隊員の体形や性別は関係ないの？ リッターバイクが採用される白バイの車種

白バイは大型バイクが採用されていますが、性別や身長関係なく、すべての隊員が同じ車両に乗っているのでしょうか。

■男性隊員と女性隊員に区別はなし！

　白バイ隊員の仕事は、交通違反や交通事故を未然に防ぐためのパトロールや取り締まりのほか、マラソンや駅伝の先導、皇族や要人の警衛警備など多岐にわたります。

　威風堂々とした佇まいながら、いざという時には鋭い加速であっという間に違反車両を捕らえてしまう頼もしい存在で、そんな白バイ隊員に憧れた経験がある人も多いと思います。

　そんな白バイ隊員には、男性だけでなく女性もいますが、小柄な女性隊員の場合、どうしても白バイのようなリッターバイクを扱うのにハンデがあるように感じてしまいます。

　では、すべての白バイ隊員は、同じ車両に乗っているのでしょうか。

白バイ隊員全員は性別や体格に関係なく同じモデルを使用している

　男性に引けを取ることなく、ヒラヒラと乗りこなしている姿を目にすると、女性隊員が乗っている白バイは、女性の体に合わせて車体サイズも小型のものが採用されているのではないかと考えている人も居るでしょう。

　しかし、実際には男性隊員との差は無く、白バイ隊員全員が同じモデルを使用しています。

　現在、白バイに採用されている主力モデルは、2009年から導入されているホンダの「CB1300P」と、2014年から導入されているヤマハの「FJR1300P」の2車種。

　名前の末尾に付けられた“P”は“Police”の頭文字をとったもので、警察専用車両であることを示しています。

　なお白バイ用に特別に開発された車両という訳ではなく、それぞれベースとなる市販車が存在。CB1300Pはホンダの「CB1300 SUPER BOL D’OR」が、そしてFJR1300Pはヤマハの「FJR1300A」がベースになっています。

　ベース車両と警察専用車両は、エンジンの出力特性やギア比などに違いはありません。しかし、取り締まり業務に特化した警察専用車両ならではの装備がいくつか備えられています。

ベース車両と警察専用車両は、エンジンの出力特性やギア比などに違いはない

　具体的には赤色灯やサイレン、スピーカーに加え、速度違反を取り締まるための測定機器や、違反速度の記録を印刷するプリンター。

　さらにデジタル無線機が入ったトップボックスに、車体の左右には業務に必要なツールを積んだサイドボックスも取り付けられています。

　これらの装備により、白バイは市販車よりも30kgほど総重量が重いとされています。

　そのため、CB1300 SUPER BOL D’ORの車両重量は272kg、FJR1300Aの車両重量は289kgであるため、白バイの総重量はおよそ300kg。万が一白バイが転倒してしまった場合、引き起こすのは至難の業です。

　ちなみに、警察官になるための選考基準は各都道府県によって異なりますが、かつては身長、体重などにも制限があり、その条件を理由に警察官になることを断念する人も存在したのが実用です。

　しかし、現在では身長、体重の要件は撤廃されているところが多く、体格によってチャレンジの場が失われるということはありません。

　白バイ隊員になるための選考基準においても同様で、実際に身長150cm前後の女性隊員も活躍しています。

　では、白バイ隊員になるためには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。

白バイ隊員になるためには、警察官にならなければならない

　まず、白バイ隊員になるためには、警察官にならなければなりません。警察官になるには、各都道府県警察の採用試験を受け、警察学校に入校する必要があります。

　警察学校を出ると、各警察署に配属され、交番勤務を経て交通課に配属後、本人の希望や上司の推薦などによって「白バイ専科」と呼ばれる研修に参加します。

　そして専科を通じて白バイ隊員としての適性が判断されるため、研修の最後には修了試験がおこなわれます。

　この試験に合格すると、交通機動隊への辞令を受ける事ができ、不合格の場合は元の部署に戻ることになります。

　交通機動隊に配属されたあとは「新任教養訓練」に参加。ここでさらに高いレベルの指導、教養を身につけることになります。

　晴れて白バイ業務をスタートさせることができても、白バイ隊員達は日々運転技術を磨くため、訓練に励みます。

　勤務時間中に訓練をする場合もありますが、業務開始前の早朝に自主練をする人もいるようです。

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　白バイ隊員が乗っている白バイに男女間での差はなく、女性隊員であっても男性と同等の運転技術が求められます。

　体力や筋力面のハンデを感じさせず大きな白バイを扱う逞しい姿は、強い責任感と日々の厳しい訓練の賜物であると言えるでしょう。