クランクのバーチカルツインはフライホイールマスが大きく、低中速域のトルクが太い。そして何よりも、真っ直ぐに並行して後ろへ伸びた左右2本のマフラーが、太く歯切れのよい音色を奏でているではないかっ!!

 カワサキ“ダブワン”(W1SA/1971年式)に30年間乗り続けている筆者としては、気になる存在なのは言うまでもありません。「MEGURO K3」(140万8000円)です。

■ダブワン乗りなら拝む老舗

 ファンの間では広く知られていますが、「メグロ」はダブワンのルーツであり、カワサキビッグバイクの礎になりました。

カワサキ500メグロK2(1965年/昭和40年)カワサキ500メグロK2(1965年/昭和40年)

「目黒製作所」が設立されたのは1924年(大正13年)で、車両メーカーに供給するトランスミッションの製造で名を馳せるとエンジンの注文も舞い込むように。

 オートバイの完成車を製造し、初の市販車500ccOHV単気筒「メグロ Z97」を世に送り出したのは1937年(昭和12年)。「Z」は日本海軍で奮励を意味するZ旗、97は1937年が皇紀2597年だったことに由来します。

 1939年(昭和14年)に、白バイとして「メグロ Z98」が警視庁に10台納入。官需にも応えるなど、戦前から戦後において「陸王」とならぶ国産大型二輪車の名門となります。

 東京市大崎区目黒村(現・品川区桐ヶ谷)にあった工場は戦時中、1943年(昭和18年)に栃木県・烏山町へ疎開。戦後、1948年(昭和23年)から東京・目黒で再びモーターサイクルの生産を再開しています。

 メグロの白バイ「スタミナKP」は、1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは聖火リレー走者先導や周辺警護という重要な任務を担いました。

カワサキW1(1966年/昭和41年)カワサキW1(1966年/昭和41年)

 その年、川崎航空機工業(現在の川崎重工)と目黒製作所が統合。「カワサキ500メグロK2」(1965年/昭和40年)譲りの360度クランク・バーチカルツインエンジンが、排気量を624ccに拡大されつつ「カワサキW1」(1966年/昭和41年)へと受け継がれていくのです。

■これぞ憧れのメグロだ!

 W1の前身、カワサキメグロK2に続くモデルとしてよみがえったのがメグロK3。サイドカバーには片仮名で「メグロ」の文字が入り、存在感は抜群です。

MEGURO K3の車体色はミラーコートブラック×エボニーのみMEGURO K3の車体色はミラーコートブラック×エボニーのみ

 車体色はミラーコートブラック×エボニーのみで、黒を基調にシンプルそのもの。車体重量は227kgで大きすぎないし、大型車としての車格も十分にあると感じます。

 偉大なるブランドの子孫ですから、W1乗りとしては敬意を払いつつ、白いパイピングが入ったシートにまたがります。シート高は790mmで、身長175cm/体重66kgの筆者がまたがると、足つき性に不安がないことが確かめられました。

シート高は790mmで、身長175cm/体重66kgの筆者(青木タカオ)がまたがると、足つき性に不安がないことが確かめられたシート高は790mmで、身長175cm/体重66kgの筆者(青木タカオ)がまたがると、足つき性に不安がないことが確かめられた

 燃料タンクの表面は銀鏡塗装が施され、カメラマンが様々なものが映り込んでしまうと撮影するのが困難なほど美しく、キズを自己修復する特殊コーティング塗装のハイリーデュラブルペイントを採用しています。

 上質なクロームメッキは、マフラーやスロットルボディカバー、エアクリーナー入口のリング、チェーンカバー、フューエルタンクキャップ、前後ウインカーボディ、テールランプボディ、さらにブレーキペダル、ミラー、ヘッドライトリム、オイルフィルターカバーに採用。漆黒のボディの中で、美しさをいっそう際立てています。

 職人による手作業で5色に塗り分けられた立体成型のエンブレムは、ダブワン乗りとしては憧憬の念を抱かずにはいられません。かつては七宝焼でしたが、最新型はアルミ製。目黒製作所時代の繊細な質感とレトロ感が表現され、愛おしくて思わず手で撫でてしまうのでした。

■創業100周年を祝う

 目黒製作所の創業100周年を迎えて、最新式では2021年に初登場して以来、初のデザインアップデートを果たしていることも見逃せません。

「カワサキ250メグロSG」の後継車「MEGURO S1」が2024年11月20日に発売される「カワサキ250メグロSG」の後継車「MEGURO S1」が2024年11月20日に発売される

「カワサキ250メグロSG」(1964年/昭和39年)の後継「MEGURO S1」(72万500円)のデビューが発表され、話題となっていますが、タンクグラフィックをメグロシリーズとして共通化。オーセンティックなレトロスタイリングをより際立たせています。

 また、フロント19/リヤ18インチのスポークホイールは、リムをブラック仕上げにしました。メグロならではの落ち着いたカラーリングに仕上がりつつ、軽快さを印象づけています。

フロント19インチのハンドリングは、遠くまで見通しの効くアップライトな姿勢にぴったりでサウンドやトルクフィールを堪能できるフロント19インチのハンドリングは、遠くまで見通しの効くアップライトな姿勢にぴったりでサウンドやトルクフィールを堪能できる

 ベベルギアタワーを右側に配置した空冷4ストロークSOHC4バルブ直列2気筒エンジンは、低中速転域でのトルクを重視した出力特性で、360度クランクならでは等間隔爆発が生み出す豊かな鼓動感が味わえます。

 ゆったりと大らかな気持ちで走ることができるフロント19インチのハンドリングも、遠くまで見通しの効くアップライトな姿勢にぴったりで、リラックスしてバーチカルツインエンジンのサウンドやトルクフィールを堪能できます。

 自分のダブワンで走っているときにも感じますが、目的もなく、ただ走っているだけで幸せな気分。「MEGURO S1」もまもなく発売されるし、自分のガレージに新しいメグロと旧いカワサキが並ぶ姿を想像すると、ニンマリしてしまいます。

 もちろん、それは現段階では妄想に過ぎませんが、ついつい夢想せずにはいられません。

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