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どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説

バイクのニュース / 2024年11月25日 10時10分

エギゾースト部分に装備される「三元触媒」は、最近のバイクには必須の部品です。そんな「三元触媒」とは、どのような部品なのでしょうか。

■三元触媒とは?なぜバイクに必要とされているのか

 排ガス規制が厳しくなる中、バイクにもさまざまな技術が搭載され、環境負荷を低減する工夫が進んでいます。

 そんな中で最近は「三元触媒(さんげんしょくばい)」という装置が、多くの新型バイクに標準装備されるようになりました。しかし、三元触媒がどのような役割を果たし、なぜ現代のバイクにとって必要不可欠な存在となっているのか、詳しくは知らないという人も多いと思います。

 三元触媒は、エンジンからの排気ガスがマフラーを通過する際に、排気ガス中の有害物質を化学反応で浄化する役割を担っており、一般的にはエンジンからマフラーに向かう排気経路の途中、もしくはマフラー内部に設置されています。

 この三元触媒を搭載することで、排気ガスがバイク外部に放出される前に、主に一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の3つの有害物質を処理し、無害化してくれるのです。

触媒には主にプラチナ、パラジウム、ロジウムの3つの貴金属が使用されており、排気ガスに含まれる有害物質を化学反応で無害なものに変換する触媒には主にプラチナ、パラジウム、ロジウムの3つの貴金属が使用されており、排気ガスに含まれる有害物質を化学反応で無害なものに変換する

 触媒には主にプラチナ、パラジウム、ロジウムの3つの貴金属が使用されており、排気ガスに含まれる有害物質を化学反応で無害なものに変換します。なお、この装置が「三元触媒」と呼ばれるのは、文字通り3つの貴金属が使用されているからです。

 三元触媒には、酸化反応と還元反応の2つの化学反応が関わっており、このような化学反応を効率的に進めるために、三元触媒には高温が必要。

 通常、エンジンが始動してから数分間は触媒が十分に機能しないとされており、エンジンが温まった状態で本来の浄化性能を発揮します。そのため排熱が少ない小排気量のエンジンでは十分に機能しない場合もあり、50ccバイクが生産終了になるなどの影響も出ています。

三元触媒は近年の厳しい排ガス規制をクリアするために欠かせない装置三元触媒は近年の厳しい排ガス規制をクリアするために欠かせない装置

 前述したように、三元触媒は近年の厳しい排ガス規制をクリアするために欠かせない装置。特に欧州連合が定める「ユーロ5」と呼ばれる規制や、それと同等に設定されている日本の排出ガス規制は厳格で、これらをクリアするためには三元触媒を始めとする高度な排気ガス処理技術が必須です。

 三元触媒が設置されていないバイクでは、これらの規制をクリアするのが難しくなるため、現在販売されている多くのバイクにとって標準的な装備となりました。

 また、三元触媒は単に規制をクリアするだけでなく、環境保護や都市の大気汚染防止に貢献する役割も果たしています。バイクに限らず、自動車や他のエンジン駆動車両においても三元触媒は標準装備されており、こうした装置の普及が大気中の有害物質の削減に役立っているのです。

環境意識の高まりとともに、今後さらに三元触媒の性能向上が求められる事は必至環境意識の高まりとともに、今後さらに三元触媒の性能向上が求められる事は必至

 環境意識の高まりとともに、今後さらに三元触媒の性能向上が求められる事は必至でしょう。

 一方で、三元触媒にはいくつかの課題もあります。まず、三元触媒の内部には貴金属が使われており、製造コストが高くなりやすいことが挙げられます。特にプラチナやパラジウムなどの貴金属の価格が高騰すると、三元触媒の価格も上昇し、車両価格に影響を与える可能性は否めません。

 また、三元触媒の効果を発揮するためには、エンジンが温まっている必要があるため、短距離走行や頻繁なエンジンの停止・始動がある環境では、浄化能力が十分に発揮されないことも指摘されています。そのため、一部メーカーはエンジン温度を早く上げるための補助システムを導入するなど、触媒を早期に作動させる工夫をおこなっています。

 さらに、三元触媒は劣化が進むとその効率が低下するため、定期的なメンテナンスや交換が必須。バイクの使用頻度や排気量によっては、数年ごとに触媒の性能をチェックし、必要に応じて交換することが推奨されます。

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