スペインの鉄道旅と、ハモンが売り切れるほど大勢の観戦客が訪れたMotoGP最終戦
バイクのニュース / 2025年1月19日 12時10分
2024年シーズンのMotoGP最終戦となるソリダリティGP・オブ・バルセロナ取材のため、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットに行きました。その旅の模様と、サーキットの様子をお届けします。
■マドリードからバルセロナへ、スペインの鉄道旅
2024年シーズンのMotoGP最終戦となるソリダリティGP・オブ・バルセロナ取材のため、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットを訪れました。バルセロナへは、マドリードのアドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港から電車を利用しました。空港からバスに乗ってアトーチャ駅に行き、そこからバルセロナ-サンツ駅まで、高速鉄道の「Renfe AVLO」(スペイン国鉄の低料金高速列車)に乗ったのです。
マドリードからバルセロナまでの鉄道旅は「Renfe AVLO」で。車両が新しくて快適!
MotoGPの2024年シーズン最終戦は、元々バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで開催される予定でしたが、10月末にバレンシア州などを襲った豪雨と洪水被害により、開催地がリカルド・トルモ・サーキットから400kmほど北に位置する、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットに変更となったのです。
と言っても、この鉄道移動は元々予定していたものでした。電車旅が好きなわたし(筆者:伊藤英里)は、マドリードから東に移動する電車旅も悪くないだろう、と思ったのです。結果的に、開催地の変更によって移動手段の予約変更のダメージが最小限で済んだのは、不幸中の幸いでした。
11月中旬も天候が不安定で、マドリードに到着してスマートフォンをチェックすると、在バルセロナ日本国総領事館から、「悪天候に関する注意喚起」というメールが届いていました。これから向かおうというカタルーニャ州などで「非常に激しい雨」が降る可能性がある、というのです。
こんなとき、電車旅にしておいて良かった、と思います。もしレンタカーで豪雨にでも遭ったら、慣れないスペインの道を走るなど、あまりにも危険です。
以前、自分の運転でイタリアのリミニからミラノへ向かっている真夜中(飛行機が早朝の便だったので、やむなく真夜中移動だったのです)、アウトストラーダ(イタリアの高速道路)を走っていると、日本で言うゲリラ豪雨のようなひどい雨に遭ったことがありましたが、もう2度とあんな目に遭いたくないと思うほど、恐ろしい体験でした。なにしろ、アグレッシブな運転をするあのイタリアンドライバーでさえ、ゆっくりと走るくらいだったのですから……。
結論から言えば、天候はバルセロナのサンツ駅に着いても悪化しませんでした。途中、タラゴーナのあたりでぽつぽつと雨粒が車窓について、風景が霧がかかったようになったくらいで、サンツ駅に着いてみると太陽が地面を照らしていました。
ただ、その地面はしっかりと濡れていて水たまりもあったので、どうやら雨は降ったようです。幸い、最終戦ソリダリティGP・オブ・バルセロナの週末、天候がひどく崩れることはありませんでした。
■フードスタンドの衝撃(?)
急遽、2024年シーズンの最終戦の開催地となったバルセロナ-カタルーニャ・サーキットは、5月下旬にカタルーニャGPが開催されたサーキットです。わたしは予算の関係で2024年シーズンのカタルーニャGPに行けなかったので、1年半ぶりのサーキットになります。
ハモンのバゲットサンド! これがスペインに来たときの楽しみなのだ
今回はグランドスタンド裏や1コーナーの内側に足を運ぶことができました。じつは、2023年に訪れたカタルーニャGPでは、体調が悪化してロンドンで緊急入院、手術をした後の取材だったので、体力温存のためにほとんど歩き回ることができなかったのです。取材は体力勝負です。健康第一ではありますが、海外の地でそれを維持する難しさも、この2年で知りました。
金曜日にグランドスタンド裏や、9コーナーから10コーナーにかけてのストレート外側の広場に行くと、観戦客であふれかっていました。
9コーナーから10コーナーにかけてのストレート外側の広場に行ったときはちょうど昼時だったので、フードスタンドでランチを買うことにしました。もちろん、目当てはハモン(塩漬けの豚肉を乾燥させた、いわゆる生ハム)のバゲットサンドです。日本では味わえないので、わたしはスペインに来たら、たっぷり食べることに決めているのです。
しかし、張り切ってハモンのバゲットサンドをオーダーしたところ、フードスタンドのおねえさんが少し残念そうにして「ごめんね、無いのよ」と言うではありませんか! 「ホットドッグか、あとはハンバーガーならあるわ! どちらも美味しいよ!」とにっこりするおねえさん。商魂たくましいです。こちらはまだ、ショックから立ち直れていないというのに……。仕方なく、ホットドッグを買いました。
そのときは「ハモンはやっぱり大人気なんだなあ」と思ったのですが、日曜日、レースの国際中継でソリダリティGP・オブ・バルセロナのチケットがソールドアウトだった、と伝えていました。そりゃあ、ハモンもなくなるわけです。
ハモンの話は別としても、バレンシアから400kmほどしか離れていないとはいえ、急に開催地が変わり、しかも当初の日程で開催されたソリダリティGP・オブ・バルセロナがソールドアウトだったことは、とても素晴らしいと思います。
こうして、2024年シーズンのMotoGP取材は締めくくりとなったのでした。
2025年も開幕戦タイGPを皮切りに、8戦の海外取材を予定しています。小さな挑戦を積み重ねながら、「ぶら歩き」をしていきたいと思います。
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