始めて見た日から「プロトタイプ」レプリカに心酔!? 「スーパーカブ110・60周年アニバーサリーモデル」をベースにしたカスタムワールド
バイクのニュース / 2024年12月4日 8時10分
スポットライトの中で輝くゴールデンカラー(ゴールドメタルフレークカラーペイント)のスーパーカブ。生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念モデルが発表されることを聞きつけ、東京モーターショーの会場まで見に行き、実際に現車を見て「よし、これを買うぞ!!」と強く誓ったのが、マシンオーナーさんでした。しかし、実際の予約受注が始まると、あれれ? 違う……
■スーパーカブの誕生は昭和33年=1958年でした
東京六大学野球のスーパースター、長嶋茂雄選手が読売巨人軍に入団したのが昭和33年、1958年のことでした。映画「三丁目の夕日」で登場した、建設中の東京タワーが後に完成したのも同年です。
そんな記念すべき昭和33年、バイク業界でも大きな出来事がありました。それは、日本が誇る、後の世界戦略モデルへと大成長した、ホンダスーパーカブの初代モデルである「スーパーカブC100」が発売されたことです。
スーパーカブ誕生の1年前、1957年に誕生したホンダ「ドリームC70」。「神社仏閣スタイル」と呼ばれて人気を博しました
当時のホンダ車は、排気量呼称ではなく「モデル型式が車名」になることが多かったため、車名C100とは言え、排気量は50ccの原付一種モデルです。当時の原付免許は許可書制で、満14歳になると取得できました。
C100の登場よりも1年早い1957年には、排気量250ccで「神社仏閣スタイル」と呼ばれて人気を博した、ドリームC70(ナナマルと呼ばれた)が登場しました。後にC70は、モデルチェンジでC71(ナナイチ)へと進化。
路面電車の軌道枠内を走れる自動二輪モデルとしては、排気量305ccのC75→C76(ナナゴー→ナナロク)が発売されました。当時のホンダ製バイクは、最大排気量モデルが305ccの時代でした。
2018年に発売された「スーパーカブ50/110・60周年アニバーサリーモデル」
そんなスーパーカブC100の登場から60年に当たる2018年には、スーパーカブの60周年限定モデルが登場しました。
過去にもスーパーカブは、事ある毎に限定モデルを発表発売し、生誕50周年の年には、初代C100をイメージした、ボディカラーにマルエムブルーを採用した記念モデルも発売しています。先日発表され、2024年11月24日まで受注していたスーパーカブ50“ファイナルエディション”は、免許制度変更に伴い、50ccのスーパーカブとしては最終モデル=限定車として発売されました。
■モーターショー参考出品車の「ゴールドフレーク」を再現したい!!
何らかの事柄に対して、強い思い入れを持つバイクファンは数多くいると思います。ここに紹介するスーパーカブのカスタム車オーナーさん(プロペインターが本職)兼、車両製作担当者さんも、まさにそんなひとりでした。
ホンダ横型エンジン搭載モデルのファンで、2017年秋に開催された東京モーターショーでは、スーパーカブの「生誕60周年×生産累計1億台突破記念車」が展示されると知り、自身の眼で見たくなり、ショー会場へ脚を運びました。
カスタム開始当初は純正の赤部品をペイントして……と考えたそうですが、リアサスとスイングアームを除く色もの部品はすべて新品部品を購入。「こんな感じになってしまいました」と木村さん。シートはより高品位な素材とゴールドパイピングステッチで張り換えたそうです
1度見ただけでは、見足りないと感じたので、家族を引き連れ、別の日にもう一度、壇上に展示されているゴールドフレークカラーのスーパーカブ記念車だけを目当てに、モーターショー見学へ出掛けたそうです。これぞまさに、強い思い入れ以外の何ものでもありません。
ショー発表翌年の2018年には、生誕60周年×生産累計1億台突破記念限定車が発売されるとの情報をキャッチ。しかし!! カラーリングはゴールドではなく、何と郵便バイクと同じ赤色へ変更されていました……。
スーパーカブC100は、当時のアメリカ市場で「ナイセストピープルキャンペーン」を展開していて、どうやらそのイメージを狙ったモデルに仕様変更されたようでした。熱烈なスーパーカブファンからは「それだったら、白色のダブルシートぐらいは取り付けて欲しかった……110ccなんだから」といった声も聴かれました。モーターショー会場へは2度も脚を運び、圧倒的な存在感に心奪われていた彼にとっても、かなり残念なニュースでした。
