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カワサキ「Z2」走行僅かでも「排気バルブガイド」にはガタが発生!! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.26

バイクのニュース / 2024年12月13日 8時10分

メイド・イン・ジャパンのモーターサイクルを代表する一台として、誰もが認める存在と言えるのがカワサキZ1/Z2シリーズです。内燃機加工は、Z1Eエンジン化に向けたて必須項目になります。ここでは、ガンコートペイントの実践前に、あらかじめ内燃機加工依頼していた、エンジン腰上部品の内燃機加工メニューをリポートします。

■ガンコートペイント前に施しておいた内燃機加工

 筆者の所有するカワサキ「Z2」に搭載されたエンジンは、Z1E仕様+αのパワーアップを目論見、完全分解しました。

 実は、バラバラに分解したもうひとつの理由は「薄汚いエンジンのリペイント」でした。ブラックペイントが剥がれ、場所によっては腐食でパリパリ割れて、白い粉が発生……。特に、エンジンナンバーの打刻周辺は腐食が酷く、肉眼で「Z2E-」以降の打刻数字が読みとりにくい状況となっていました。

時系列的には組み立て後の画像になりますが、ほぼ完成したコンプリートエンジンになります。分解前の薄汚かったエンジンと比べて、相当に美しい仕上がりを得ることができました。車体に搭載して、走れる日が楽しみです時系列的には組み立て後の画像になりますが、ほぼ完成したコンプリートエンジンになります。分解前の薄汚かったエンジンと比べて、相当に美しい仕上がりを得ることができました。車体に搭載して、走れる日が楽しみです

 そこで、完全分解したエンジン部品にはDIYでサンドブラスト処理を施し、ペイント前の下地作りを実施してから、内燃機加工を依頼しました。このブラスト処理に関しては、地肌が汚れずに済むので、内燃機加工後に実施した方が良いケースもあります。

 しかし、アルミ地肌を輝かせるガラスビーズ仕上げの時でも、ペイント仕上げの時でも、いずれの場合でも、アルミナメディアによるサンドブラスト処理=下処理を施した後に、内燃機加工を依頼するようにしています。ある程度まで下仕上げしておくことで、後々の本仕上げが、圧倒的に楽になるのがその理由になります。

様々なご意見があるとは思いますが、内燃機加工依頼前に、アルミナメディアによるサンドブラスト「下処理」(仕上げの前段階)を行いました。ガンコートによるブラック仕上げを想定したアルミナ仕上げになりますが、この段階まで下処理した後に内燃機加工依頼しました様々なご意見があるとは思いますが、内燃機加工依頼前に、アルミナメディアによるサンドブラスト「下処理」(仕上げの前段階)を行いました。ガンコートによるブラック仕上げを想定したアルミナ仕上げになりますが、この段階まで下処理した後に内燃機加工依頼しました

 また、ペイント剥がれや汚れを落とすことで、汚れていたときには気が付かなかったような、何らかのトラブル要素を見つけることもできます。

 特に、燃焼室などは、カーボンやオイルスラッジが付着した状態では、クラックなどなど、細部のトラブルを発見しにくいことが多いです。ひとそれぞれで考え方は異なると思いますが、ぼくの場合は、仕上げ前の段取り状況まで進めてから、内燃機加工を依頼します。そして、加工終了後に表面仕上げ(ペイントなりガラスビーズショットなり)を行うようにしています。

■内燃機加工の世界も日進月歩

 内燃機加工はiB井上ボーリングさんへ依頼しました。シリンダーヘッドは、吸排気バルブガイドの入れ換えとシートカットになります。吸排気バルブは再利用しますので、バルブシートと当たるバルブフェースの研磨加工をお願いしました。

走行距離が極めて浅かったZ2Eエンジン。おそらく実走行でも数千キロ程度のエンジンだったと思われます。街乗りメインで走らせていたので、燃焼室内にはカーボンがしっかり堆積した状態でした走行距離が極めて浅かったZ2Eエンジン。おそらく実走行でも数千キロ程度のエンジンだったと思われます。街乗りメインで走らせていたので、燃焼室内にはカーボンがしっかり堆積した状態でした

 シリンダーに関しては、Z1E用の純正スリーブ(中古部品を購入しました)を圧入し直すために、シリンダーバレル(ブロック)をボーリング拡大し、その後に、スリーブの圧入とφ69mmピストンに合わせたボーリング&プラトーホーニングを依頼しました。

 さらにシリンダーの仕上げとして、シリンダーヘッドガスケット面の平面研磨も依頼しました。この内燃機加工メニューは、エンジン腰上オーバーホール時の「定番メニュー」と呼べる内容です。

 「エンジンを愛するすべての人のお手伝いをしたい」内燃機加工を通じて我々サンメカの守護神となってくれているiB井上ボーリング代表の井上壯太郎さん(手元のシリンダーは900Z1用のICBMシリンダーです)。取材撮影協力/iB井上ボーリング 「エンジンを愛するすべての人のお手伝いをしたい」内燃機加工を通じて我々サンメカの守護神となってくれているiB井上ボーリング代表の井上壯太郎さん(手元のシリンダーは900Z1用のICBMシリンダーです)。取材撮影協力/iB井上ボーリング

 現在はアルミメッキスリーブでシリンダーを仕上げるICBMが圧倒的に普及しています。カワサキ初代空冷4気筒エンジンのオーナーさんは、機械遺産のオーナーでもあり、圧倒的なモダナイズが可能になるICBMで加工依頼する方が増えています。

 アルミスリーブに、ニッケル・シリコン・カーバイトの特殊めっきを施したのがICBMシリンダーは、圧倒的な熱伝導性と放熱性を誇り、摺動抵抗の低減によって、ピストンリングの摩耗も抑制されます。

 技術名称こそ異なりますが、各バイクメーカー、自動車メーカーが最新のエンジンに施しているメッキシリンダー技術を、旧車エンジンにも採用することができるのがiB井上ボーリングてす。

 外観的な見た目が同じでも、現代のエンジン技術を内部へ採用することで、エンジン性能の向上と寿命向上に大きく貢献するのがICBM技術になります。愛車を長く走らせたと考える方にはうってつけのメニューといえるでしょう。

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