一体なぜ? 昔とくらべて今のバイクの排気音が静かになっている理由とは
バイクのニュース / 2025年1月13日 9時10分
最近のバイクの排気音は以前に比べて静かになりました。騒音問題でも度々話題となるバイクの排気音ですが、今と昔の市販バイクでは、排気音の大きさにどのような違いがあるのでしょうか。
■最近のバイクの排気音は静かになっているって本当?
現在販売されているバイクの排気音は、昔のバイクに比べて静かな印象を受けます。年配のバイク乗りは、実際に販売店でエンジンをかけてみた際に、驚いたという人もいるのではないでしょうか。
排気音とはその名の通り「排気を出すときの音」。騒音などで問題となる事も多々あります。
そんなバイクの騒音を規制するために導入されたのが「騒音規制」で、この騒音規制は導入当時と比べて厳しくなっています。
では、バイクの騒音規制には、どのような歴史があるのでしょうか。
バイクの騒音規制が初めて導入されたのは1952年
バイクの騒音規制が初めて導入されたのは1952年。その後1960年代、1971年代と続き、1971年の騒音規制値では、軽二輪(126㏄から250cc)の定常走行騒音が74db、加速走行騒音が84db、小型二輪(251cc以上)の定常走行騒音が74db、加速走行騒音が86dbとなりました。
定常走行騒音とは、最高出力の60%の回転数で走行した速度で発生する騒音を7.5m離れて測定したもので、加速走行騒音とは、定常走行状態からフル加速し、10m走行した時点で発生する騒音を7.5m離れた場所から測定したものです。
続いて、1986年に導入された騒音規制の項目には、近接排気騒音が追加されました。
近接排気騒音とは、停車状態で最高出力回転数の75%(最高出力回転数が5000回転以上の場合は50%)の回転数で発生する騒音を排気方向から45度、排気管から0.5m離れた場所で測定したもの。
現在車検の際に検査されるのは、この近接排気騒音のみとなっています。
騒音規制の数字を辿っていくと、どんどん厳しくなっていることが分かる
なお、1986年の騒音規制値では、軽二輪の定常走行騒音が74db、加速走行騒音が75db、近接走行騒音が99db、小型二輪の定常走行騒音が74db、加速走行騒音が75db、近接排気騒音が99dbとなっていました。
その後の2001年には、軽二輪の定常走行騒音が71db、加速走行騒音が73db、近接排気騒音が94db、小型二輪の定常走行騒音が72db、加速走行騒音が73db、近接排気騒音が94dbと、数字を辿っていくと、どんどん厳しくなっていることが分かります。
さらに、現行の規制でもある2010年の騒音規制では、2010年4月1日以降に生産されたバイクについて、軽二輪と小型二輪ともに国産新型車、国産継続車、輸入車の全てにおいて、加速走行騒音が82db、近接走行騒音が94dbとなりました。
したがって、バイクの騒音規制は導入当時に比べて年々厳しくなっており、昔と比べて最近のバイクが静かだと感じられるのも、騒音規制による違いだと考えられます。
では、この基準をオーバーする「不正改造マフラー」を使用した場合、どのような罰則があるのでしょうか。
現在は走行中に基準に適合するものの表示や試験成績表などが確認できない場合は、基準不適合となってしまう
国土交通省によると、現在マフラーに対する騒音対策として「騒音低減機構を容易に除去できるマフラーの装着」が禁止されており、交換用マフラーは基準適合品を使用することが求められています。
そして2016年に不正マフラーへの改造禁止を徹底するための新制度が導入され、証明機関による騒音性能表示等が義務付けられることとなりました。
適用される時期は「平成22年4月以降に製作される自動車及び原動機付自転車」であり、車検の無い原動機付自転車や軽二輪自動車にも適応される基準となっています。
加えて、平成28年10月以降に製作されたバイクやクルマについては、走行中に基準に適合するものの表示や試験成績表などが確認できない場合は、基準不適合となってしまうため注意が必要です。
もし不正改造を実施した場合は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科され、さらに不正改造車には整備命令を発令。従わなかった場合は、50万円以下の罰金となります。
ちなみに、定められた基準に適合するものの例として、「自動車製作者表示(純正マフラー)」、「装置型式指定品表示(自マーク)」、「性能等確認済表示(確認機関が性能等を確認した交換用マフラーに行う表示)」などの表示があるマフラーが挙げられます。
この他にも基準に適合するものは存在するため、不安な人は国土交通省のサイトなどを調べてみると安心です。
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