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11年ぶり! MotoGPヨーロッパラウンドの現地観戦でモータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が感じた日本と欧州の違いとは

バイクのニュース / 2024年12月4日 13時10分

国内外で活躍するモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手がMotoGPの最終戦ソリダリティGPを現地観戦。そのレポートです。

■11年ぶりのMotoGP ヨーロッパラウンドを現地観戦

皆さんこんにちは。モータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道です。

 仕事でスペインのバルセロナに行く用事があり、その際に「EICMAか MotoGPの観戦と抱き合わせで予定を組みたいな」と思ったので、今回はMotoGPを観に行きました。

 11年前にMotoGPのムジェロラウンドを観に行った事があるのですが、その時ぶりのヨーロッパラウンドでの観戦の様子をお届けします。

 まず最初に、MotoGPのヨーロッパラウンドは日本ラウンドみたいにパドックパスが存在せず、基本ゲストパスのみです。

 しかし今回のカタルニアGPではパドックに人が多く、一部の噂では公には販売はしていないのですが、そもそもMotoGPの最終戦はバレンシアラウンドなのですが、2週間前の豪雨による水害で開催が出来なくなりました。

 そのため今回のカタルニアGPでパドックパスを販売し、売り上げを復興の資金に充てているというような話を聞きました。

カタロニアサーキットのパドックで立ち話をする小椋藍選手と濱原颯道選手カタロニアサーキットのパドックで立ち話をする小椋藍選手と濱原颯道選手

 僕は今回、友人の小椋藍選手にゲストパスとクルマ用の駐車パスを用意してもらいました。

 藍の話をすると僕まで照れてしまうのですが、彼との出会いは僕が8歳、彼が2歳の時。21年前になります。藍がバイクに乗る前から見ているのですが、そんな藍が今年世界チャンピオンになりました。

 僕としては友達が世界チャンピオンになったのはもちろん嬉しいのですが、6歳も下だし仮にも同じライダーでライバルなはずなので、でもやはり世界チャンピオンという、誰もがなれるわけではない存在になった友人を、ヨーロッパの地で見てみたいと思ったんです。友達であろうと、リスペクトは大事なので。

 最近はバイクや釣り、お酒など、話も色々と合うやつなので遊んだりする機会も多く、少し照れながら「最終戦を観に行きたいんだよね」とだけ伝えたら、「パスはどうにかできるよ。あと俺んちに泊まっていいし」と言ってくれ、今回のMotoGP最終戦を観戦する事が叶いました。

 レースウィークなのに色々と手配してくれて、ありがたいです。直接言うと恥ずかしいのでここに書きました(笑)。

日本GPはパドックパスが販売されていますが、ヨーロッパラウンドは販売されていません。なのでここに写っている方々は基本的にゲストパスで入場しています日本GPはパドックパスが販売されていますが、ヨーロッパラウンドは販売されていません。なのでここに写っている方々は基本的にゲストパスで入場しています

 そんなこんなで、木曜日と金曜日の午前で僕のスペインでの仕事は終わり、その後はカタルニアサーキットに到着。金曜日のお客さんの数はそれなりでした。

 土曜日と日曜日は、お客さんは入っていましたが、グランドスタンドは空席もあります。その代わり無料の観覧席と言っても単なる芝生ですが、そこは満席でした。

 そして駐車場も無料の場所がありました。土曜日はそこに駐車したのですが、メインゲートまで5分ちょっと歩けば到着します。

 そして入場券を買えば無料の芝生の席で見る事が可能と言う環境を見て僕は、大金を払ってまで観にくる訳ではなく、安く観にこれるからお客さんが多いんだなぁと思いました。

 日本だとまずは利益が最優先ですが、今回のカタルニアはそんな事はなく、「お祭りがやっているから来いよ」みたいな感じで、観にきている人たちもそんな雰囲気でした。

こちらが自由席の草むら。本当に草むらですが、人が多いですこちらが自由席の草むら。本当に草むらですが、人が多いです

 MotoGPのスプリントレースの時も、芝生で寝ているだけの人もいましたからね。そして、ゲストパスもそうなんですけど、年間で数は限られていますが、家族とかは無料でパドックに入れます。

 そりゃそうですよね。選手の家族なんですもん。日本だとスポンサーのチケットは確保するけど、家族の分は買ってくださいみたいな感じで、家族を招待する事はできない事がほとんど。

 僕もよく、自分のスポンサーさんには「お金出して買ってもらえる嬉しいです」と、お願いしています。

 その選手の今を作ったのは家族な訳であって、家族は招待でもいいですが、スポンサーさんはお金があるので、買ってくださいという価値観です。

 無料で配るものは配って、お金を取るところからは取る。そんな、ヨーロッパのチケットの形態は、とても素晴らしいと思いました。

■嬉しくも複雑な友人たちの快挙

 レースの内容は、他の記事で読んで欲しいのですが、僕が書くのは身近な人間の話だけ。仲のいいmoto3クラスに参戦する古里太陽選手も悔しい結果で終えましたし、藍も悔しい結果でレースを終えました。

 そういう意味では今回のカタルニアGPは、僕にとっても悔しいレースと言う感想です。

 今年、藍はmoto2クラスでチャンピオンを獲り、最終戦を怪我なく終えたから良いと思っている人も多いと思いますが、それとは別で最終戦の結果は悔しいと思います。

帰りのクルマの中で「祭りのあと」を流して2人で黄昏ていました帰りのクルマの中で「祭りのあと」を流して2人で黄昏ていました

 そんな悔しがっている藍を、まずはホテルまで送り届けたのですが、「俺はこの曲が聴きたい」と言って、藍が桑田佳祐さんの「祭りのあと」を流し出したので、2人で聞いていました。

 ちなみにこの曲は僕の十八番でもあります。「情けない男でごめんよ~」という歌い出しで始まるのですが、「今の俺にぴったりだわ」と、自虐も交えながら2人でドライブをしていました。

 その後はMotoGPの年間表彰式の会場まで藍を送り届け、僕の分のチケットもあったのですが、正装をしていないと入場できないので、僕は近くの繁華街をうろつく事に。

 表彰式を終えた藍をピックアップし、2人ともお腹が空いていたので、チェーンのイタリアンレストランに行き、2人でパスタを食べました。

 さっきまで日本の代表としてレースを走っていて、世界チャンピオンも獲って、普通はそこで人って驕っちゃうと思うんですけど、藍は違い、いつも通りでした。

藍の今回のスペシャルカラーなマシンの、シートストッパー部に貼られたスペシャルステッカー藍の今回のスペシャルカラーなマシンの、シートストッパー部に貼られたスペシャルステッカー

 火曜日に乗るMotoGPマシンの事だけを考えている感じで、いつも通りのしょーもない話をして、レストランを後にし、家まで送り届けました。

 友達だからこそ、もっとフランクに行きたいけど、世界チャンピオンだし、日本人で1番バイクに乗るのが上手いと思っているし、でもリスペクトを出し過ぎると藍が接しにくくなるかも知れないしという葛藤を感じていたのはここだけの話(笑)。

 1番最新の水曜どうでしょうで藤村Dが大泉洋さんに、めちゃくちゃ気を使いまくっているシーンを思い出しました。大泉洋さん側は普通なのに、気を遣いまくる藤村Dの気持ちに共感。

 そんなこんなで、英語もスペイン語も喋れない僕が1人でスペインに行き、宿やらレンタカーやらを1人で用意した、今回のスペイン旅行記。この記事は帰りの飛行機の中で書いているのですが、大変だったけど、楽しかったです。

パドックエリアはとても豪華パドックエリアはとても豪華

 そして、僕が行きたかったけど行けなかったMotoGPの本場で、藍や太陽を観られて本当に良かったです。

 今更同じ舞台で彼らと戦う事は難しいですが、アイツらが日本に戻ってきた時に「お、やるじゃん」って言ってもらえるようなスキルを身につける為に、僕もこの冬は走り込んで「日本には僕がいるんだからな、舐めるなよ」と言えるように、精進しようと思いました。

 そんな感じで、今回の記事は今までにないくらいラフな感じですみません(笑)

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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