これでいいんだ! ホンダから登場した世界初のE-Clutchモデル『CB650R』に試乗するよ!〜高梨はづきのきおくきろく。〜
バイクのニュース / 2024年12月28日 12時10分
毎月の8日がつく日は『高梨はづきのきおくきろく。』。ホンダのEクラッチ搭載モデル『CB650R』に、試乗するよ!
クラッチを握らずに発進、シフトチェンジ、停止まで可能にした「Honda E-Clutch」の謎に迫っていくよ。
■ホンダ『CB650R』E-Clutch搭載モデルに試乗します
皆さんこんにちは、高梨はづきです。
今回は、ホンダのラインナップに新たに仲間へと加わった、世界初のE-Clutchモデル『CB650R』をお届けするよ!
ホンダ『CB650R』E-Clutch搭載モデルをお届け!
E-Clutch(以降Eクラッチ)が発売されたと聞いてからずっと気になっていたんだ。まだかなまだかなって首を伸ばして待っていたんだけどやっと乗れる日が来て嬉しい。待ってました!(パチパチ)
世界初と銘打つモデルって、大体発表から販売までまずは海外が最初で、その後日本にやってくるイメージを持っていたけど、日本から先行して販売が開始されることってあるんだね!それだけ日本のユーザーに乗ってもらいたいモデルなのかなと思ったり。
わたし、実は日本の誇りであるホンダ車の製造といっても、全てのバイクが海外で作られているものだと思っていたの。でも聞くところによると、大型車両だけは日本で作られてるって話を聞いた。コスト面で、国内製造を貫き通すのは大変なことだと思うけど、大型バイクだけでも意識して国産としてくれているのはやっぱり嬉しいよね。
Eクラッチとは、クラッチレバーを握らずに変速・アクセルをひねって発進できてしまう"クラッチコントロール自動制御"という機能のこと
さて、そんなEクラッチ、どんなものかといえば、クラッチレバーを握らずに変速・アクセルをひねって発進できてしまう”クラッチコントロール自動制御”という機能のこと。これは、通常のMTバイク同様、足でシフトペダルの操作はしないといけないのだけど、クラッチレバーを握って変速する必要がないんだって。す、すごい技術だ。でも、どういうこと??って思う人もいるよね。そこで、実際に乗ってきた感想を交えて解説していくよ!
まずはCB650Rの見た目から。横からのバランスを見たときに全体が中心にギュッとまとまっていて、収まりの良さを感じるモデルだよね。
ヘッドライトは特徴的な丸目のLEDライトで特別感あってかっこいい
ヘッドライトが特徴的な丸目のLEDライトで特別感あってかっこいい。ミドルクラスではいまや貴重な4気筒エンジンを搭載。カラーリングは、マットバリスティックブラックメタリックとパールディープマッドグレーの2展開で、エンジンカバーやホイールにブロンズ塗装が施されていて大人な雰囲気を感じるよ。その差し色も相まってか、メカメカしさとデザインに映画スター・ウォーズに出て来るC-3POを思い出して、かわいくて惹かれる!
■まずは、足付きチェックから!
シート高810mmで、わたしの身長(158cm)で両つま先が着くよ。車重は205kgと、大型車両の中でもそこそこ軽い部類だよ。
シート高810mmで、わたしの身長(158cm)で両つま先が地面に着く
スタンド払う前に両足をステップに乗せてみたけど、ニーグリップした時のフィット感が◎。これなら下からの振動で身体が振り落とされることもなさそう。そして片足でスッと起こすことが出来るから、女性でもすんなり起こすことが出来るよ。意識すれば、停車中の片足を下ろした時にカカトまでペタッと着くことが出来るから、横から強い風が吹いても安定して停車していられそう。それから降りてからの取り回しも簡単に行えて、傾斜でも押し歩きができるくらい扱いやすいよ。
■では実際に走っていこう!
まずエンジン始動させると、5.0インチのTFTフルカラー液晶が点灯する。発色がいいから見やすくていいね。液晶右側にはAの文字が緑色に点灯するんだけど、どうやらこれが今回の試乗の目玉であるEクラッチモードのマークみたい。Eクラッチにいちいち設定するのではなく、エンジンを始動させると最初からこのモードになってるよ。
ニュートラルから一速にギヤチェンジする操作は普通のMT車と一緒ながらクラッチレバーは握らずヒヤヒヤしてしまう
走り出す時は、ニュートラルから一速にギヤチェンジする操作は普通のMT車と一緒。ただし、この時クラッチレバーは握らないのが違うところ。発進する時は、そのままアクセルをひねるだけ。最初はなかなか慣れないから、エンストするんじゃないか?ってちょっとヒヤヒヤしてしまった。笑
でも意を決して思い切ってやってみたらなんともなかった。でも変な声は出た。笑
ちなみに、ここでクラッチを握るとEクラッチは解除されるよ。そうすると普通の MTバイクと同じ操作になるので、慣れるまでは間違えないように気をつけてね。解除された状態で、もしEクラッチに戻したければ、ニュートラルに入れるとまたEクラッチモードに戻るから、最初は慌てずゆっくりやるのがいいね。
いつも通りスピードを上げていくんだけど、やっぱりここでも迷うのがギヤチェンジ操作
そのまま、アクセルを開け発進すると、力強く「グワンッ」と前に進んだよ。普段のクラッチ操作をする時は、半クラ操作などをしながら、なるべく反動がないように自分で調節出来るけど、Eクラッチはその操作がない分、スタート時の勢いがあって少し驚いた。冬場でアイドリングが高かったのもあるのかな?と思ったり。
そのまま、いつも通りスピードを上げていくんだけど、やっぱりここでも迷うのがギヤチェンジ操作。クラッチレバーの操作がない分、何が正解なのか乗り方に迷った。
この時の、わたしの頭の中では「MT車の操作と同じように、アクセルを一瞬戻して変速するのが正解なのか?」「走りながら変えたらバイクに負荷がかかってしまうのではないか?」という2点が頭に浮かんだ。
一旦アクセルを戻してギヤを上げるやり方で変えてみたところ、クラッチを握っていないから変なところでエンブレが効くぎこちなさがあり、ストレスを感じてやりづらい。なので、思い切ってアクセルを戻さないまま、ギヤを上げてみたらすんなり上がった。この時も「大丈夫なのかな」「壊れないかな」と恐ろしくて変速のたびに変な声が出たけど、1→2も、2→3も何も引っかかりなく滑らかに走行できたので、やっとニコニコに。「なるほど!これでいいんだ!」と慣れたら楽しくなった。
Eクラッチに慣れたらストレート走行もコーナリングもスマートに乗りこなせて気持ちがいい!
