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一体どう変わる? 新基準原付導入後の「ミニカー登録」の扱いとは

バイクのニュース / 2024年11月29日 9時10分

新基準原付の区分が導入されることにより、ミニカー登録にはどのような影響があるのでしょうか。

■新基準原付導入でミニカー登録可能な車種は「ジャイロe:」、「ジャイロキャノピーe:」

 三輪以上の原付で、排気量が20cc超から50cc以下もしくは定格出力0.25kw超から0.6kw以下の車両のうち、車室を備えている車両、またはトレッドが500mmを超える車両はミニカー登録をすることができます。

 ミニカー登録をすると、道路交通法においては普通自動車に区分されることになります。

 そして現状、ホンダの三輪バイクは、上記の「三輪以上の原付で、排気量が20cc超から50cc以下もしくは0.25kw超から0.6kw以下の車両」に当てはまります。そのため車室もなく、トレッドも足りていませんが、トレッドを広げてミニカー登録をする人も少なくありません。

 ミニカー登録をすれば二段階右折やヘルメットが不要になったり、第一通行帯の走行義務がなくなる、法定速度が30km/hから60km/hになるといったメリットがあります。

 しかし、新たな排ガス規制をクリアする50cc原付の開発は技術的に困難なため、2025年11月からは新基準原付の区分が導入される見込みです。

 では、新基準原付導入により、ミニカー登録の基準に変更はあるのでしょうか。

新基準原付導入によりミニカー登録が可能な車両は、ホンダ「ジャイロe:」、「ジャイロキャノピーe:」の電動三輪スクーター2モデルのみ新基準原付導入によりミニカー登録が可能な車両は、ホンダ「ジャイロe:」、「ジャイロキャノピーe:」の電動三輪スクーター2モデルのみ

 現行モデルで、トレッドを広げてミニカー登録をすることができる車両は、ホンダの「ジャイロ X」、「ジャイロe:」、「ジャイロキャノピー」、「ジャイロキャノピーe:」の4台。

 これらは現行の原付一種に区分されますが、新基準原付導入によりミニカー登録が可能な車両は、「ジャイロe:」、「ジャイロキャノピーe:」の電動三輪スクーター2モデルのみとなります。

 ホンダは2024年11月1日、2025年11月に国内の排ガス規制の強化に伴い、2025年5月を目処に「スーパーカブ50」の生産を終了すると発表。

 これは、排ガス規制をクリアするためのバイクを作るために新たな投資をしても、単価の安い50ccバイクでは採算がとれないと判断したとの理由です。

 さらに、他の排気量50cc以下の原付一種も、2025年11月までには生産を終了する予定となっており、「ジャイロ X」、「ジャイロキャノピー」の2モデルも、新基準原付導入のタイミングで生産終了となります。

新基準原付は、総排気量125cc以下または最高出力4kW(5.4ps)以下の車両新基準原付は、総排気量125cc以下または最高出力4kW(5.4ps)以下の車両

 なお、新基準原付の区分は以下のとおりです。

 まず新基準原付は、総排気量125cc以下または最高出力4kW(5.4ps)以下の車両。現行の原付一種は総排気量50cc以下で、最高出力の規制はありません。この「総排気量125cc以下」という点で原付二種と似ていますが、原付二種は総排気量125cc以下で、最高出力に規制はありません。

 一方で、新基準原付は現行の原付(一種)の道路交通法のルールが踏襲されるため、法定速度は30km/h、二段階右折の義務、原則第一通行帯を走行しなければならないといった原付特有の規則に従わなければなりません。

 そのため将来的には、ミニカー登録をした「ジャイロe:」がクルマのルールで道路を走り、ジャイロe:よりも車格の大きな125ccのバイクが、いわゆる原付ルールで走行するという、一見ちぐはぐに見える光景が通常になる可能性もあるでしょう。

 ちなみにジャイロX、ジャイロキャノピーは、デリバリー界には欠かせない宅配バイクとしても、とても人気の高いモデルです。現時点ではジャイロが排気量をアップする予定はありませんが、人気車種ゆえに今後も無いとは限りません。

 仮に排気量125ccのジャイロが出てきた場合、ミニカー登録ができる条件を満たさないため、ミニカー登録はできないので注意しましょう。

トレッド幅390mmのヤマハ「トリシティ125」をトライク化するには、ワイドトレッド化をしなければならないトレッド幅390mmのヤマハ「トリシティ125」をトライク化するには、ワイドトレッド化をしなければならない

 しかし、トライク化して側車付軽二輪で登録をすることは可能。側車付軽二輪登録は、排気量50cc以上であれば可能なので、側車付軽二輪で登録をすれば、ミニカー登録をした場合と同様に、道路交通法上はクルマと同じ扱いになります。

 なお、側車付軽二輪登録をする場合は、同一線上の車軸における直線の距離が460mm以上である必要があります。そのため、たとえばトレッド幅390mmのヤマハ「トリシティ125」をトライク化するには、ワイドトレッド化をしなければなりません。

 一方でジャイロXやジャイロキャノピーの場合は、現行モデルですでに495mmあるため、今まではボアアップをして排気量を上げ、側車付軽二輪登録をするのが一般的でしたが、排気量125ccのジャイロが出てきた場合、ノーマルですでに側車付軽二輪の条件を満たしていることになります。

 そうなると、「側車付軽二輪」と「原付二種」のどちらに区分されるのか、または「新基準原付」として登場し、「新基準原付」に区分されるのか、気になるところです。

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