スーパーカブのアイコンと言えば「レッグシールド」 ちょい古スーパーカブでも美しくありたい
バイクのニュース / 2024年12月18日 7時10分
ホンダの名機「横型」エンジンを搭載したスーパーカブ90。同モデルの1974年型、通称名「かもめ」型を購入しました。このモデルをベース車両に、メンテナンス&チューニングを楽しもうと考えましたが、もちろん気になる部分が無いわけではありません。その中でも、スーパーカブだとひと目でわかる「レッグシールド」のコンディションは、見た目からして気になります。もはや入手困難な、旧型カモメ90用レッグシールドの美的再生!? 何とかしたいと思い、プロショップさんへお願いしました。いつかは、スポーツモデルのようにツーリングへ出掛けたいと思っていますが……
■個人的なお気に入りモデル「かもめ」時代のスーパーカブ
バイクの外観コンディションやヤレ具合に関する考え方はユーザーによってことなるでしょうが、「バイクはいつもキレイでありたい!!」とは、ぼくの考えです。
そんな想いをバイク好きのみなさんに押し付けようなどとは思いませんが、今ひとつ美しくない状態のまま走らせ続けているバイク仲間には「もう少し磨いてあげないと可哀そう……」程度のお話しはしています。跨がって、走って、楽しむよりも、今となっては「いじって、磨いて!!」の方が、ずっと楽しいと思っているのが自分です。
1974年製造のスーパーカブC90K2。後のカブ90とは異なりCS90系のフルサイズ90ccエンジンを搭載していました。フルサイズ90はトルクフルで力持ち。2000年代まで生産された郵政MD90にも、この系列エンジンが搭載されていたと知れば、頷けますよね
カブ主様になって数年が経過しましたが、その間、C100のエンジン修理に始まり、OHVシリーズ数台、旧型C90カモメ号も数台購入。今、手元には、ピノキオ時代のC100があります。
気まぐれでポチッと購入したC90M2(セルダイナモ付きのカモメK2)はバイク仲間に譲渡し、今尚、元気良く走らせ続けています。このM2仕様は、現代のバイクと比べると珍しく、生まれながらに12V仕様で、アウターフライホイールではなく、重~いダイナモを装備した12ボルト仕様です。キック始動と「セルダイナモ」始動を両立したモデルなのです。
同年代の標準モデルと比べ、横に張り出した大きな12Vバッテリーを装備する右サイドカバーデザインが特徴でした。他のモデルを例にすると、CB750K1用サイドカバーと横へ張り出したCB750K0用サイドカバーの違いと同じような印象です。
もちろんダイナモを内蔵する左クランクケースカバーの張り出しも大きく、メインスタンドを掛けるときに車体を持ち上げる重さが「ズッシリ」することで、その違いを体感することができます。
歩道や縁石とヒットして、部分的に欠落してしまったのでしょうか? 欠落していたレッグシールド左下は、前オーナーさんの手によって「樹脂溶着修理」されていました
そんなカブ主生活を送る中で、ぼくにとって一番のお気に入りであるカモメデラックス号を見たときに、購入当時から気になっていたのがレッグシールドの補修痕でした。
前オーナーさんの力作ですが、その仕上げをより美しく、何とかしたいと考えていました。そこで、ペイントのプロショップで知られる埼玉県寄居町のドリーム商會さんへ相談しました。ショップ名称の通りペイント工房ですが、代表の小島さんが大のホンダファンかつスーパーカブファンのカブ主様でもありました。
■別物かのような美しい仕上がりになりました!!
過去にはレッグシールドを美しく仕上げ直した自身所有のスーパーカブを見せて頂いたこともありましたので、樹脂溶着の形跡が残る我がかもめ号のレッグシールドを工房へ持ち込み、状況を診断して頂きました。
「あまりやりたい仕事ではありませんが、下処理次第で美しく再生できて、後々塗装がパリパリ剥がれることもありません」とは、ドリーム商會代表の小島さん。あのツギハギ仕様のレッグシールドが新品部品以上に美しくなりました
「積極的にやりたい仕事ではありませが、トータルでバイクを美しく仕上げるには避けられない部分ですよね。仕上げてみましょうか……」とは小島さん。どうやら旧型スーパーカブのレッグシールドの再生では、下処理のサンディングにコツがあるそうです。
似た形状で反対側が割れていたMD90用レッグシールドを素材として使い、はんだゴテを使って形状を合わせながら溶着補修したそうです。ドリーム商會さんで美しく仕上げて頂きました
想像以上に素材を粗磨きした後に、サフェーサーが染み込むような感じに吹き付けるのがコツだそうです。乾燥後に磨き込み、柔軟性を考慮した上で、ペイント仕上げします。例えば、表面がウロコ状になってしまったオフ車用フロントフェンダーでも、同じような下処理と対処法によって、柔軟性が高いペイント仕上げが可能になるそうです。
完成したと工房からご連絡を頂き、引き取りに出向くと、素晴らしい仕上がりに感激しました。
ここまでキレイになると、他とのバランスが今ひとつかも知れません。将来的には、エンジンカバーのシルバー(メタリック感の無い銀色)とサイドカバーだけは、リペイントしてみたいと思っています。
やっぱり「かもめハンドル」+通称エンジンカバーが「クジラ」デザイン時代のスーパーカブは、ぼくにとって一番の美しいシリーズモデルですからね。ちなみにかもめシリーズの製造期間は、国内仕様が1971年から1979年頃で、最終輸出モデルは北米専用の「パスポートC70」が1982年まで生産されていました。
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