それならば「赤色限定車を購入して、メタルフレークゴールドにペイントし直してしまえば、モーターショー発表の参考出品車のように仕上げられるかも!?」と考えたのが、このカスタム車オーナーでもある木村さんでした。
発売予約開始の情報を得るのと同時に、バイク屋さんへオーダー。しばらくすると入荷案内があり、手元に限定モデルが納車されました。ナンバー登録しましたが、試乗することなど一切無く、納車と同時に車体はバラバラに分解され、必要な部品のリストアップが始まりました。
ショー会場で見て、スマホに数多く収めた写真画像を参考に、ゴールドフレークカラーへの色替えが始まりました。同じスーパーカブ110でも、淡いカラーリング仕様の新品部品を一式購入したそうです。そして、一気に塗り上げて、しっかり乾燥させてから、車体に取り付けられました。
光線の加減で様々な箇所がキラキラと輝く、細目のメタルフレーク塗装が実に美しいスーパーカブ60th累計1億台突破記念の参考出品車をレプリカしたカスタムカブ。高品質な仕上がりには観るものを引き寄せるオーラがあります
「ゴールドフレークと比べて赤色の方が、一般の方からはウケますよね。ペイントコストも安いので、より多く受注を得られると考え、色変更されたのですかね!? 確かに、カラーリング問題もありますが、あと幾らか定価が高くなっても、限定車専用の装備が欲しかったのが正直な印象です」とは木村さん。
「限定車」という言葉に弱いのが日本人。しかし、木村さんは、モーターショー会場でひとめぼれした、限定車の中の限定車の創造が始まりました。「特色カスタムでこだわるスーパーカブの世界」も楽しそうですね。
高品質な仕上がりには、観るものを引き寄せるオーラがあります。量産車とは違った、細部に渡る丁寧な作り込みが見てとれます
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
スーパーカブのアイコンと言えば「レッグシールド」 ちょい古スーパーカブでも美しくありたい
バイクのニュース / 2024年12月18日 7時10分
-
50ccの「スーパーカブ」が生産終了! 世界中で愛されたシリーズの歴史を振り返る
&GP / 2024年12月15日 7時0分
-
66年に幕! ホンダ“最後の”「スーパーカブ50」発売に反響多数! 「とうとう終焉」「悲しい」 超レトロデザイン&「専用ブルー」の特別な「ファイナルED」登場 「カブ110」は存続へ
くるまのニュース / 2024年12月14日 12時10分
-
初登場から60年以上に渡りベストセラー “ちょい古スーパーカブ”と楽しく付き合いたい
バイクのニュース / 2024年12月11日 7時10分
-
スーパーカブ仲間も体験した「モダナイズ」 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.22
バイクのニュース / 2024年11月20日 7時10分
ランキング
-
1すぐに使える「こたつセット」おすすめ3選 テーブルとお布団がまとめてそろう【2024年12月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年12月17日 20時45分
-
2手数料自由化から25年…“戦国時代”真っただ中のネット証券は決算で明暗クッキリ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月18日 9時26分
-
3えっそんなに多いの?一人暮らしの平均貯蓄額はいくら?
オールアバウト / 2024年12月17日 19時30分
-
4関節可動域が認知機能を維持するために重要なのはなぜか【正解のリハビリ、最善の介護】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月18日 9時26分
-
5ゴミ係のおじさんが「鳥羽城の未発見絵図」を発掘するなんて…ドイツ在住作家が「さすが日本」と感嘆したワケ
プレジデントオンライン / 2024年12月18日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください