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カワサキ「Z2」エンジン 予熱段取りで塗装の「タレ流れ」を防止 DIYでガンコートペイントに挑戦!! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.24

バイクのニュース / 2024年11月29日 7時10分

国産モーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める高性能車であるカワサキZ1/Z2シリーズ。750RS/Z2-A後期モデルをフルレストア中ですが、いよいよエンジン部品のDIYガンコートペイントの段取りになります。ペイントネタにシンナーを混ぜ、さらに硬化剤も混ぜるウレタンペイントなどとは異なり、わずか「1液」の塗料で、希釈なども必要としないのがガンコートの大きな特徴でもあります。さぁ、どうなりますか……

■ペイントガンはノズル口径=ノズルの太さで仕上がりが変化する

 耐ガソリン性やパーツクリーナーなどの耐溶剤性に優れ、しかも耐ブレーキフルード性にも良好なのがガンコートペイントの特徴です。しかも、ペイント塗膜が排熱効果を持つ「機能ペイント」としても知られています。

 つまりガンコートペイントすることで、エンジン冷却が早くなります。空冷エンジンには特に最適なペイントとして、80年代頃から数多く実用化されてきたのが、ガンコートペイントでもあります。

プロはガンさばきが上手で吹き付け過ぎてタラしてしまうようなことはありませんが、我々のような素人のDIYペイント作業では失敗から少しでも回避できるように、パーツは事前温め=プリヒートによって温め、タレや流れの防止と密着促進を図ってみることにしましたプロはガンさばきが上手で吹き付け過ぎてタラしてしまうようなことはありませんが、我々のような素人のDIYペイント作業では失敗から少しでも回避できるように、パーツは事前温め=プリヒートによって温め、タレや流れの防止と密着促進を図ってみることにしました

 しばらく使わずにいたガンコートは、ネタ缶の中で顔料が沈殿してしまい、透明の溶剤と分離してしまうことがあります。ガンコートに限らず、すべてのペイントは顔料と溶剤が分離しやすいですが、ガンコートは想像以上に顔料が重い塗料のようです。

 しっかり繰り返しシェイクすることで(塗料容器を振ってカラカラ音を立てながらシェイクします)、本来持つペイント性能に回帰するので安心です。仮に、同日作業だったとしても、ペイントガンのカップへ塗料を注ぎ入れる直前には、塗料容器を必ずシェイクしましょう。しっかり混ぜながら事前段取を進めて行きましょう。

深い冷却フィンが並ぶシリンダーに関しては、奥深くの見え難い部分からペイント開始して、徐々に露出部分(外側へ)へ移行しながら吹き付けていくのが良いようです。プリヒートに助けられ、塗料がタレることはありませんでした深い冷却フィンが並ぶシリンダーに関しては、奥深くの見え難い部分からペイント開始して、徐々に露出部分(外側へ)へ移行しながら吹き付けていくのが良いようです。プリヒートに助けられ、塗料がタレることはありませんでした

 いよいよペイント&乾燥工程に入りますが、今回のDIYペイントでは、ノズル口径φ0・6mmのスプレーガンを、すべてのペイント作業で利用しました。

 シリンダーやシリンダーヘッドのように、奥深く切り立った冷却フィンがある部品をペイントする場合は、ノズル口径φ0・6mm仕様を利用し、薄く重ね塗りしていくのが良いようです。

 一方、クランクケースやヘッドカバーのように、平面かつ広範囲を塗る場合は、ノズル口径φ1・0mmの太いノズル仕様の方が、素早くかつ効率良く、しかもキレイに塗料を吹き付けることができるようです。

ヘッドカバーは比較的塗りやすい部品です。ペイント部品で唯一ポリッシュ仕上げが入るカムシャフト部の両外側のバフ掛けは、カバー類の仕上げと一緒に磨き業者へ依頼して、仕上げて頂きましたヘッドカバーは比較的塗りやすい部品です。ペイント部品で唯一ポリッシュ仕上げが入るカムシャフト部の両外側のバフ掛けは、カバー類の仕上げと一緒に磨き業者へ依頼して、仕上げて頂きました

 前述したように、今回は終始φ0・6mmノズルのペイントガンを利用しましたが、そんな作業中に、塗りにくい場面もありました。

 作業完了後に、別の部品を用意して、ノズル口径φ1・0mmのガンを借りてペイントしてみると、広い面積を素早く安定的に塗るには、φ1・0mmノズルの方が明らかに扱いやすく好印象の仕上がりでした(事前に試し塗りするべきでした)。

■別の部品で練習=試し塗りしてから本番へ

 ガンコートペイントを取り扱う国内総輸入発売元のカーベックでは、常温でもヒートガンを併用することで、冷却フィンの奥が塗りやすく、フィン先端部分がタレにくいと解説しています。

シリンダーを横置きにしてフィンの奥を塗る場合は、ガンノズル正面の吹き付けパターンを横吹きにして、ムダ無く密着するように奥から吹き付けるのが良いようです。プリヒートでパーツが温まっていると、重ね吹きしてもタレにくい印象ですシリンダーを横置きにしてフィンの奥を塗る場合は、ガンノズル正面の吹き付けパターンを横吹きにして、ムダ無く密着するように奥から吹き付けるのが良いようです。プリヒートでパーツが温まっていると、重ね吹きしてもタレにくい印象です

 今回は、ペイント直前に50度設定で20分程度の「事前温め=プリヒート」を行い、パーツを温ためた状態でペイント作業に入りました。実作業を行った印象では、自分も含めて初心者ペインターには、部品をプリヒートするのがお勧めかも知れません。

 さらにパーツ形状によっては、ヒートガンを併用したほうが、確かに良い仕上がりになりそうです。具体的には、すき間が狭く奥が深い冷却フィンを塗る際には、ガンノズル正面のパターン向きと幅の調整を行い、奥深いフィンの底とフィン面を効率良く、美しく塗り進めます。言葉の説明ではなく、実際にガン吹き経験することで、その扱い方を体得できるようになります。どんな作業も、すべて経験の積み重ねだと感じました。

カーベック製高温乾燥器CV-600を使って焼き付け乾燥させました。クランクケースの上下セットとそれ以外の部品の組み合わせで、2回に分けてすべての部品を乾燥できました。さらに大きな乾燥器なら、1度にすべての部品を焼き付け乾燥できますカーベック製高温乾燥器CV-600を使って焼き付け乾燥させました。クランクケースの上下セットとそれ以外の部品の組み合わせで、2回に分けてすべての部品を乾燥できました。さらに大きな乾燥器なら、1度にすべての部品を焼き付け乾燥できます

 4気筒エンジンのカワサキ空冷Zは、エンジンパーツが大きいため乾燥工程で専用の乾燥機が必要不可欠てす。

 一方、小型エンジンパーツであれば、台所用の家電としても知られるオーブントースターのような機器で焼き付け乾燥させることができます。

設定温度の180℃に達してから、1時間の乾燥時間になります。板ものパーツは温度が上がりやすく乾燥状況も良いですが、エンジンパーツのように複雑な形状で熱が均一に入り難い場合は、同じ設定で2度焼きすれば確実に乾燥すると思います設定温度の180℃に達してから、1時間の乾燥時間になります。板ものパーツは温度が上がりやすく乾燥状況も良いですが、エンジンパーツのように複雑な形状で熱が均一に入り難い場合は、同じ設定で2度焼きすれば確実に乾燥すると思います

 ガンコートペイントの国内輸入発売元のカーベックでは、バイクいじり好きなサンデーメカニックやアマチュアペインターに向けて、高温小型乾燥機の「CVジュニア」をラインナップしています。小排気量エンジンのガンコートペイントでは活躍すると思います。

 気になる高温焼き付けによる乾燥温度は、180℃に設定し、槽内温度が設定値に達してから1時間の連続乾燥が基本レシピになります。つまり高温乾燥器が無いとガンコートペイントは仕上げられません。塗るまでの作業が比較的容易なので、DIYペイントを楽しんでいくうちに、大きな高温乾燥機が欲しくなってしまいます。ぼくもそうでした。

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