大体、3000回転くらいでチェンジするのが、ギャップもなく一番スムーズにギヤチェンジできたように思う。慣れたらストレート走行もコーナリングもスマートに乗りこなせて気持ちがいい!
クラッチを握らないってなんだか不思議な感覚だけど、何時間も大型車のクラッチレバーをニギニギするための握力に自信がない女性ライダーはもちろん、筋力が衰えてきたおじ様たちにもこれはおすすめかもしれない。
そもそもMT車でも、上手な人はレバー操作をほとんど行わずにギヤチェンジが出来ると聞いたけど、それをこのEクラッチモデルで擬似体験してるようだったな。でも気をつけてほしいのは、気を抜くといつも通りクラッチを握ってしまうこと。そして反対に、Eクラッチに慣れた後、通常のMTバイクに乗るとクラッチを握るのを忘れてしまうこと。笑
これは立ちごけとかにも繋がるから、乗り分ける際は絶対に気をつけないといけないね…。
■ギアを下げるタイミングも教えてくれる!
ギヤを上げる時はわかったけど、ギヤを下げる時はどうするのか?
通常、アクセルを戻すと減速するよね。Eクラッチモデルでは、この時、高いギヤに入っていると、メーターのシフト数の横に「ギヤ下げて〜」を示唆する『↓』矢印マークが出てくるんだ。この矢印が出てきたらシフトダウンをしたほうがよくて、シフトアップ同様にクラッチレバーは握らず、足元のシフトペダルだけだけでダウン操作していくよ。ここで思い出したけど、カブの自動遠心クラッチみたいだコレ!
スピードを上げて6速で走行していたところから2速までどんどんギヤを下げていくと、エンジンブレーキのかかる音がウーンとうなるのはMTバイクと変わらず
たとえば、スピードを上げて6速で走行していたところから2速までどんどんギヤを下げていくと、エンジンブレーキのかかる音がウーンとうなるのはMTバイクと変わらず。そのシフトが変わっていく中でも、前にツンのめるとか手に負荷がかかりすぎることなく、かなり滑らかに緩く減速していってくれるので安心できた。でも2速から1速に落とした時グッとエンジンブレーキかかるから油断禁物だね。あれ、これもなんかカブと似てるなぁ!笑
わたしが唯一気になったのは、Uターンする時などのトロトロ運転時。クラッチレバーを使えば、半クラッチなどを用いて細かい調整ができるけど、Eクラッチモードでトロトロ動くと、アクセルワークが難しくてギクシャクガタガタしながらになってしまった。わたしの技量によるところもあるのだろうけど、もし事前にトロトロ運転をすることがわかっている場合には、Eクラッチモードを解除して、クラッチレバー操作をする選択も持っておくといいかもしれないね。
Eクラッチの基本は、とにかく慣れることだね。慣れてしまえば、あとはいつも通りの乗り方でいい路思う。街中での発進、変速、停止など、駆動が一気にかかるシーンでは特に慣れが必要。
握力の弱い女性は特に、クラッチレバーが重いバイクだと2時間も乗っていられないからEクラッチというシステムが搭載されているバイクが選択肢にあるのは、すごくいいことだなと思った!
Eクラッチは、ロングツーリングにも重宝されそうだろうし、こんなすごい技術が出来た時代に生きててよかった
大型車に乗りたいのに、レバーが重いとそれだけで乗るのが嫌になっちゃうもんね。そもそも、元々ホンダ車ってクラッチが重いバイクは少ないと思っていたけど、さらに楽ちんな機能をつけてくれるなんて、ライダーの声が届いているんだろうなぁと思ったよ。ロングツーリングにも重宝されそうだろうし、こんなめちゃめちゃすごい技術が出来た時代に生きててよかった!
願わくば、もっと色んなバイクに付けられるようになったら最高なのになぁ。なんて。
…ということで本日はここまで!
また8の付く日にお会いしましょう~♪
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